ランチタイムコメント
日経平均は大幅反発、米株高受けて買い優勢の展開
配信日時:2023/10/10 12:04
配信元:FISCO
*12:04JST 日経平均は大幅反発、米株高受けて買い優勢の展開
日経平均は大幅反発。772.08円高の31766.75円(出来高概算7億3083万株)で前場の取引を終えている。
国内連休中の米国株式市場のダウ平均は6日に288.01ドル高、9日に197.07ドル高と連日上昇。9月雇用統計では失業率が予想を上回ったほか賃金の伸びが鈍化したことを受けて金利の上昇が限定的となり、ソフトランディング期待を受けた買いも強まった。中東の地政学的リスク上昇を警戒する動きもあったが、連邦準備制度理事会(FRB)のジェファーソン副議長が政策を慎重に進める余地があると発言し、金利高懸念が後退して買戻しに拍車がかかった。ナスダック総合指数も上昇、堅調な値動きとなった米株市場を受けて、本日の日経平均は上昇スタートとなった。その後は上げ幅を広げてプラス圏での推移となっている。
個別では、レーザーテック<6920>やディスコ<6146>、東エレク<8035>などの半導体関連株、川崎汽船<9107>や商船三井<9104>などの海運株、三井住友<8316>や三菱UFJ<8306>、みずほ<8411>などの金融株が堅調に推移。また、三菱商事<8058>や三井物産<8031>などの商社株、ソニーG<6758>やメルカリ<4385>などのグロース株の一角も上昇して全面高となっている。キーエンス<6861>、ソフトバンクG<9984>、ファーストリテ<9983>、神戸製鋼所<5406>、NTT<9432>、日本製鉄<5401>なども上昇している。そのほか、業績・配当予想上方修正を引き続き材料視された三陽商会<8011>が上昇、石油資源開発<1662>、ワキタ<8125>などが値上がり率上位に顔を出した。
一方、日本航空<9201>やANAホールディングス<9202>などの空運株が下落した。そのほか、マルマエ<6264>やマツオカコーポレーション<3611>、サカタのタネ<1377>
などが急落、コジマ<7513>、Ubicomホールディングス<3937>、ワタミ<7522>などが値下がり率上位に顔を出した。
セクターでは、鉱業、石油・石炭、海運業が上昇率上位となった一方で、空運業、水産・農林が下落率上位となった。東証プライムの値上がり銘柄は全体の87%、対して値下がり銘柄は11%となっている。
今日の東京株式市場は買いが先行した。東京市場が3連休中の先週末6日と昨日9日の2日間で、米株式市場でダウ平均が大幅高となった流れを引き継いだ。また、小売り・サービスを中心とする消費関連株の四半期決算発表が本格化しており、好業績銘柄に対する物色意欲が株価を支える要因となった。ただ、中東地域での戦闘激化を受けた原油価格の上昇が、物価上昇や企業業績圧迫の要因となるとの警戒感も広がっている。なお、取引開始前に発表された8月の国際収支状況(速報)によると、経常収支は2兆2797億円の黒字。前年同月に比べ1兆6050億円黒字幅が拡大した。
一方で、新興市場は上値の重い展開となっている。マザーズ指数やグロース市場の時価総額上位銘柄などで構成される東証グロース市場Core指数は上昇スタート後にプラス圏で推移しているが、日経平均株価と比較すると上げ幅は限定的となっている。米長期金利は4.6%台まで下落しており、前週大幅に下落した新興株を買い戻す動きが継続している。ただ、今週は、11日に9月の米卸売物価指数(PPI)、12日に9月の米消費者物価指数(CPI)の発表が控えており、これらを見極めたいとして積極的な買いを見送る向きもある。前引け時点での東証グロース市場Core指数は1.94%高、東証マザーズ指数は1.00%高となった。
さて、国内休日中の7日、パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスがイスラエルを攻撃した。戦闘の詳細は報道を注視しておきたいが、中東情勢の緊迫化を受けて、金やドルなどの安全資産に注目が集まっている一方で、株式も底堅い動きとなっている。先週末発表された雇用統計の結果や米連邦準備制度当局者のハト派的発言が好感されているほか、地政学リスクの高まりが金利据え置きにつながるとみられている。CME FedWatch ツールでは、次回FOMCでの金利据え置きが86.4%まで上昇、利上げ確率は13.6%まで低下している。
一方で、原油相場が急伸したことでインフレ高止まりを巡る懸念も強まっている。今回の出来事がすぐに供給への脅威になるわけではないとみられているが、イラン関与の疑いが伝えられる中でイランに対する報復の可能性が高まれば、ホルムズ海峡を巡る懸念が強まる恐れがあるという。世界の石油供給量の3分の1近くを占める中東で先行き不透明が強まっており、今後の金融市場への影響は読みにくい。今週は重要インフレ指標の発表も控えており、楽観視して株式を買い進む動きは手控えた方がよさそうだ。
さて、10月5日に発表された最新週(9月25日~9月29日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物株を4週連続で売り越した。売り越し金額は776億円となるなか、個人投資家は2週連続で現物株を買い越している。引き続き、海外投資家の売り越しスタンスにブレーキが掛かるか注目される。後場の日経平均はプラス圏での堅調推移を継続できるか。本日は幅広いセクターが堅調に推移しており、プライム市場の主力株中心に物色が継続するか注目しておきたい。
