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ステップ Research Memo(8):「STEP」は横浜・川崎エリアに注力、学童保育は横浜進出(2)
配信日時:2022/12/19 16:28
配信元:FISCO
■今後の見通し
(4) 学童保育は神奈川県内で校舎展開を進め新たな収益柱として成長する可能性
「STEPキッズ」は、前述のとおり収益モデルを確立したことで、2023年春に横浜に進出することを決定した。3年後に収益化の目途が立てば、その後は県内全域へと展開する予定だ。弊社では、ステップ<9795>が知的好奇心を育む豊富なプログラム(15種類)を差別化戦略として市場を開拓していく可能性は十分あると見ている。あとはそれを支える人材育成と組織体制の構築が成長のカギを握ることになる。学童保育に必要とされる人材は学習塾の教師とは異なる部分も多く、子どもの可能性や潜在能力を上手く引き出す力が求められる。同社は「STEP」の女性講師で結婚後に育児休職から復帰する人材など、学童保育部門の適性に合った人材を育成する研修カリキュラムを作って、こうしたリソースを拡充する予定である。
教室展開については、近隣に小中学生部門のスクールがある地域に開校していく戦略である。学習プログラムの運営では小中学生部門のスクールの教師や教師経験者がサポートに入るケースがあるためだ。生徒1人当たりの売上単価は約50万円となり、1教室当たりの定員数は120名前後を目安に3~4年で収益化するビジネスモデルである。学童保育部門が本格的に加わることで、対象学年が小学1年生~高校3年生と従来の8学年から12学年と1.5倍に拡大することになり、収益基盤がさらに強固なものとなり、成長ポテンシャルも高まることになる。
(5) 人材採用・育成の強化
校舎数を拡大していくためには、教師となる人材の採用・育成を強化することが最も重要となる。採用については、新卒採用に加えて2017年より開始したリファラル採用を強化している。同業他社からの入社も多く、同社の状況をある程度理解し共感して入社するので、通常の転職サイトや一般応募から入社する社員と比較して、仕事が進めやすく離職率も低くなるといった効果が出ている。
従来の中途採用は年齢層で20~30代の若手クラスがほとんどであったが、最近は経験豊富な中核人材を採用する機会も増えている。ただ、こうした経験者であっても「STEP」の学習指導方針に沿うように定期的に研修を実施している。若手社員については、早期戦力化を目的とした研修プログラムの見直しなども必要に応じて行っており、こうした努力が顧客満足度の高さや合格実績につながり、同社の成長を支える基盤となっている。
(6) 運営方針と生徒募集活動、価格政策について
同社は今後も校舎数に関しては必要以上のペースで拡大せず、「何よりも授業の質を大切にする」という基本方針を徹底させ、堅実な成長を目指す方針である。またオンライン授業に対する考え方については、今後も対面型の集団ライブ授業を基本にサービス提供を行い、必要に応じてオンライン授業を併用する方針としている。オンライン授業では生徒が「分かる」授業は提供できても、「できるようになる」ところまで持っていくのはハードルが高いと考えているためだ。このことは教師のみならず生徒や保護者の間でも再確認されており、対面型のライブ授業を強みとして今後も展開していく方針である。
生徒募集活動については従来、生徒や保護者からの口コミとともに一部チラシ広告を行ってきたが、チラシ広告については、今後インターネットをメインとした募集活動に徐々に移行することにしている。教室ごとのホームページを充実させており、最近では電話による問い合わせよりもインターネット経由の問い合わせが増えているためだ。今後もICTを積極的に活用しながら、長期的なスタンスで生徒募集・校舎運営の体制づくりを行っていく。
なお、昨今の物価上昇により授業料の値上げを実施または予定する学習塾が増えているが、同社は2023年度も授業料については据え置く方針を明らかにした。2020年のコロナ禍の時も一時的にオンライン授業に切り替えた際に、特別料金(割引料金)で実施し顧客からの支持を集める結果となったが、今回も同様に評価が高まることになりそうだ。コスト上昇で利益率が悪化しても、それに耐えられるだけの収益性の高さと財務基盤を持っている強みと言える。価格政策については今後も「高品質の授業とシステム」を「安売りせず」に提供する方針に変わりない。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<SI>
