後場の投資戦略
底堅いが商い低調、米エヌビディア決算に注目
配信日時:2023/08/23 12:21
配信元:FISCO
[日経平均株価・TOPIX(表)]
日経平均;31962.99;+106.28TOPIX;2271.20;+5.49
[後場の投資戦略]
日経平均は寄り付きと同時に140円近く下げた後は切り返してプラス圏に浮上する底堅さを見せている。ただ、引き続き75日移動平均線が上値抵抗線として作用しており、上値の重さは意識される。東証株価指数(TOPIX)は13週線を超えてきてはいるが、横ばいの25日線や50日線が上値抵抗線として作用している。
また、今週に入ってから東京株式市場は底堅い動きとなっているが、東証プライム市場の売買代金は18日から前日までの3日間、連続で3兆円を割り込んでいる。本日も前引け時点での売買代金は1兆2000億円台にとどまっている。海外投資家の夏季休暇入りやジャクソンホール会議を前にした様子見ムードなども影響しているが、商いの低調さは拭えない。今週のこれまでの値動きだけをみて下値は堅いと判断するのは時期尚早だろう。
今晩の米国市場の引け後には生成AI(人工知能)ブームの火付け役となった半導体エヌビディアの決算が予定されている。関連株の筆頭格である同社は生成AIサービスの普及のカギを握るキープレイヤーである。同社製の先端半導体の大口購入の情報も多く聞かれており、好決算であることはほぼ間違いないだろう。
市場予想のハードルは高いが、これを上回る可能性も十分にある。一方、株価は上場来高値圏で推移しており、仮に市場予想を越える決算を発表しても素直に株高で反応するかは読みにくい。エヌビディアの決算は今後のハイテク株の動向を決めるうえで極めて注目度の高い材料である。同社の決算内容と時間外取引の株価反応を受けた明日の東京株式市場の動きは、足元もみ合いの様相を強めている株価指数の方向性を左右するとも思われ、注目したい。
他方、マザーズ指数の戻りは投資家心理をやや明るくしてくれている。マザーズ指数は先週末にかけて下落が続き、200日線を大きく下放れてしまっていたが、今週に入ってからは戻りを試す展開が続いている。依然として200日線下での推移にとどまり、自律反発の域は出ていない。しかし、米10年債利回りが2007年以来の水準で高止まりし、国内の10年物国債利回りも22日から0.665%と、日本銀行がイールドカーブ・コントロール(YCC、長短金利操作)の柔軟化を決定して以降の最高水準にまで上昇していることを踏まえると、堅調な値動きと評価できる。
明日以降については、米エヌビディアの決算を契機に東証プライムの半導体銘柄が再び脚光を浴びる展開も予想されるが、大型のハイテク株だけではなく中小型株までを含めたグロース(成長)が広く買われる形となれば、投資家心理も一段と明るくなりそうだ。
(仲村幸浩)
<AK>
日経平均;31962.99;+106.28TOPIX;2271.20;+5.49
[後場の投資戦略]
日経平均は寄り付きと同時に140円近く下げた後は切り返してプラス圏に浮上する底堅さを見せている。ただ、引き続き75日移動平均線が上値抵抗線として作用しており、上値の重さは意識される。東証株価指数(TOPIX)は13週線を超えてきてはいるが、横ばいの25日線や50日線が上値抵抗線として作用している。
また、今週に入ってから東京株式市場は底堅い動きとなっているが、東証プライム市場の売買代金は18日から前日までの3日間、連続で3兆円を割り込んでいる。本日も前引け時点での売買代金は1兆2000億円台にとどまっている。海外投資家の夏季休暇入りやジャクソンホール会議を前にした様子見ムードなども影響しているが、商いの低調さは拭えない。今週のこれまでの値動きだけをみて下値は堅いと判断するのは時期尚早だろう。
今晩の米国市場の引け後には生成AI(人工知能)ブームの火付け役となった半導体エヌビディアの決算が予定されている。関連株の筆頭格である同社は生成AIサービスの普及のカギを握るキープレイヤーである。同社製の先端半導体の大口購入の情報も多く聞かれており、好決算であることはほぼ間違いないだろう。
市場予想のハードルは高いが、これを上回る可能性も十分にある。一方、株価は上場来高値圏で推移しており、仮に市場予想を越える決算を発表しても素直に株高で反応するかは読みにくい。エヌビディアの決算は今後のハイテク株の動向を決めるうえで極めて注目度の高い材料である。同社の決算内容と時間外取引の株価反応を受けた明日の東京株式市場の動きは、足元もみ合いの様相を強めている株価指数の方向性を左右するとも思われ、注目したい。
他方、マザーズ指数の戻りは投資家心理をやや明るくしてくれている。マザーズ指数は先週末にかけて下落が続き、200日線を大きく下放れてしまっていたが、今週に入ってからは戻りを試す展開が続いている。依然として200日線下での推移にとどまり、自律反発の域は出ていない。しかし、米10年債利回りが2007年以来の水準で高止まりし、国内の10年物国債利回りも22日から0.665%と、日本銀行がイールドカーブ・コントロール(YCC、長短金利操作)の柔軟化を決定して以降の最高水準にまで上昇していることを踏まえると、堅調な値動きと評価できる。
明日以降については、米エヌビディアの決算を契機に東証プライムの半導体銘柄が再び脚光を浴びる展開も予想されるが、大型のハイテク株だけではなく中小型株までを含めたグロース(成長)が広く買われる形となれば、投資家心理も一段と明るくなりそうだ。
(仲村幸浩)
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