ランチタイムコメント
日経平均は続伸、今週は重要指標の発表多数
配信日時:2023/04/10 12:17
配信元:FISCO
*12:17JST 日経平均は続伸、今週は重要指標の発表多数
日経平均は続伸。115.67円高の27633.98円(出来高概算3億9027万株)で前場の取引を終えている。
7日の米国株式市場はグッドフライデーの祝日のため休場。前週末に発表された米3月雇用統計は概ね市場予想に一致する結果だった。ただ、20万人を超える非農業部門雇用者数の増加、平均時給の前月比でのプラス傾向、失業率の低下などから、労働市場の逼迫解消のペースが緩慢であることが示唆された。主要株価指数が終日堅調に推移して終了した米株市場を受けて、4月10日の日経平均は前週末比140.21円高の27658.52円と続伸でスタート、その後は上げ幅を縮小する展開となっている。
個別では、郵船<9101>や川崎汽船<9107>などの海運株、三菱UFJ<8306>や三井住友<8316>など金融株は上昇。JR東<9020>やJR西<9021>などの鉄道株も堅調に推移、任天堂<
7974>、日本製鉄<5401>、ファーストリテ<9983>、オリエンタルランド<4661>なども上昇した。ほか、今期2ケタ増益見通しや自社株買い発表を好感されたワキタ<8125>が大幅に上昇、ジャパンディスプレイ<6740>、ダイコク電機<6430>、FFJ<7092>などが東証プライム市場の値上がり率上位に顔を出した。
一方、東エレク<8035>やレーザーテック<6920>、アドバンテ<6857>などの半導体関連株が軟調に推移、ファナック<6954>やソフトバンクグループ<9984>、メルカリ<4385>なども下落。そのほか、2ケタ減益見通しへの下方修正や減配を嫌気された技研製作所<6289>が大幅下落、業績下方修正で今期大幅減益見通しとなった大阪有機化学工業<
4187>も軟調に推移、中部鋼鈑<5461>、三光合成<7888>などが東証プライム市場の値下り率上位に顔を出した。
セクターでは海運、その他製品、保険業が上昇率上位となった一方、パルプ・紙が下落した。東証プライムの値上がり銘柄は全体の69%、対して値下がり銘柄は25%となっている。
本日の日経平均はシカゴ先物にサヤ寄せする格好から、買いが先行する展開に。雇用統計への警戒感がこれまでくすぶっていたこともあり、ひとまずイベント通過で安心感が台頭している。ただ、週明けの欧州市場がイースターマンデーで休場となるなか、商いは膨らみづらいとみられている。
新興市場でも買い優勢の展開が続いている。マザーズ指数やグロース市場の時価総額上位20銘柄で構成される東証グロース市場Core指数は上昇してスタート。その後は上げ幅を縮小して上値の重い展開となっている。米長期金利は3.4%台まで上昇、12日に消費者物価指数(CPI)、13日に卸売物価指数(PPI)が発表されるため、同指標に対する警戒感がくすぶっている。そのほか、4月末にかけての新規株式公開(IPO)投資に備えた換金売りや資金確保の動きは引き続き需給面で新興株の重しになったか。
前引け時点での東証マザーズ指数は1.13%高、東証グロース市場Core指数は0.54%高となった。
さて、週末に発表された米3月雇用統計の非農業部門雇用者数の伸びは市場予想並みだったが23.6万人、失業率は2月の3.6%から3.5%に低下しており、引き続き労働市場の堅調さが確認された。平均時給の伸びは前年比で+4.2%と前月から鈍化し、市場予想(+4.3%)も下回った。ただ、前月比では+0.3%と市場予想に一致、賃金インフレの鈍化ペースは緩慢であることが示唆された。雇用統計の結果を受けて、市場では連邦準備理事会(FRB)の追加利上げ観測が高まった。
今週は米国で12日に消費者物価指数(CPI)、13日に卸売物価指数(PPI)が発表される。エネルギーと食品を除いたコアCPIは前年同月比では5.6%上昇と、2月(5.5%
上昇)からの加速が見込まれており、前月比0.4%上昇の予想。総合CPIは前年同月比5.1%上昇の予想となっている。雇用統計を受けて米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ転換のハードルは高そうな印象が持たれつつあるなか、CPIとPPIに対する注目は高いだろう。
同じく12日に公表されるFOMC議事要旨のほか、今週は米金融当局者の発言も相次ぎ、ニューヨーク連銀のウィリアムズ、フィラデルフィア連銀のハーカー、シカゴ連銀のグールズビー、ミネアポリス連銀のカシュカリ、リッチモンド連銀のバーキン各総裁らが発言する。FRB高官はインフレ抑制を最優先に利上げを行う方針を維持していたため、これらの発言にも注目しておきたいところだ。
さて、毎週当欄を担当する筆者は、目先は底堅い動きを想定し、長期的には欧州不動産市場の動向や金融不安などの再燃、更なるネガティブ材料の浮上によって株価が下落するシナリオを想定して相場を見守ってきた。直近では米長期金利が再度上昇傾向にあり、今週は多くの重要指標が発表されるため、一旦全てのイベントを通過するまでは静観して見守っておきたいところだ。後場の日経平均は、プラス圏での推移が続くか。引き続き、個別材料株への物色が継続するか注目しておきたい。
