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株価指数先物 【週間展望】 ―ロング・ショートいずれもカバー狙いのスタンス
配信日時:2023/09/18 17:00
配信元:MINKABU
今週の日経225先物は、19~20日の米連邦公開市場委員会(FOMC)、21~22日に開催される日銀の金融政策決定会合に市場の関心が集まるなか、これらの結果を受けた金利や為替の動向の影響が予想され、様子見姿勢が強まりそうだ。
9月上旬にFEDウォッチャーとして知られるウォールストリート・ジャーナル(WSJ)のニック・ティミラオス記者が「米連邦準備理事会(FRB)は9月のFOMCで政策金利を据え置く公算が大きい」と報じていたこともあり、9月FOMCに関しては金利据え置きがコンセンサスとなっている。ただし、年内もう1回の追加利上げ方針を示すとみられており、パウエルFRB議長の会見が注目される。年内の追加利上げ観測が高まり、長期にわたって金利をピーク水準に据え置くといった見方が強まると、ショートに傾きやすいだろう。
また、日銀の金融政策決定会合では、金融政策の現状維持が決定される見込みである。ただし、植田和男総裁が「2%の物価目標の達成が可能と判断すればマイナス金利を解除する選択肢もある」との見解を示したことをきっかけに、足もとで長期金利が上昇傾向を強めた。為替市場では1ドル=148円台に迫るなど円安基調が続いており、円安抑制に向けた政策修正への思惑が燻る。
先週の日経225先物は11日に付けた3万2170円を安値にリバウンド基調を強め、15日には一時3万3450円まで買われた。これにより7日の戻り高値(3万3110円)、8月1日に付けた戻り高値(3万3230円)を突破した。次のターゲットは7月4日の戻り高値3万3570円、さらには6月19日の高値3万3710円が意識されてくる。
ただし、先週後半にかけての上昇は、9月SQ値を突破したことによるショートカバーのほか、3連休前に日米の中銀イベントを控えた持ち高調整の商いが集中した面もあったとみられる。
日経225先物は先週末の上昇でボリンジャーバンドの+2σを突破したことで、短期的な過熱感が警戒されやすい。バンドは拡大傾向を見せており、現在は3万3400円辺りに切り上がってきているが、重要イベントを前に+2σ水準を明確に上放れてロングが強まる展開は期待しづらいところである。
また、15日の米国市場では主要な株価指数が下落した。来週にFOMCを控えるなか、株価指数先物、株価指数オプション、個別株オプション、個別株先物の4つの取引の清算日となるクアドルプル・ウィッチングが到来した需給面での影響があったと考えられる。加えて、全米自動車労組(UAW)と3大自動車メーカー経営側が労使交渉で合意できず、一部工場でストライキに突入したことも米国景気への懸念につながった。
さらに、半導体受託製造の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)が高性能半導体の製造装置の納入延期を複数の取引先に要請したと報じられたことが嫌気された。エヌビディアやインテルなど半導体株が売られており、センチメントを冷ます格好だった。
この影響により、週明けの東京市場は売り優勢の展開が見込まれ、指数インパクトの大きい値がさハイテク株が日経平均型の重荷となろう。日経225先物は15日取引終了後のナイトセッションで下落し、3万3070円で取引を終えた。18日の祝日取引は執筆時点では3万3050円と弱含みでしている。週初は節目の3万3000円準での攻防を見せそうだ。
まずはオプション権利行使価格の3万3000円から3万3500円のレンジ推移を想定しておきたい。3万3000円を下回る場面では、+1σが位置する権利行使価格3万2850円辺りまでの調整を意識しつつも、その後のショートカバーを狙った押し目狙いのロング対応となろう。日米の中銀イベントを受けて、初動はアルゴリズム発動によってオーバーシュート気味に動きやすいだろう。週内は短期トレードが中心となるなか、ロング・ショートいずれもカバー狙いのスタンスとなる。
VIX指数は13.79(前日は12.82)に上昇した。ただし、直近で上値抵抗線として機能している75日移動平均線を下回っていることもあり、過度なリスク回避姿勢は強まらないだろう。FOMC通過後はアク抜け的な動きから一段と低下する可能性もあるため、基本的にはショートからのエントリーは控えておきたい。
なお、先週末のNT倍率は先物中心限月で13.83倍だった。週前半に13.76倍まで低下したが、週後半はリバランスにより若干の上昇をみせていた。米半導体株の下落影響で、週初は指数インパクトの大きい値がさハイテク株は手掛けづらくなる。一方で、日銀の政策変更への思惑から金融株への物色が継続すると考えられ、若干ながらTOPIX優位に傾きやすく、NTショートでのスプレッド狙いの動きが入りやすい。
9月第1週(9月4日-8日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では2週ぶりに売り越しており、売り越し額は7197億円(8月第5週は9715億円の買い越し)だった。なお、現物は7625億円の売り越し(同3393億円の買い越し)と2週ぶりに売り越しであり、先物は428億円の買い越し(同6322億円の買い越し)と3週連続で買い越している。個人は現物と先物の合算で2846億円の買い越しで、3週ぶりの買い越し。信託銀行は現物と先物の合算で558億円の売り越しとなり、3週ぶりの売り越しだった。
