ランチタイムコメント
日経平均は大幅反発、米株高受けて買い優勢の展開
配信日時:2023/07/03 12:11
配信元:FISCO
*12:11JST 日経平均は大幅反発、米株高受けて買い優勢の展開
日経平均は大幅反発。515.69円高の33704.73円(出来高概算7億5050万株)で前場の取引を終えている。
前週末6月30日の米国株式市場のダウ平均は285.18ドル高(+0.84%)と続伸。個人消費支出(PCE)コア価格指数の伸びが鈍化したため、連邦準備制度理事会(FRB)の追加利上げ観測が後退し買いが先行。金利低下に伴いハイテクも買い戻され相場を押し上げた。月末、四半期末で運用会社などによるドレッシング買いも見られ終日堅調に推移した。ナスダック総合指数は大幅反発、主要株価指数がそろって上昇した米株市場を横目に、7月3日の日経平均は前週末比328.56円高の33517.60円と大幅反発でスタート。その後はプラス圏で推移しており堅調な展開となっている。
個別では、レーザーテック<6920>やアドバンテ<6857>、東エレク<8035>、ソシオネクスト<6526>などの半導体関連株が大幅高。郵船<9101>や商船三井<9104>、川崎船<9107>などの海運株、三菱商事<8058>や三井物産<8031>などの商社株も堅調に推移。三井住友<8316>や三菱UFJ<8306>などの金融株のほか、キーエンス<6861>、ダイキン<6367>、ソニーグループ<6758>、NTT<9432>などが上昇した。第1四半期大幅増益で業績予想を上方修正したダイセキ環境ソリューション<1712>が急騰したほか、業績・配当予想の上方修正を発表した三光合成<7888>が上昇、日本マイクロニクス<6871>、ミクニ<7247>、ピックルスホールディングス<2935>などが東証プライム市場の値上がり率上位に顔を出した。
一方、上期累計の営業利益が前年同期比25.6%減の28億円に落ち込んだスター・マイカ・ホールディングス<2975>が軟調に推移、前週末大幅に上昇したマーケットエンタープライズ<3135>が利食い売り優勢から大幅下落となった。ほか、テスホールディングス<5074>、ファイズホールディングス<9325>、ダイコク電機<6430>などが東証プライム市場の値下がり率上位に顔を出した。
セクターでは、機械、海運業、電気機器が上昇率上位となり、すべての業種がプラスとなった。東証プライムの値上がり銘柄は全体の85%、対して値下がり銘柄は12%
となっている。
シカゴ日経225先物清算値は大阪比245円高の33435円。米株高の流れもあり、本日の日経平均は買いが先行。米国ではアップルの時価総額が3兆ドルに乗せるなど、ハイテク株の強い動きが目立ったことから、東京市場においても指数インパクトの大きい値がさハイテク株がけん引する展開になっている。
一方、新興市場は上値の重い展開が続いている。マザーズ指数やグロース市場の時価総額上位20銘柄で構成される東証グロース市場Core指数は上昇スタート後、上げ幅をじりじりと縮小する展開となっている。金利先高観が気がかりになっていたが、米経済指標の結果を受けて目先の安心感が台頭しており個人投資家心理が改善した。ただ、本日は東証プライム市場の主力株中心に注目が集まっており、新興株はやや蚊帳の外状態となっている。前引け時点での東証マザーズ指数は0.18%高、東証グロース市場Core指数は0.86%高。
日本銀行が本日発表した6月の企業短期経済観測調査(短観)は、大企業・製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)が7四半期ぶりに改善した。大企業・非製造業も5期連続の改善となった。半導体不足の影響が緩和して生産が持ち直している自動車が大きく改善し、石油・石炭製品や食料品、造船・重機も改善した。宿泊・飲食サービスは0から36ポイント改善し36となり、改善幅、水準ともに2004年の調査開始以来最大となったようだ。
欧米の急速な利上げで海外経済への懸念は強く一部業種では悪化予想もみられるが、大企業・製造業の景況感悪化に歯止めがかかり、日本経済が「緩やかに回復していく」という日銀の見通しを支える結果となった。製造業および非製造業ともに前回からの改善が見込まれていたが、想定通りの結果となり市場もポジティブに反応している。ただ、7月の金融政策決定会合で物価見通しの上方修正に合わせて政策修正に踏み切るとの思惑は依然としてくすぶっていることは頭の片隅に置いておきたい。
さて、3日にはISM製造業景気指数、5日には6月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録、6日にはISM非製造業景気指数、など今週は注目材料が多い。また、7日には米雇用統計が発表される予定。非農業部門雇用者数はエコノミスト予想で前月比22万5000人増と依然として堅調な伸びが見込まれており、失業率の予想は3.6%、平均時給の伸びは前年同月比で鈍化する見通し。雇用統計で、想定より強い数字が出て金融引き締めが長期化する懸念が強まれば、ハイテク株の調整につながる可能性も高いため、同指標の結果には大きな注目が集まるだろう。
そのほか、東証の投資部門別売買状況では、海外投資家が6月第3週(6月19日-6月23日)に13週ぶりに売り越しに転じたことが明らかになった。海外投資家の売越額は3604億円で、年金基金の売買動向を反映するとされる信託銀行は13週連続で売り越した。
株価上昇を受けたリバランスや持ち高調整に絡んだ売りが広がっている。一方で、個人は3週ぶりに買い越しに転じており、買越額は3446億円となった。このまま海外投資家の売り越しが継続する場合は警戒感が広がっていきそうで、買い越しに転じた個人の動きも注視する必要があろう。
