オープニングコメント

防衛関連やエネルギー株に短期資金が集中

配信日時:2023/10/10 08:35 配信元:FISCO
*08:35JST 防衛関連やエネルギー株に短期資金が集中  10日の日本株市場は、買い一巡後は次第にこう着感が強まる相場展開が見込まれる。9日の米国市場は、中東の地政学的リスク上昇を警戒した売りが先行した。その後、米ダラス連銀のローガン総裁が長期債券利回りの上昇が利上げの必要性を弱める可能性を指摘したほか、米連邦準備制度理事会(FRB)のジェファーソン副議長は政策を慎重に進める余地があるとの発言を受けて金利高懸念が後退し、買戻しの動きが強まった。シカゴ日経225先物清算値(12月限)は、大阪比235円高の31255円。
円相場は1ドル148円40銭台で推移している。

 シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、買い先行で始まることになりそうだ。6日の米国市場は、9月の米雇用統計で非農業部門雇用者数が前月比33万6000人増加し、予想を大幅に上回ったことから売りが先行したものの、米長期金利の低下を受けて買い戻す動きとなった。9日についても地政学リスクが警戒され売られたものの、その後はFRBの追加利上げ観測が和らいだことで買い戻しが強まっていたため、引き続き米金融政策への行方を睨んだ相場展開のなか、米経済指標の結果を見極めての相場展開が続きそうだ。

 また、米国では朝方こそ地政学リスクへの警戒から売りが先行したものの、その後は買い戻す動きを見せていた。ただし、ハマスとイスラエルの戦闘が激しさを増しているなか、慎重姿勢は高まりやすいだろう。防衛関連株のほか、エネルギー供給への懸念から原油先物相場の上昇が見られており、エネルギー株などには短期的な資金が向かいやすいものの、ハイテクセクターなどへの売買は手控えられやすい。

 日経平均はシカゴ先物にサヤ寄せする格好から31000円を回復してくることになろうが、ハイテクセクターなどへの買い手控えから、戻りの鈍さが意識される可能性があり、ディフェンシブ株などへのリバランスが意識される。また、インデックスに絡んだ商いの影響を避けるなか、個人主体の売買は中小型株の一角に向かいやすいだろう。

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