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株価指数先物 【週間展望】 ―3月9日高値が射程に入るも、輸出規制強化の影響が日経平均型の重荷に

配信日時:2023/04/02 17:00 配信元:MINKABU
「3月9日高値が射程に入るも、輸出規制強化の影響が日経平均型の重荷に」  今週の日経225先物は、ロング優位の相場展開が期待されよう。3月31日の米国市場では主要な株価指数が上昇。NYダウが75日移動平均線水準を回復したほか、S&P500は3月6日の戻り高値を上回り、2月16日以来の4000を回復。ナスダックも2月2日以来の水準を回復した。米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として重要視する、2月の個人消費支出(PCEコア)価格指数は前月比0.3%上昇したものの、市場予想(0.4%上昇)を下回り、利上げピークは近いとの見方から買い優勢の展開だった。インフレ鈍化の期待に加え、足もとで金融システム不安が落ち着いていることも買い安心感につながったようだ。  この流れを受けて、シカゴ日経平均先物は日中大阪比115円高の2万8205円だった。週明けの日経225先物はこれにサヤ寄せする格好で買いが先行すると見られ、節目の2万8000円を明確に上放れてくる。先週末の上昇でボリンジャーバンドの+1σを突破し、ナイトセッションで+1σを支持線としたリバウンドを継続していた。これにより、ボリンジャーバンドの+2σが位置する2万8426円、3月9日に付けた戻り高値2万8480円が射程に入ってこよう。戻り高値に接近する局面ではショートカバーを交えたロングが強まりやすく、+3σが位置する2万8900円辺りが今後のターゲットとして意識されてくる。  また、VIX指数は18.70に低下し、シリコンバレーバンク破綻による金融市場の不安で急伸した前の水準まで低下してきた。リスク回避姿勢が和らぐことから、ショートカバーを誘い込みやすいだろう。 一方、日本政府は先週、先端半導体の製造装置23品目について輸出規制の強化を発表。中国を対象とするか言及はないが、米国が求める規制強化に足並みを揃えた形であり、中国を念頭に置いているとみられている。日本企業への直接の影響は、東京エレクトロン <8035> [東証P]など10社ほどとなるようだが、指数インパクトの大きい値がさ半導体関連株が弱い値動きをみせることも想定され、指数の重荷となる可能性には注意しておきたい。  また、メガバンクなど銀行株の戻りの強さを見極める必要があるだろう。米国市場ではゴールドマン・サックス・グループやJPモルガン・チェースがリバウンドを見せているが、急落前の半値戻しは達成できていない状況である。国内でも三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> [東証P]が依然としてボトム圏で推移していることもあり、銀行株が少なくとも25日、75日線辺りを捉えてくる展開にならないと、戻り待ちでのショートが入りそうだ。為替市場では円相場が1ドル=132円80銭台と、円高修正の動きによって輸出関連などが日経平均株価をけん引する格好になりそうだが、値がさ半導体株や銀行株の動向次第では投資家心理を神経質にさせよう。  先週末のNT倍率は先物中心限月で13.99倍だった。概ね14.00倍を挟んだ狭いレンジでの推移で、日経平均株価が強いリバウンド基調となるものの、やや低下傾向だった。値がさハイテク株の戻りの鈍さのほか、配当再投資や日経平均構成銘柄の定期入れ替えに伴う特殊要因の影響があったと考えられる。今週以降は需給イベント通過によるNT倍率の上昇が意識されるが、政府の輸出規制強化の影響によりトレンドは出にくいところだ。一方で、東証が資本効率の改善などを企業に要請することにより、低PBR企業への関心が高まりやすく、相対的にTOPIX優位となる可能性がありそうだ。  3月第4週(3月20日- 24日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では2週連続で売り越しており、売り越し越し額は3528億円(3月第3週は2兆3765億円の売り越し)だった。なお、現物は4617億円の売り越し(同5686億円の売り越し)と5週連続の売り越しであり、先物は1088億円の買い越し(同1兆8078億円の売り越し)と2週ぶりに買い越している。個人は現物と先物の合算で1263億円の買い越しで、2週連続の買い越し。信託銀行は現物と先物の合算で576億円の買い越しとなり、11週ぶりの買い越しだった。  経済スケジュールでは、3日に日銀短観、中国3月財新製造業購買担当者景気指数(PMI)、米国3月ISM製造業景況指数、4日に米国2月製造業新規受注、5日に米国3月ADP雇用統計、米国2月貿易収支、米国3月ISM非製造業景況指数、6日に中国3月財新サービス部門PMI、7日に2月毎月勤労統計調査、2月景気動向指数、米国3月雇用統計などの発表が予定されている。なお、7日はグッドフライデー(聖金曜日)の祝日で欧米市場は休場となる。 ――プレイバック・マーケット―― ●SQ値 04月限 日経225 27122.37  TOPIX  1904.02 05月限 日経225 25951.24  TOPIX  1838.12 06月限 日経225 28122.81  TOPIX  1955.38 07月限 日経225 26659.58  TOPIX  1890.16 08月限 日経225 28525.62  TOPIX  1963.05 09月限 日経225 28253.40  TOPIX  1957.76 10月限 日経225 26666.31  TOPIX  1885.58 11月限 日経225 28225.86  TOPIX  1978.52 12月限 日経225 27576.37  TOPIX  1945.27 01月限 日経225 26325.21  TOPIX  1900.71 02月限 日経225 27779.75  TOPIX  1986.19 03月限 日経225 28377.34  TOPIX  2047.32 ◆日経225先物(日足)          始値   高値   安値   清算値  前日比 22/03 03月31日  27810  28130  27800  28090  +290 22/03 03月30日  27600  27870  27590  27800  +210 22/03 03月29日  27290  27610  27150  27590  +300 22/03 03月28日  27240  27350  27130  27290  +20 22/03 03月27日  27190  27290  26850  27270  +90 ◇TOPIX先物(日足)          始値   高値   安値   清算値  前日比 22/03 03月31日  1985.5  2011.0  1984.5  2007.0  +22.0 22/03 03月30日  1970.5  1988.5  1969.5  1985.0  +14.5 22/03 03月29日  1946.5  1972.0  1938.0  1970.5  +23.5 22/03 03月28日  1939.0  1955.0  1932.0  1947.0  +6.0 22/03 03月27日  1936.5  1945.0  1907.5  1941.0  +5.0 ●シカゴ日経平均 円建て           清算値  前日比 03月31日(6月限)  28205  +115 03月30日(6月限)  27940  +140 03月29日(6月限)  27805  +215 03月28日(6月限)  27230  -60 03月27日(6月限)  27325  +55 ※前日比は大阪取引所終値比 □裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額)         売り   前週末比   買い    前週末比 03月24日    2795億円  +248億円 1兆4395億円  +2108億円 03月17日    2547億円  +239億円 1兆2286億円  -2300億円 03月10日    2307億円  -258億円 1兆4586億円  +6803億円 03月03日    2566億円  +200億円  7783億円  +2698億円 02月24日    2365億円 +2023億円  5084億円  +1482億円 02月17日    342億円  -230億円  3602億円  -0.09億円 □裁定取引に係る現物ポジション(株数)         売り      前日比  買い       前日比 03月29日    6473万株    +3万株  6億8383万株   +1億2231万株 03月28日    6470万株   -432万株  5億6151万株   -198万株 03月27日    6902万株   -112万株  5億6350万株   +489万株 03月24日    7014万株   +366万株  5億5861万株   +2622万株 03月23日    6648万株    +62万株  5億3238万株   +3362万株 03月22日    6585万株   -555万株  4億9875万株   +5609万株 03月20日    7141万株   +727万株  4億4266万株   -3921万株 03月17日    6414万株   +748万株  4億8187万株   -1603万株 03月16日    5665万株   -145万株  4億9790万株   -1258万株 03月15日    5810万株   +319万株  5億1049万株   -662万株 03月14日    5491万株    +36万株  5億1711万株   -2610万株 03月13日    5455万株    +8万株  5億4322万株   -364万株 ■日本銀行による指数連動型上場投資信託(ETF)買い入れ推移(通常ETF分) 【2022年】 1月14日  701億円 1月25日  701億円 2月14日  701億円 3月07日  701億円 4月07日  701億円 5月19日  701億円 6月13日  701億円 6月17日  701億円 12月2日  701億円 【2023年】 3月13日  701億円 3月14日  701億円 株探ニュース

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