さて、後場の日経平均はプラス圏で堅調推移が続くか。米株先物の動向を横目に、6月19日に付けたバブル後最高値33772.89円に迫る展開も期待される。
(山本泰三)
<AK>
前週末6月30日の米国株式市場のダウ平均は285.18ドル高(+0.84%)と続伸。個人消費支出(PCE)コア価格指数の伸びが鈍化したため、連邦準備制度理事会(FRB)の追加利上げ観測が後退し買いが先行。金利低下に伴いハイテクも買い戻され相場を押し上げた。月末、四半期末で運用会社などによるドレッシング買いも見られ終日堅調に推移した。ナスダック総合指数は大幅反発、主要株価指数がそろって上昇した米株市場を横目に、7月3日の日経平均は前週末比328.56円高の33517.60円と大幅反発でスタート。その後はプラス圏で推移しており堅調な展開となっている。
個別では、レーザーテック<6920>やアドバンテ<6857>、東エレク<8035>、ソシオネクスト<6526>などの半導体関連株が大幅高。郵船<9101>や商船三井<9104>、川崎船<9107>などの海運株、三菱商事<8058>や三井物産<8031>などの商社株も堅調に推移。三井住友<8316>や三菱UFJ<8306>などの金融株のほか、キーエンス<6861>、ダイキン<6367>、ソニーグループ<6758>、NTT<9432>などが上昇した。第1四半期大幅増益で業績予想を上方修正したダイセキ環境ソリューション<1712>が急騰したほか、業績・配当予想の上方修正を発表した三光合成<7888>が上昇、日本マイクロニクス<6871>、ミクニ<7247>、ピックルスホールディングス<2935>などが東証プライム市場の値上がり率上位に顔を出した。
一方、上期累計の営業利益が前年同期比25.6%減の28億円に落ち込んだスター・マイカ・ホールディングス<2975>が軟調に推移、前週末大幅に上昇したマーケットエンタープライズ<3135>が利食い売り優勢から大幅下落となった。ほか、テスホールディングス<5074>、ファイズホールディングス<9325>、ダイコク電機<6430>などが東証プライム市場の値下がり率上位に顔を出した。
セクターでは、機械、海運業、電気機器が上昇率上位となり、すべての業種がプラスとなった。東証プライムの値上がり銘柄は全体の85%、対して値下がり銘柄は12%
となっている。
シカゴ日経225先物清算値は大阪比245円高の33435円。米株高の流れもあり、本日の日経平均は買いが先行。米国ではアップルの時価総額が3兆ドルに乗せるなど、ハイテク株の強い動きが目立ったことから、東京市場においても指数インパクトの大きい値がさハイテク株がけん引する展開になっている。
一方、新興市場は上値の重い展開が続いている。マザーズ指数やグロース市場の時価総額上位20銘柄で構成される東証グロース市場Core指数は上昇スタート後、上げ幅をじりじりと縮小する展開となっている。金利先高観が気がかりになっていたが、米経済指標の結果を受けて目先の安心感が台頭しており個人投資家心理が改善した。ただ、本日は東証プライム市場の主力株中心に注目が集まっており、新興株はやや蚊帳の外状態となっている。前引け時点での東証マザーズ指数は0.18%高、東証グロース市場Core指数は0.86%高。
日本銀行が本日発表した6月の企業短期経済観測調査(短観)は、大企業・製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)が7四半期ぶりに改善した。大企業・非製造業も5期連続の改善となった。半導体不足の影響が緩和して生産が持ち直している自動車が大きく改善し、石油・石炭製品や食料品、造船・重機も改善した。宿泊・飲食サービスは0から36ポイント改善し36となり、改善幅、水準ともに2004年の調査開始以来最大となったようだ。
欧米の急速な利上げで海外経済への懸念は強く一部業種では悪化予想もみられるが、大企業・製造業の景況感悪化に歯止めがかかり、日本経済が「緩やかに回復していく」という日銀の見通しを支える結果となった。製造業および非製造業ともに前回からの改善が見込まれていたが、想定通りの結果となり市場もポジティブに反応している。ただ、7月の金融政策決定会合で物価見通しの上方修正に合わせて政策修正に踏み切るとの思惑は依然としてくすぶっていることは頭の片隅に置いておきたい。
さて、3日にはISM製造業景気指数、5日には6月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録、6日にはISM非製造業景気指数、など今週は注目材料が多い。また、7日には米雇用統計が発表される予定。非農業部門雇用者数はエコノミスト予想で前月比22万5000人増と依然として堅調な伸びが見込まれており、失業率の予想は3.6%、平均時給の伸びは前年同月比で鈍化する見通し。雇用統計で、想定より強い数字が出て金融引き締めが長期化する懸念が強まれば、ハイテク株の調整につながる可能性も高いため、同指標の結果には大きな注目が集まるだろう。
そのほか、東証の投資部門別売買状況では、海外投資家が6月第3週(6月19日-6月23日)に13週ぶりに売り越しに転じたことが明らかになった。海外投資家の売越額は3604億円で、年金基金の売買動向を反映するとされる信託銀行は13週連続で売り越した。
株価上昇を受けたリバランスや持ち高調整に絡んだ売りが広がっている。一方で、個人は3週ぶりに買い越しに転じており、買越額は3446億円となった。このまま海外投資家の売り越しが継続する場合は警戒感が広がっていきそうで、買い越しに転じた個人の動きも注視する必要があろう。
さて、後場の日経平均はプラス圏で堅調推移が続くか。米株先物の動向を横目に、6月19日に付けたバブル後最高値33772.89円に迫る展開も期待される。
(山本泰三)
<AK>
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