(山本 泰三)
<AK>
国内連休中の米国株式市場のダウ平均は6日に288.01ドル高、9日に197.07ドル高と連日上昇。9月雇用統計では失業率が予想を上回ったほか賃金の伸びが鈍化したことを受けて金利の上昇が限定的となり、ソフトランディング期待を受けた買いも強まった。中東の地政学的リスク上昇を警戒する動きもあったが、連邦準備制度理事会(FRB)のジェファーソン副議長が政策を慎重に進める余地があると発言し、金利高懸念が後退して買戻しに拍車がかかった。ナスダック総合指数も上昇、堅調な値動きとなった米株市場を受けて、本日の日経平均は上昇スタートとなった。その後は上げ幅を広げてプラス圏での推移となっている。
個別では、レーザーテック<6920>やディスコ<6146>、東エレク<8035>などの半導体関連株、川崎汽船<9107>や商船三井<9104>などの海運株、三井住友<8316>や三菱UFJ<8306>、みずほ<8411>などの金融株が堅調に推移。また、三菱商事<8058>や三井物産<8031>などの商社株、ソニーG<6758>やメルカリ<4385>などのグロース株の一角も上昇して全面高となっている。キーエンス<6861>、ソフトバンクG<9984>、ファーストリテ<9983>、神戸製鋼所<5406>、NTT<9432>、日本製鉄<5401>なども上昇している。そのほか、業績・配当予想上方修正を引き続き材料視された三陽商会<8011>が上昇、石油資源開発<1662>、ワキタ<8125>などが値上がり率上位に顔を出した。
一方、日本航空<9201>やANAホールディングス<9202>などの空運株が下落した。そのほか、マルマエ<6264>やマツオカコーポレーション<3611>、サカタのタネ<1377>
などが急落、コジマ<7513>、Ubicomホールディングス<3937>、ワタミ<7522>などが値下がり率上位に顔を出した。
セクターでは、鉱業、石油・石炭、海運業が上昇率上位となった一方で、空運業、水産・農林が下落率上位となった。東証プライムの値上がり銘柄は全体の87%、対して値下がり銘柄は11%となっている。
今日の東京株式市場は買いが先行した。東京市場が3連休中の先週末6日と昨日9日の2日間で、米株式市場でダウ平均が大幅高となった流れを引き継いだ。また、小売り・サービスを中心とする消費関連株の四半期決算発表が本格化しており、好業績銘柄に対する物色意欲が株価を支える要因となった。ただ、中東地域での戦闘激化を受けた原油価格の上昇が、物価上昇や企業業績圧迫の要因となるとの警戒感も広がっている。なお、取引開始前に発表された8月の国際収支状況(速報)によると、経常収支は2兆2797億円の黒字。前年同月に比べ1兆6050億円黒字幅が拡大した。
一方で、新興市場は上値の重い展開となっている。マザーズ指数やグロース市場の時価総額上位銘柄などで構成される東証グロース市場Core指数は上昇スタート後にプラス圏で推移しているが、日経平均株価と比較すると上げ幅は限定的となっている。米長期金利は4.6%台まで下落しており、前週大幅に下落した新興株を買い戻す動きが継続している。ただ、今週は、11日に9月の米卸売物価指数(PPI)、12日に9月の米消費者物価指数(CPI)の発表が控えており、これらを見極めたいとして積極的な買いを見送る向きもある。前引け時点での東証グロース市場Core指数は1.94%高、東証マザーズ指数は1.00%高となった。
さて、国内休日中の7日、パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスがイスラエルを攻撃した。戦闘の詳細は報道を注視しておきたいが、中東情勢の緊迫化を受けて、金やドルなどの安全資産に注目が集まっている一方で、株式も底堅い動きとなっている。先週末発表された雇用統計の結果や米連邦準備制度当局者のハト派的発言が好感されているほか、地政学リスクの高まりが金利据え置きにつながるとみられている。CME FedWatch ツールでは、次回FOMCでの金利据え置きが86.4%まで上昇、利上げ確率は13.6%まで低下している。
一方で、原油相場が急伸したことでインフレ高止まりを巡る懸念も強まっている。今回の出来事がすぐに供給への脅威になるわけではないとみられているが、イラン関与の疑いが伝えられる中でイランに対する報復の可能性が高まれば、ホルムズ海峡を巡る懸念が強まる恐れがあるという。世界の石油供給量の3分の1近くを占める中東で先行き不透明が強まっており、今後の金融市場への影響は読みにくい。今週は重要インフレ指標の発表も控えており、楽観視して株式を買い進む動きは手控えた方がよさそうだ。
さて、10月5日に発表された最新週(9月25日~9月29日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物株を4週連続で売り越した。売り越し金額は776億円となるなか、個人投資家は2週連続で現物株を買い越している。引き続き、海外投資家の売り越しスタンスにブレーキが掛かるか注目される。後場の日経平均はプラス圏での堅調推移を継続できるか。本日は幅広いセクターが堅調に推移しており、プライム市場の主力株中心に物色が継続するか注目しておきたい。
(山本 泰三)
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