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異次元緩和導入で市場機能が急低下、YCCでマイナス幅が最大=日銀特別調査

配信日時:2023/12/01 16:39 配信元:REUTERS

Takahiko Wada

[東京 1日 ロイター] - 日銀は1日、金融緩和政策の多角的レビューの一環で実施した債券市場サーベイの特別調査の結果を公表した。それによると、黒田東彦前総裁の下で大規模緩和に踏み切るまでは高水準で推移していた市場機能度DIが、量的・質的金融緩和導入を境に急低下し、イールドカーブ・コントロール(YCC)導入でマイナス幅が最大になった。

特別調査は70の金融機関や機関投資家を対象に10月23日から11月10日まで実施した。

調査では1990年代以降を5つの時期に分けて市場機能を聞いた。その結果、異次元緩和開始前(1990年代後半から2013年4月)の市場機能DIはプラス62となり、5つの期間で最も高かった。

その後、異次元緩和開始後(13年4月から16年1月)はプラス5に急低下、マイナス金利導入後(16年1月から9月)はマイナス48、YCC導入後(16年9月から21年12月)はマイナス71とマイナス幅が大きく広がった。現在(22年以降)はやや持ち直し、マイナス60となった。

同時に発表した債券市場サーベイの11月調査によると、債券市場の機能度判断DIはマイナス31となった。前回8月調査(マイナス40)からさらに持ち直した。7月に続いて10月にもYCCの運用を柔軟化したことで、市場機能の改善が続いている。

(和田崇彦)

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