(4) 学童保育は神奈川県内で校舎展開を進め新たな収益柱として成長する可能性
「STEPキッズ」は、前述のとおり収益モデルを確立したことで、2023年春に横浜に進出することを決定した。3年後に収益化の目途が立てば、その後は県内全域へと展開する予定だ。弊社では、ステップ<9795>が知的好奇心を育む豊富なプログラム(15種類)を差別化戦略として市場を開拓していく可能性は十分あると見ている。あとはそれを支える人材育成と組織体制の構築が成長のカギを握ることになる。学童保育に必要とされる人材は学習塾の教師とは異なる部分も多く、子どもの可能性や潜在能力を上手く引き出す力が求められる。同社は「STEP」の女性講師で結婚後に育児休職から復帰する人材など、学童保育部門の適性に合った人材を育成する研修カリキュラムを作って、こうしたリソースを拡充する予定である。
教室展開については、近隣に小中学生部門のスクールがある地域に開校していく戦略である。学習プログラムの運営では小中学生部門のスクールの教師や教師経験者がサポートに入るケースがあるためだ。生徒1人当たりの売上単価は約50万円となり、1教室当たりの定員数は120名前後を目安に3~4年で収益化するビジネスモデルである。学童保育部門が本格的に加わることで、対象学年が小学1年生~高校3年生と従来の8学年から12学年と1.5倍に拡大することになり、収益基盤がさらに強固なものとなり、成長ポテンシャルも高まることになる。
(5) 人材採用・育成の強化
校舎数を拡大していくためには、教師となる人材の採用・育成を強化することが最も重要となる。採用については、新卒採用に加えて2017年より開始したリファラル採用を強化している。同業他社からの入社も多く、同社の状況をある程度理解し共感して入社するので、通常の転職サイトや一般応募から入社する社員と比較して、仕事が進めやすく離職率も低くなるといった効果が出ている。
従来の中途採用は年齢層で20~30代の若手クラスがほとんどであったが、最近は経験豊富な中核人材を採用する機会も増えている。ただ、こうした経験者であっても「STEP」の学習指導方針に沿うように定期的に研修を実施している。若手社員については、早期戦力化を目的とした研修プログラムの見直しなども必要に応じて行っており、こうした努力が顧客満足度の高さや合格実績につながり、同社の成長を支える基盤となっている。
(6) 運営方針と生徒募集活動、価格政策について
同社は今後も校舎数に関しては必要以上のペースで拡大せず、「何よりも授業の質を大切にする」という基本方針を徹底させ、堅実な成長を目指す方針である。またオンライン授業に対する考え方については、今後も対面型の集団ライブ授業を基本にサービス提供を行い、必要に応じてオンライン授業を併用する方針としている。オンライン授業では生徒が「分かる」授業は提供できても、「できるようになる」ところまで持っていくのはハードルが高いと考えているためだ。このことは教師のみならず生徒や保護者の間でも再確認されており、対面型のライブ授業を強みとして今後も展開していく方針である。
生徒募集活動については従来、生徒や保護者からの口コミとともに一部チラシ広告を行ってきたが、チラシ広告については、今後インターネットをメインとした募集活動に徐々に移行することにしている。教室ごとのホームページを充実させており、最近では電話による問い合わせよりもインターネット経由の問い合わせが増えているためだ。今後もICTを積極的に活用しながら、長期的なスタンスで生徒募集・校舎運営の体制づくりを行っていく。
なお、昨今の物価上昇により授業料の値上げを実施または予定する学習塾が増えているが、同社は2023年度も授業料については据え置く方針を明らかにした。2020年のコロナ禍の時も一時的にオンライン授業に切り替えた際に、特別料金(割引料金)で実施し顧客からの支持を集める結果となったが、今回も同様に評価が高まることになりそうだ。コスト上昇で利益率が悪化しても、それに耐えられるだけの収益性の高さと財務基盤を持っている強みと言える。価格政策については今後も「高品質の授業とシステム」を「安売りせず」に提供する方針に変わりない。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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