相場概況

日経平均は4日続伸、景気後退懸念の緩和でバリュー中心に上昇

配信日時:2023/04/12 15:27 配信元:FISCO
*15:27JST 日経平均は4日続伸、景気後退懸念の緩和でバリュー中心に上昇 日経平均は4日続伸。11日の米株式市場でダウ平均は98.27ドル高と4日続伸。ディフェンシブや景気循環株の買いが全体をけん引。イエレン米財務長官が信用縮小の兆候は見られず米国経済は並外れて強いとの見解を示したことも支援。一方、重要インフレ指標の発表を控えた警戒感やNY連銀総裁の追加利上げへの言及を受けてハイテクは終日軟調に推移、ナスダック総合指数は-0.43%と続落。ダウ平均の上昇や為替の円安を追い風に日経平均は62.56円高からスタート。景気後退懸念の緩和を背景にバリュー
(割安)株など景気循環株を中心に買いが入る中、早々に28000円を回復すると、その後も堅調に推移。前引けにかけて騰勢を強めた後は、今晩に発表を控える米3月消費者物価指数(CPI)を前に後場はほぼ様子見となったが、この日の高値圏での堅調推移が続いた。

 大引けの日経平均は前日比159.33円高の28082.70円となった。東証プライム市場の売買高は9億9854万株、売買代金は2兆4386億円だった。セクターでは海運、卸売、鉄鋼が上昇率上位となった一方、精密機器、不動産の2業種のみが下落した。東証プライム市場の値上がり銘柄は全体の72%、対して値下がり銘柄は24%だった。

 個別では、著名投資家ウォーレン・バフェット氏による追加投資の報道が引き続き手掛かりとなり、丸紅<8002>、住友商事<8053>、三井物産<8031>など商社株が大幅続伸。景気後退懸念の緩和を背景に信越化学<4063>のほか、郵船<9101>、商船三井<9104>の海運、INPEX<1605>、石油資源開発<1662>の鉱業、日本製鉄<5401>、神戸製鋼所<5406>の鉄鋼、コマツ<6301>、クボタ<6326>の建機などが高い。建機では決算が好感された竹内製作所<6432>が急伸。コシダカHD<2157>も好決算を手掛かりに急伸し、わらべや日洋HD<2918>は堅調決算や配当方針の変更が材料視された。業績予想を上方修正したセラク<6199>、大阪での統合型リゾート施設(IR)開設に向けた報道を手掛かりにオーイズミ<6428>、日本金銭機械<6418>なども急伸となった。

 一方、レーザーテック<6920>、ルネサス<6723>の半導体、村田製<6981>、新光電工<
6967>などのハイテクの一角が軟調。前日同様、円安が追い風となる中でもトヨタ自<7203>は冴えなかった。前日の決算を受けてた急伸したSHIFT<3697>が大きく反落したほか、SREHD<2980>、Appier Group<4180>、シンプレクスHD<4373>、鎌倉新書<6184>などグロース(成長)株が全般軟調に推移。ローツェ<6323>は今期2ケタ営業減益見通しが失望されて急落。業績予想を下方修正したインターアクション<7725>も大幅安。ほか、イズミ<8273>、イオンFS<8570>が決算を嫌気される形で下落した。
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