Reuters Japan Online Report Business News

NY外為市場=ドル全面安、来週のインフレ統計に注目

配信日時:2023/02/10 06:52 配信元:REUTERS

[ニューヨーク 9日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、米債利回りの低下とともにドルが全面安となった。インフレが抑制され始めており、米連邦準備理事会(FRB)が必要以上に金利を引き上げる必要はないとの見方が広がった。

一方、スウェーデンの通貨クローナは急上昇。スウェーデン中央銀行は9日、政策金利を50ベーシスポイント(bp)引き上げ3.0%とした。物価高と通貨クローナ安という逆風に対抗し、今後数カ月の間に追加引き締めをすると予想した。

米労働省が9日に発表した2月4日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は1万3000件増加し、19万6000件となった。労働市場の弱さが示唆され、インフレ抑制につながるとしてドル安につながった。

FXコンサルティング会社クラリティーFXのエグゼクティブディレクター、アモ・サホタ氏は「パウエルFRB議長は今週、インタビュー時にネジをきつく締める機会があったが、そうしなかった。パウエル議長は自身のシナリオに固執し、市場に警鐘を鳴らさず、ディスインフレに言及した。そのため、市場はパウエル議長の発言を額面通り受け取っている」と述べた。

パウエル議長は7日と先週、ディスインフレが始まったと述べていた。

米リッチモンド地区連銀のバーキン総裁は9日、金融引き締め政策が米経済を「明らかに」減速させており、FRBが追加利上げで「より慎重に」対応できるという認識を示した。

ドル指数は0.2%安の103.24。

ユーロ/ドルは0.2%高の1.0733ドル。一方、ポンド/ドルは0.3%上昇の1.2114ドル。市場全体のリスクセンチメントが改善したことが追い風となった。

UBSのFXストラテジスト、バシリ・セレブリアコフ氏は「投資家は来週のCPI(消費者物価指数)の発表を前に再びドルショートにすることをまだためらっている。パウエル氏が言及したディスインフレが続くかどうかCPIが注目されている」とした。

ドルは対スウェーデンクローナで2%安の10.35クローナ。ユーロも2%安の11.11クローナ。1日の下落率として2009年以来の大きさとなった。

豪ドル/米ドルは0.8%高の0.6973米ドル。

ドル/円は0.1%高の131.575円。

4月に任期満了となる日銀の黒田東彦総裁の後任人事案について、政府が2人の副総裁候補とともに14日に国会に提示する方向で調整していることが9日、分かった。複数の政府・与党関係者が明らかにした。

ドル/円 NY午後4時 131.62/131.63

始値 130.91

高値 131.65

安値 130.35

ユーロ/ドル NY午後4時 1.0731/1.0735

始値 1.0761

高値 1.0792

安値 1.0732

ニュースカテゴリ