相場概況

日経平均は小反発、インフレ懸念後退で買い先行もイベント控え失速

配信日時:2023/02/01 15:50 配信元:FISCO
日経平均は小反発。31日の米株式市場でダウ平均は368.95ドル高と反発。10−12月期雇用コスト指数が予想以上に鈍化したため、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ長期化懸念が後退。良好な企業決算や長期金利の低下に伴うハイテクの買い戻しも相場を一段と押し上げた。ナスダック総合指数は+1.67%と大幅反発。米株高を引き継いで日経平均は156.3円高からスタート。ハイテク株を中心に買いが先行する中、寄り付き直後に27547.67円(220.56円高)まで上昇。ただ、日本時間で明朝4時頃に結果公表を控える米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に積極的に買い上がる向きは少なく、また、27500円台では戻り待ちの売りも根強く、その後は徐々に上げ幅を縮める動きが続いた。午後は週末にかけて控える相次ぐ重要イベントを前に様子見ムードが漂い、膠着感の強い展開となった。

 大引けの日経平均は前日比19.77円高の27346.88円となった。東証プライム市場の売買高は11億900万株、売買代金は2兆8570億円だった。セクターでは海運、鉱業、保険が上昇率上位となった一方、陸運、ガラス・土石、建設が下落率上位となった。東証プライム市場の値上がり銘柄は全体の41%、対して値下がり銘柄は55%だった。

 個別では、米半導体大手AMDの1−3月期見通しが市場予想を上回ったことなどを背景に東エレク<8035>、ディスコ<6146>、ルネサス<6723>などが上昇。アドバンテスト<6857>とスクリン<7735>は前日発表の決算が想定内だったことに伴うあく抜け感も相まって大幅高。前日後場に経常利益を下方修正も増配を発表し買い優勢となった商船三井<
9104>は本日も大幅続伸。郵船<9101>、川崎汽船<9107>も大きく続伸。メルカリ<4385>、リクルートHD<6098>、マネーフォワード<3994>、Sansan<4443>などグロース株も高い。

 業績及び配当予想を上方修正した丸文<7537>、ファイズHD<9325>、第1四半期高進捗となったFPG<7148>、大幅増益決算が好感されたエンプラス<6961>、Genky<9267>、業績下方修正も追加自社株買いを発表したワコム<6727>などがそれぞれ急伸。ほか、TDK
<6762>、新光電工<6967>なども決算が買いにつながった。アルプス<6770>は旧村上ファンド系のシティインデックスイレブンスによる大量保有が材料視された。

 一方、受注高計画の下方修正が嫌気されたレーザーテック<6920>が急落。業績予想を下方修正したエプソン<6724>、TOTO<5332>、マキタ<6586>、営業利益を上方修正も経常利益を下方修正した新日本科学<2395>などが大きく下落。業績下方修正に加えて減配を発表した西松建設<1820>、10−12月期の2ケタ減益が失望されたSREHD<2980>は急落。ZOZO<3092>、旭有機材<4216>、山洋電気<6516>は堅調決算も出尽くし感が先行。ほか、決算を発表したところでは、JR東日本<9020>、JR西日本<9021>の陸運、九州電力<9508>、中国電力<9504>、関西電力<9503>、四国電力<9507>の電力大手が売られている。
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