相場概況

日経平均は3日続伸、米株高を受けて買い先行も上値の重さ確認

配信日時:2023/08/08 15:28 配信元:FISCO
*15:28JST 日経平均は3日続伸、米株高を受けて買い先行も上値の重さ確認 日経平均は3日続伸。7日の米株式市場でダウ平均は407.51ドル高と4日ぶり反発、ナスダック総合指数は+0.61%と5日ぶり反発。ニューヨーク連銀総裁がインフレ動向次第では来年の利下げが正当化される可能性に言及し、投資家心理が改善した。米国株の反発や為替の円安を追い風に日経平均は176.05円高からスタート。序盤は買いが先行し、一時32539.88円(285.32円高)まで上昇した。しかし、心理的な節目の回復が目先の達成感につながり、その後は失速。時間外取引の米株価指数先物の軟化や香港ハンセン指数の下落が重しとなり、一時下落に転じる場面もあった。前引けにかけてプラス圏を回復したが、午後は今週後半にかけて控える米国債四半期入札や米消費者物価指数(CPI)を控えて様子見ムードが強まり、膠着感の強い展開が続いた。

 大引けの日経平均は前日比122.73円高の32377.29円となった。東証プライム市場の売買高は14億4563万株、売買代金は3兆6710億円だった。セクターでは電気・ガス、海運、食料品が上昇率上位に並んだ一方、保険、精密機器、鉱業が下落率上位に並んだ。東証プライム市場の値上がり銘柄は全体の54%、対して値下がり銘柄は42%だった。

 個別では、川崎汽船<9107>、郵船<9101>、商船三井<9104>の海運、コマツ<6301>、クボタ<6326>の建機など景気敏感株の上昇が目立った。三菱重工<7011>は国内証券のレーティング格上げが好感されて大幅に上昇。前引け後に決算を発表した川崎重工<7012>は目先の出尽くし感から後場に下落に転じた。レーザーテック<6920>は4-6月期受注の上振れが好感されて上昇。決算関連では、上半期の営業減益計画に対して第1四半期増益スタートとなった明治HD<2269>、業績予想を上方修正したティラド<7236>、サカタインクス<4633>、イトーキ<7972>、フジテック<6406>、第1四半期が好スタートとなったSANKYO<6417>、コムシスHD<1721>、丸一鋼管<5463>、昭和産業<2004>などが大幅高となった。ブラザー<6448>は第1四半期が減益決算ながらも計画上振れで急伸。

 一方、アドバンテスト<6857>、ソシオネクスト<6526>、ルネサス<6723>、ディスコ<6146>の半導体株が軒並み下落。イビデン<4062>、新光電工<6967>、芝浦メカ<6590>など半導体関連の一角も大幅安。Appier<4180>、ラクス<3923>、マネーフォワード<3994>などのグロース(成長)株の下落も目立った。決算関連では、上半期が下振れ着地となったスペース<9622>のほか、業績上方修正がなかったことが失望されたLIFULL<2120>、好決算ながらも出尽くし感が先行したUアローズ<7606>、第1四半期の低進捗が嫌気された日本製紙<3863>、カチタス<8919>、アドバンテッジリスク<
8769>、日本農薬<4997>、高周波熱錬<5976>などが急落。今期見通しが市場予想に届かなかったチャームケア<6062>、4-6月期の営業赤字拡大が嫌気された日清紡HD<3105>も大幅安となった。
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