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「影の銀行」、監督強化が必要=ECB銀行監督委員長

配信日時:2023/11/29 13:45 配信元:REUTERS

[フランクフルト 28日 ロイター] - ユーロ圏の銀行監督を担う欧州中央銀行(ECB)銀行監督委員会のエンリア委員長は28日、「影の銀行(シャドーバンキング)」とされる保険会社やヘッジファンド、投資ファンドなど銀行以外の金融業者の監督に言及し、ECBが一段と大きな役割を果たす必要があるかもしれないとの見解を表明した。ドイツ経済紙ハンデルスブラットなど複数の欧州紙との合同インタビューで語った。

同委員長は、影の銀行が資金の貸し手として、従来の法律に基づく銀行などよりも大きな存在になっており、金融全般の安定性を脅かすリスクが高い恐れがあると指摘した。

さらに同委員長は「多く存在していそうなのがエクスポージャーの集中や流動性ミスマッチ、過剰レバレッジで、マクロ・プルーデンスの監督機関であるECBとしては当然のことながら、そうしたことに対して責任を負う可能性がある」と述べた。

さらに個人的な見解と断った上で「(ECBによる)規制の範囲を幾分か拡大する必要があるだろう」と指摘した。ただ、影の銀行は「(いわゆる)銀行とは異なるものなので、同様の方法で監督できると考えるべきではない」と付け加えた。

エンリア氏は年末で退任する予定。

影の銀行を巡っては、総資産が既に51兆ユーロ(56兆1300億ドル)に及んでいるが、金融規制は銀行よりも緩い。仮に監督を強化する場合、関係法規の改正が義務付けられている上、改正手続きには時間を要し、広範な政治合意が求められる。

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