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株価指数先物 【週間展望】 ―金融システム不安を警戒も、レンジ切り上げの可能性は意識しておきたい

配信日時:2023/03/26 17:00 配信元:MINKABU
「金融システム不安を警戒も、レンジ切り上げの可能性は意識しておきたい」  今週の日経225先物は、欧米で金融不安が燻るなか、外部環境にらみの展開になりそうだ。24日の欧州市場では、ドイツ銀行(NY市場でのティッカーは、以下同)が急落し、同行の債務不履行に伴うリスクを対象としたクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)が上昇した。独ショルツ首相は「心配の理由はない」と不安の鎮静化に努めたが、クレディ・スイス・グループや買収を発表したUBSグループのほか、コメルツ銀行、ソシエテ・ジェネラルなど銀行株が軒並み売られた。  一方で、24日の米国市場は上昇した。銀行の経営危機拡大の懸念が燻るなか、売りが先行し、NYダウは一時300ドルほど下落した。しかし、セントルイス地区連銀のブラード総裁が金融ストレスの抑え込みに前向きな見方を示したことを受けて、景気敏感株を中心に買い直され、プラスに転じた。  シカゴ日経平均先物(6月物)清算値は、日中大阪比65円安の2万7115円だった。週明けの先物市場はやや売りが先行しそうだが、2万7000円処での底堅さは意識されやすい。テクニカル面では、75日移動平均線が2万7120円辺りに位置しており、同線水準では強弱感が対立しやすいだろう。横ばいで推移する200日線が2万7300円辺りで推移しているほか、25日線が2万7400円処まで下がってきており、両線が上値抵抗線として機能するようだと、オプション権利行使価格の2万7000円~2万7375円辺りでのこう着が見込まれる。  一方で、カイ離が縮小してきた25日、200日線によるデッドクロスは警戒されるが、両線をクリアしてくると、2週間ぶりの抵抗線突破によって、ショートカバーを交えたリバウンドが強まりやすい。今週は29日が3月・9月期決算企業の権利付き最終日となるが、TOPIXのリバランス需給のほか、配当再投資に伴う需給が発生する。さらに、日経平均株価の構成銘柄の定期入れ替えに伴うヘッジ対応のリバランスなども見込まれるため、イベントに絡んだ需給の影響を受けやすい。加えて、実質新年度相場入りとなるため、先回り的な買いも意識されてきそうだ。  金融システム不安は重荷となるが、需給面による底堅さは意識されやすく、上値抵抗線を捉えてくる可能性はあろう。3月9日の戻り高値2万8730円から15日の2万6195円までの調整に対するリバウンドが強まる可能性もあり、権利行使価格の2万7500円~2万8000円にレンジを切り上げてくる可能性は意識しておきたい。  また、米国では先週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利上げを決定し、2023年末の政策金利見通しを5.1%(中央値)と前回の昨年12月の予想から変えなかった。年内にあと1回の利上げで達成となることから、利上げ停止は近いとの観測が強まっている。足もとで米長期金利が低下傾向を見せるなか、ハイテク株を見直す動きが継続している。今週は米国で2月個人消費支出(PCEデフレーター)、3月シカゴ購買部協会景気指数、3月ミシガン大学消費者態度指数(確報値)などの発表を控えているが、いずれも週末31日であるため、ショートの動きは強まらないだろう。  VIX指数は21.74に低下した。足もとでは20.00~25.00辺りでの推移を継続しているため、金融システム不安に対する警戒感は落ち着きをみせていると考えられる。銀行株のショートカバーは期待しづらく神経質な展開が予想されるものの、押し目狙いのスタンスに向かわせよう。  先週のNT倍率は先物中心限月で14.03倍だった。75日線を支持線に上向きのトレンドを継続しており、14.12倍辺りに位置する200日線を目先的なターゲットとした、NTロングによるスプレッド狙いのトレードは入りやすいだろう。NTロングのリバランスの動きからNTショートが優勢となり75日線に接近する場面では、NTロング組成のタイミングとなりそうだ。  3月第3週(3月13日-17日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では3週ぶりに売り越しており、売り越し越し額は2兆3765億円(3月第2週は286億円の買い越し)だった。なお、現物は5686億円の売り越し(同1兆1275億円の売り越し)と4週連続の売り越しであり、先物は1兆8078億円の売り越し(同1兆1562億円の買い越し)と9週ぶりに売り越している。個人は現物と先物の合算で1兆946億円の買い越しで、3週ぶりの買い越し。信託銀行は現物と先物の合算で117億円の売り越しとなり、10週連続の売り越しだった。  経済スケジュールでは、27日に2月企業向けサービス価格指数、1月景気動向指数(改定値)、中国1-2月工業企業利益、28日に米国2月卸売在庫、米国1月ケース・シラー住宅価格指数、米国3月コンファレンス・ボード消費者信頼感指数、29日に米国MBA住宅ローン申請指数、30日に米国10-12月期実質国内総生産GDP(確定値)、31日に2月完全失業率・有効求人倍率、2月鉱工業生産、2月商業動態統計、中国3月製造業購買担当者景気指数(PMI)、米国2月個人所得・消費支出、米国3月シカゴ購買部協会景気指数、米国3月ミシガン大学消費者態度指数(確報値)などが予定されている。 ――プレイバック・マーケット―― ●SQ値 04月限 日経225 27122.37  TOPIX  1904.02 05月限 日経225 25951.24  TOPIX  1838.12 06月限 日経225 28122.81  TOPIX  1955.38 07月限 日経225 26659.58  TOPIX  1890.16 08月限 日経225 28525.62  TOPIX  1963.05 09月限 日経225 28253.40  TOPIX  1957.76 10月限 日経225 26666.31  TOPIX  1885.58 11月限 日経225 28225.86  TOPIX  1978.52 12月限 日経225 27576.37  TOPIX  1945.27 01月限 日経225 26325.21  TOPIX  1900.71 02月限 日経225 27779.75  TOPIX  1986.19 03月限 日経225 28377.34  TOPIX  2047.32 ◆日経225先物(日足)          始値   高値   安値   清算値  前日比 22/03 03月24日  27160  27370  26930  27180  +60 22/03 03月23日  27200  27360  26920  27120  -110 22/03 03月22日  26500  27270  26390  27230  +560 22/03 03月20日  27060  27150  26650  26670  -360 ◇TOPIX先物(日足)          始値   高値   安値   清算値  前日比 22/03 03月24日  1934.0  1948.5  1914.5  1936.0  +5.0 22/03 03月23日  1938.0  1950.0  1913.0  1931.0  -8.0 22/03 03月22日  1890.0  1946.5  1882.5  1939.0  +36.5 22/03 03月20日  1938.5  1943.0  1898.0  1902.5  -34.0 ●シカゴ日経平均 円建て           清算値  前日比 03月24日(6月限)  27115  -65 03月23日(6月限)  27025  -95 03月22日(6月限)  26980  -250 03月21日(6月限)  27110  +440 03月20日(6月限)  26840  +170 ※前日比は大阪取引所終値比 □裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額)         売り   前週末比   買い    前週末比 03月17日    2547億円  +239億円 1兆2286億円  -2300億円 03月10日    2307億円  -258億円 1兆4586億円  +6803億円 03月03日    2566億円  +200億円  7783億円  +2698億円 02月24日    2365億円 +2023億円  5084億円  +1482億円 02月17日    342億円  -230億円  3602億円  -0.09億円 02月10日    572億円 -1769億円  3602億円  -381億円 □裁定取引に係る現物ポジション(株数)         売り      前日比  買い       前日比 03月22日    6585万株   -555万株  4億9875万株   +5609万株 03月20日    7141万株   +727万株  4億4266万株   -3921万株 03月17日    6414万株   +748万株  4億8187万株   -1603万株 03月16日    5665万株   -145万株  4億9790万株   -1258万株 03月15日    5810万株   +319万株  5億1049万株   -662万株 03月14日    5491万株    +36万株  5億1711万株   -2610万株 03月13日    5455万株    +8万株  5億4322万株   -364万株 03月10日    5446万株   -2792万株  5億4686万株   -3782万株 03月09日    8239万株   +1844万株  5億8469万株   +6574万株 03月08日    6394万株   -151万株  5億1894万株   +1億2533万株 03月07日    6545万株   +810万株  3億9361万株   +5153万株 03月06日    5735万株   -545万株  3億4207万株   +5450万株 ■日本銀行による指数連動型上場投資信託(ETF)買い入れ推移(通常ETF分) 【2022年】 1月14日  701億円 1月25日  701億円 2月14日  701億円 3月07日  701億円 4月07日  701億円 5月19日  701億円 6月13日  701億円 6月17日  701億円 12月2日  701億円 【2023年】 3月13日  701億円 3月14日  701億円 株探ニュース

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