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トヨタ株が逆行高、資本効率向上の思惑 政策保有株見直しの報道

配信日時:2023/11/29 10:08 配信元:REUTERS

[東京 29日 ロイター] - 東京証券取引所でトヨタ自動車株が逆行高となっている。同社を含む複数のグループ企業が保有するデンソー株を売却する方向で調整していることが分かったと前日に報じられ、政策保有株の見直しが資本効率向上につながるとの思惑が支援している。

株価はトヨタは1%、豊田自動織機株は約7%、アイシンは2%近く、それぞれ一時上昇した。ドル/円が147円付近へと円高方向に触れる中、日経平均は小幅安。完成車メーカーでは、日産自動車やホンダは軟調となっているのに対し、逆行高となっている。

ロイター報道によると、トヨタと豊田自動織機、アイシンが合計でデンソー株の約10%を売却する。デンソー株を売却する各社は「資本効率向上への思惑が支援しているのだろう」(東海東京調査センターの杉浦誠司シニアアナリスト)との声がある。

一方、デンソーは軟調で、一時2%超安に下落した。需給悪化の懸念が下押し圧力になっているとみられる。トヨタ紡織、ジェイテクト、豊田合成といった御三家以外のグループ企業では軟調な銘柄が目立っており「政策保有株の見直し対象が広がるとの思惑から、需給悪化懸念が先立っているのではないか」(杉浦氏)との見方がある。

グループ内での政策保有株を見直す動きは、今後も継続すると見込まれている。アイシンは、9月に発表した中期経営計画で、25年度までに政策保有株を1000億円以上売却し「ゼロ化を目指す」との方針を示した。ジェイテクトも、政策保有株式ゼロに向けた縮減を継続・加速する方針を示している。

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