午前の日経平均は小反落、ザラ場のバブル後高値更新で達成感
[東京 20日 ロイター] - 午前の東京株式市場で日経平均は、前営業日比22円79銭安の3万3562円41銭と小幅に反落した。朝方には小安く寄り付いた後、短時間でプラスに転じ、取引時間中のバブル後高値を更新したが、達成感から利益確定売りが優勢となった。 日経平均は25円安でスタートした後、プラスに転じ、上昇に弾みがついてバブル後高値を更新した。市場では「海外短期筋は米中景気が弱いとの見方から売りに傾いていたが、堅調な企業業績を背景に相場が戻してきた中で、買い戻しを迫られた側面がありそうだ」(岡三証券の松本史雄チーフストラテジスト)との見方が聞かれた。 高値更新後も上値を伸ばし、日経平均は一時268円高の3万3853円46銭に上昇した。ただ、徐々に利益確定売りが強まり、再びマイナスに押し戻された。前引けにかけては、前営業日の終値を挟んだ一進一退が続いた。 高値を更新したことで、ひとまず達成感が出たとみられる。「さらに上を買う目先の材料はない。力強く上昇してレンジが引き上がるといった感じではない」(松本氏)という。 前週末に業績予想の上方修正や自社株買いを発表した東京海上ホールディングスは買いが先行し、セクター別の保険は値上がり率トップとなった。一方、ドル/円が円高に振れる中、輸送用機器は値下がり率トップだった。 国内主要各紙の世論調査で岸田文雄内閣の支持率が20%台に急低下したが「少なくとも午前の取引では大きな影響はなさそうだ」(国内証券のアナリスト)とみられている。 TOPIXは0.31%安の2383.67ポイントで午前の取引を終了した。東証プライム市場の売買代金は1兆8010億7400万円だった。東証33業種では、値上がりは保険や機械、鉱業など8業種で、値下がりは輸送用機器やその他製品、電気・ガスなど25業種だった。 車載部品を手掛ける子会社株の一部を米ファンドに売却すると前週末に伝わったパナソニック HLDGが堅調。ファーストリテイリングが小高かったほか、ソフトバンクグループはしっかりだった。一方、トヨタ自動車や任天堂は軟調だった。 東証プライム市場の騰落数は、値上がりが670銘柄(40%)、値下がりは934銘柄(56%)、変わらずは55銘柄(3%)だった。