相場概況

日経平均は大幅反落、米長期金利の上昇や中国リスクを警戒し32000円割れ

配信日時:2023/08/16 15:28 配信元:FISCO
*15:28JST 日経平均は大幅反落、米長期金利の上昇や中国リスクを警戒し32000円割れ 日経平均は大幅反落。15日の米株式市場でダウ平均は361.24ドル安と反落、ナスダック総合指数も-1.14%と反落。中国の経済指標が軒並み予想を下回り、世界経済の減速懸念が強まった。一方、米7月小売売上高が予想を上回り、米長期金利は昨年10月以来の水準にまで上昇、ハイテクにも売りが広がった。格付け会社フィッチが一部銀行の格下げの可能性を警告したことも嫌気された。米株安を引き継いで日経平均は273.31円安と32000円割れからスタート。序盤から売りが先行したが、75日移動平均線を意識した下げ渋りも見られ、その後は膠着感の強い展開が続いた。しかし、中国の新築住宅価格が2カ月連続で低下すると、中国経済の減速リスクが一段と意識され、後場はアジア市況の下落に連れてじわじわと下げ幅を広げる展開となり、結局、日経平均はこの日の安値で取引を終えた。

 大引けの日経平均は前日比472.07円安の31766.82円となった。東証プライム市場の売買高は13億3114万株、売買代金は3兆1411億円だった。セクターではが石油・石炭、卸売、鉄鋼が下落率上位に並んだ一方、建設、電気・ガス、水産・農林のみが上昇した。東証プライム市場の値下がり銘柄は全体の77%、対して値上がり銘柄は20%だった。

 個別では、郵船<9101>、川崎汽船<9107>の海運、丸紅<8002>、三井物産<8031>の商社、日本製鉄<5401>、JFEHD<5411>の鉄鋼、三菱UFJ<8306>、みずほFG<8411>の銀行、INPEX<1605>、石油資源開発<1662>の鉱業、住友鉱山<5713>、三井金属<5706>の非鉄金属など、景気敏感株が全般下落。銀行株はフィッチの一部米銀の格下げ警告が影響しているもよう。太陽誘電<6976>、ニデック<6594>、TDK<6762>のハイテク、LITALICO<7366>、JMDC<4483>、プラスアルファ・コンサルティング<4071>などのグロース(成長)株も総じて下落。第一生命HD<8750>は国内証券のレーティング格下げが嫌気された。

 一方、アドバンテスト<6857>、ディスコ<6146>などの半導体製造装置の一角が上昇。メルカリ<4385>、ベイカレント<6532>などグロース株の一角も高い。前日にストップ高となったメドレー<4480>は大幅続伸。ギフティ<4449>、クラレ<3405>は国内証券のレーティング格上げが好感された。米国市場で住宅事業を手掛ける住友林業<1911>は、著名投資家のウォーレン・バフェット氏率いる米バークシャー・ハザウェイが大手住宅メーカーのDRホートンやレナーなどの株式を新規に取得したことが思惑を強めているようだ。富士製薬<4554>は共同開発医薬品の製造販売承認の取得を手掛かりに急伸。ひらまつ<2764>は月次動向を材料に買われた。ほか、鹿島<1812>、大成建設<1801>、大林組<1802>など建設の堅調さが目立った。
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