相場概況

日経平均は反落、米長期金利の一段の上昇を警戒

配信日時:2023/09/26 15:28 配信元:FISCO
*15:28JST 日経平均は反落、米長期金利の一段の上昇を警戒 日経平均は反落。25日の米株式市場でダウ平均は43.04ドル高、ナスダック総合指数は+0.45%とそれぞれ5日ぶり反発。10年債利回りが2007年以来の水準に上昇するなか、政府機関閉鎖リスクも重しとなった。一方、シカゴ連銀総裁が経済のソフトランディング(軟着陸)の可能性を指摘すると終盤にかけてプラス圏を回復した。米株高に加えて為替の円安が一段と進行するなかではあったが、米長期金利の上昇を背景としたハイテク株の下落が重しになり、日経平均は38.57円安からスタート。前日に上昇した反動で戻り待ちの売りが出やすかったことも影響し、下げ幅は早々に300円を超えた。時間外取引の米株価指数先物が軟化したことやアジア市況の下落が嫌気され、その後もじわじわと下げ幅を広げる展開が続き、日経平均は結局この日の安値で引けた。

 大引けの日経平均は前日比363.57円安の32315.05円となった。東証プライム市場の売買高は13億1856万株、売買代金は3兆2590億円だった。セクターでは医薬品、機械、電気機器が下落率上位に並んだ一方、海運、銀行、保険が上昇率上位に並んだ。東証プライム市場の値下がり銘柄は全体の70%、対して値上がり銘柄は27%だった。

 個別では、米長期金利の上昇を背景に東エレク<8035>、スクリン<7735>、イビデン<4062>、芝浦メカ<6590>、太陽誘電<6976>、TDK<6762>などのハイテクや、インフォマート<2492>、SREHD<2980>、ラクスル<4384>などのグロース(成長)株が大きく下落。為替の円安にもかかわらず日産自<7201>、豊田自動織機<6201>、武蔵精密工業<7220>などの輸送用機器も安い。ほか、東京鐵鋼<5445>、神戸製鋼所<5406>の鉄鋼、三井金属<5706>、大紀アルミニウム<5702>の非鉄金属、三井物産<8031>、三菱商事<8058>の商社なども軟調。上半期が営業減益で着地したあさひ<3333>は大きく下落した。

 一方、国内長期金利の上昇を受けてT&DHD<8795>、かんぽ生命<7181>の保険、西日本フィナンシャルHD<7189>、千葉興業銀行<8337>の地銀など金融セクターが大きく上昇。東海東京FHD<8616>は中間配当の増配が、日本取引所グループ<8697>は業績・配当予想の上方修正が、いよぎんHD<5830>は上半期業績の上方修正がそれぞれ好感された。ほか、四国電力<9507>、関西電力<9503>の電気・ガス、商船三井<9104>、川崎汽船<9107>の海運、三菱製紙<3864>、北越コーポレーション<3865>のパルプ・紙などバリュー(割安)セクターが堅調。あすか製薬<4886>は政策保有株縮減に伴う売却益計上が材料視された。東証スタンダードでは配当方針変更に伴う増配を発表したオーテック<1736>、業績予想を上方修正したラサ商事<3023>や大光<3160>、中期経営計画を発表したfonfun<2323>などが急伸した。
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