経済スケジュールでは、18日に米国9月NAHB住宅市場指数、19日に米国8月住宅着工件数、20日に8月貿易統計、8月訪日外客数、FOMC終了後に政策金利、パウエルFRB議長記者会見、21日にイングランド銀行(BOE)政策金利、米国9月フィラデルフィア連銀製造業景気指数、米国8月コンファレンス・ボード景気先行指数、22日に日銀金融政策決定会合終了後に政策金利、植田日銀総裁記者会見、8月全国消費者物価指数、米国9月製造業購買担当者景気指数(PMI)、米国9月サービス業PMIなどが予定されている。
――プレイバック・マーケット――
●SQ値
10月限 日経225 26666.31 TOPIX 1885.58
11月限 日経225 28225.86 TOPIX 1978.52
12月限 日経225 27576.37 TOPIX 1945.27
01月限 日経225 26325.21 TOPIX 1900.71
02月限 日経225 27779.75 TOPIX 1986.19
03月限 日経225 28377.34 TOPIX 2047.32
04月限 日経225 28519.43 TOPIX 2019.76
05月限 日経225 29235.08 TOPIX 2090.33
06月限 日経225 32018.38 TOPIX 2211.13
07月限 日経225 32484.24 TOPIX 2245.68
08月限 日経225 32013.86 TOPIX 2278.68
09月限 日経225 32921.39 TOPIX 2370.93
◆日経225先物(日足)
始値 高値 安値 清算値 前日比
23/12 09月15日 32960 33450 32920 33280 +300
23/12 09月14日 32520 33040 32440 32980 +530
23/12 09月13日 32560 32680 32400 32450 -170
23/12 09月12日 32300 32620 32220 32620 +340
23/12 09月11日 32420 32560 32170 32280 -140
◇TOPIX先物(日足)
始値 高値 安値 清算値 前日比
23/12 09月15日 2385.5 2418.5 2383.0 2405.5 +20.5
23/12 09月14日 2358.5 2391.0 2353.5 2385.0 +30.5
23/12 09月13日 2359.5 2368.0 2351.5 2354.5 -9.5
23/12 09月12日 2345.0 2364.0 2340.0 2364.0 +20.5
23/12 09月11日 2340.5 2354.5 2330.5 2343.5 +3.0
●シカゴ日経平均 円建て
清算値 前日大阪比
09月15日(12月限) 33055 -225
09月14日(12月限) 33180 +200
09月13日(12月限) 32635 +185
09月12日(12月限) 32585 -35
09月11日(12月限) 32435 +155
※前日比は大阪取引所終値比
□裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額)
売り 前週末比 買い 前週末比
09月08日 39億円 -465億円 1兆3023億円 +414億円
09月01日 505億円 +115億円 1兆2609億円 +4668億円
08月25日 389億円 -80億円 7940億円 +318億円
08月18日 470億円 +199億円 7622億円 -455億円
08月10日 270億円 -214億円 8078億円 +1255億円
08月04日 484億円 +346億円 6822億円 -3304億円
07月28日 138億円 -141億円 1兆0127億円 +734億円
□裁定取引に係る現物ポジション(株数)
売り 前日比 買い 前日比
09月13日 0株 -78万株 5億4738万株 +1048万株
09月12日 78万株 -100万株 5億3690万株 +522万株
09月11日 178万株 -0.3万株 5億3167万株 +946万株
09月08日 178万株 -576万株 5億2221万株 +594万株
09月07日 755万株 -231万株 5億1626万株 -7106万株
09月06日 986万株 -25万株 5億8733万株 +2833万株
09月05日 1012万株 -263万株 5億5899万株 +4009万株
09月04日 1276万株 +32万株 5億1890万株 +1739万株
09月01日 1243万株 +193万株 5億0151万株 +8479万株
08月31日 1049万株 +323万株 4億1671万株 +5968万株
08月30日 726万株 0株 3億5703万株 +751万株
08月29日 726万株 -210万株 3億4951万株 +731万株
08月28日 936万株 -162万株 3億4219万株 +1725万株
08月25日 1099万株 +264万株 3億2494万株 +531万株
08月24日 835万株 -82万株 3億1963万株 +46万株
08月23日 917万株 -0.2万株 3億1917万株 +132万株
08月22日 917万株 -91万株 3億1784万株 +331万株
08月21日 1008万株 -369万株 3億1452万株 -570万株
■日本銀行による指数連動型上場投資信託(ETF)買い入れ推移(通常ETF分)
【2022年】
1月14日 701億円
1月25日 701億円
2月14日 701億円
3月07日 701億円
4月07日 701億円
5月19日 701億円
6月13日 701億円
6月17日 701億円
12月2日 701億円
【2023年】
3月13日 701億円
3月14日 701億円
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