(山本泰三)
<AK>
7日の米国株式市場はグッドフライデーの祝日のため休場。前週末に発表された米3月雇用統計は概ね市場予想に一致する結果だった。ただ、20万人を超える非農業部門雇用者数の増加、平均時給の前月比でのプラス傾向、失業率の低下などから、労働市場の逼迫解消のペースが緩慢であることが示唆された。主要株価指数が終日堅調に推移して終了した米株市場を受けて、4月10日の日経平均は前週末比140.21円高の27658.52円と続伸でスタート、その後は上げ幅を縮小する展開となっている。
個別では、郵船<9101>や川崎汽船<9107>などの海運株、三菱UFJ<8306>や三井住友<8316>など金融株は上昇。JR東<9020>やJR西<9021>などの鉄道株も堅調に推移、任天堂<
7974>、日本製鉄<5401>、ファーストリテ<9983>、オリエンタルランド<4661>なども上昇した。ほか、今期2ケタ増益見通しや自社株買い発表を好感されたワキタ<8125>が大幅に上昇、ジャパンディスプレイ<6740>、ダイコク電機<6430>、FFJ<7092>などが東証プライム市場の値上がり率上位に顔を出した。
一方、東エレク<8035>やレーザーテック<6920>、アドバンテ<6857>などの半導体関連株が軟調に推移、ファナック<6954>やソフトバンクグループ<9984>、メルカリ<4385>なども下落。そのほか、2ケタ減益見通しへの下方修正や減配を嫌気された技研製作所<6289>が大幅下落、業績下方修正で今期大幅減益見通しとなった大阪有機化学工業<
4187>も軟調に推移、中部鋼鈑<5461>、三光合成<7888>などが東証プライム市場の値下り率上位に顔を出した。
セクターでは海運、その他製品、保険業が上昇率上位となった一方、パルプ・紙が下落した。東証プライムの値上がり銘柄は全体の69%、対して値下がり銘柄は25%となっている。
本日の日経平均はシカゴ先物にサヤ寄せする格好から、買いが先行する展開に。雇用統計への警戒感がこれまでくすぶっていたこともあり、ひとまずイベント通過で安心感が台頭している。ただ、週明けの欧州市場がイースターマンデーで休場となるなか、商いは膨らみづらいとみられている。
新興市場でも買い優勢の展開が続いている。マザーズ指数やグロース市場の時価総額上位20銘柄で構成される東証グロース市場Core指数は上昇してスタート。その後は上げ幅を縮小して上値の重い展開となっている。米長期金利は3.4%台まで上昇、12日に消費者物価指数(CPI)、13日に卸売物価指数(PPI)が発表されるため、同指標に対する警戒感がくすぶっている。そのほか、4月末にかけての新規株式公開(IPO)投資に備えた換金売りや資金確保の動きは引き続き需給面で新興株の重しになったか。
前引け時点での東証マザーズ指数は1.13%高、東証グロース市場Core指数は0.54%高となった。
さて、週末に発表された米3月雇用統計の非農業部門雇用者数の伸びは市場予想並みだったが23.6万人、失業率は2月の3.6%から3.5%に低下しており、引き続き労働市場の堅調さが確認された。平均時給の伸びは前年比で+4.2%と前月から鈍化し、市場予想(+4.3%)も下回った。ただ、前月比では+0.3%と市場予想に一致、賃金インフレの鈍化ペースは緩慢であることが示唆された。雇用統計の結果を受けて、市場では連邦準備理事会(FRB)の追加利上げ観測が高まった。
今週は米国で12日に消費者物価指数(CPI)、13日に卸売物価指数(PPI)が発表される。エネルギーと食品を除いたコアCPIは前年同月比では5.6%上昇と、2月(5.5%
上昇)からの加速が見込まれており、前月比0.4%上昇の予想。総合CPIは前年同月比5.1%上昇の予想となっている。雇用統計を受けて米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ転換のハードルは高そうな印象が持たれつつあるなか、CPIとPPIに対する注目は高いだろう。
同じく12日に公表されるFOMC議事要旨のほか、今週は米金融当局者の発言も相次ぎ、ニューヨーク連銀のウィリアムズ、フィラデルフィア連銀のハーカー、シカゴ連銀のグールズビー、ミネアポリス連銀のカシュカリ、リッチモンド連銀のバーキン各総裁らが発言する。FRB高官はインフレ抑制を最優先に利上げを行う方針を維持していたため、これらの発言にも注目しておきたいところだ。
さて、毎週当欄を担当する筆者は、目先は底堅い動きを想定し、長期的には欧州不動産市場の動向や金融不安などの再燃、更なるネガティブ材料の浮上によって株価が下落するシナリオを想定して相場を見守ってきた。直近では米長期金利が再度上昇傾向にあり、今週は多くの重要指標が発表されるため、一旦全てのイベントを通過するまでは静観して見守っておきたいところだ。後場の日経平均は、プラス圏での推移が続くか。引き続き、個別材料株への物色が継続するか注目しておきたい。
(山本泰三)
<AK>
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