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ステップ Research Memo(7):「STEP」は横浜・川崎エリアに注力、学童保育は横浜進出(1)
配信日時:2022/12/19 16:27
配信元:FISCO
■今後の見通し
2. 今後の成長戦略
(1) 横浜・川崎エリアでのブランド力を高める
ステップ<9795>は中長期的に神奈川県内に特化した学習塾として成長を続けるための戦略として、生徒数の増加が今後も見込まれる横浜・川崎エリアでのシェア拡大を最重要課題として取り組んできた。2022年春の横浜市内の公立トップ校における合格者数は他塾との差をさらに広げる結果となり、横浜エリアでのブランド力は一段と高まったものと評価される。県内最難関校とされる横浜翠嵐高校の合格者数については塾別で2位となったが、合格率は61.7%とSTEP生を除く受験生の合格率43.3%を大きく上回っていることや、STEP生以外からは多数の不合格者が出たこともあって、在塾生にとってはかえって進路指導に対する信頼感が高まる結果ともなっている。こうした取り組みの成果として、横浜市内のスクールにおける生徒の増加率も全社平均を上回って好調に推移している。
(2) 新スクールの開校は川崎、横浜東部・臨海・南部エリアで推進
今後の小中学生部門における新スクールの進出地域は、現在11スクールにとどまっている川崎エリアで加速するほか、横浜東部・臨海・南部などでドミナント展開する予定である。神奈川県内で今後10年以上、就学人口の増加が見込まれるエリアとして川崎市や横浜市東部、藤沢市などがあり、今後10年間でその比率はさらに上昇することが予想されるためだ。このため、これらの地域で進学学習塾としての圧倒的なブランド力を確立し、スクールのドミナント展開により生徒数を拡大しながら持続的な成長を実現する戦略となっている。出校に関しては同社が強みとする教務力の品質を維持できる人材(教師・教室長)の育成が条件となるが、小中学部では年間3~4校程度を目安としている。
同社が1年前に公表した横浜市、川崎市における今後の展望によれば、同社の地盤である藤沢市は、市立中学校の生徒数に対する塾生数のシェアが2021年10月時点で24.2%に達しているのに対して、横浜市のシェアは8.4%、川崎市は3.0%にとどまっている。藤沢市の24.2%は長年にわたって校舎運営の実績を積み重ねてきたものなので簡単に到達できるものではないが、仮に両エリアのシェアを15%と仮定すると、横浜市で約11,600人、川崎市で約4,500人、合わせて約16,100人の中学生の塾生を獲得できる計算となる。2021年10月時点で両エリアの塾生数は約7,400人だったことから、残り約8,700人の獲得余地がある計算となる。また、小学生の塾生は中学生の約2割の水準となっていることから、同じ比率と仮定すれば約1,700人の獲得が見込めることになる。小中学生部門の塾生数は2022年10月末時点で約2.6万人となっており、横浜市、川崎市でシェア15%を達成することで1.4倍の約3.6万人まで拡大できる計算となる。
一方、スクール数については1校当たり150人を前提とすると、横浜市で32スクール、川崎市で22スクール、合わせて54スクールの出校余地が出てくる。年間3~4校ベースで出校したとしても13~18年かかる計算となる。教師やスタッフの人員採用・育成のペース次第ではあるものの、今後も横浜、川崎エリアで継続的にスクールを展開し、シェアを拡大していくことで安定成長を続けることは可能と言える。
(3) 高校生部門はブランド力が高まり、既存校の増床・移転を優先課題に取り組む
高校生部門では、従来3~4年に1校のペースで開校を続けてきた。授業の質を維持しながらスクールを増やす方針のため、新規開校は教師のリソースを確保してからとなる。こうした取り組みを続けてきた結果、大学合格実績もここ数年で躍進的に伸び、神奈川県内の公立高校生を主体とした学習塾としてはトップレベルのブランド力を有するまでになっており、1年生では定員に達する校舎も増えてきており、今後も一段と人気が高まるものと予想される。喫緊の課題は、教師の育成と定員に達して募集打ち切りとなっている既存校舎の移転・増床を進めることにある。このため、2023年9月期は15校目の校舎を開設して5年目となるものの新規開校の予定はなく、既存校舎の移転・増床を優先的に取り組む方針となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<SI>
2. 今後の成長戦略
(1) 横浜・川崎エリアでのブランド力を高める
ステップ<9795>は中長期的に神奈川県内に特化した学習塾として成長を続けるための戦略として、生徒数の増加が今後も見込まれる横浜・川崎エリアでのシェア拡大を最重要課題として取り組んできた。2022年春の横浜市内の公立トップ校における合格者数は他塾との差をさらに広げる結果となり、横浜エリアでのブランド力は一段と高まったものと評価される。県内最難関校とされる横浜翠嵐高校の合格者数については塾別で2位となったが、合格率は61.7%とSTEP生を除く受験生の合格率43.3%を大きく上回っていることや、STEP生以外からは多数の不合格者が出たこともあって、在塾生にとってはかえって進路指導に対する信頼感が高まる結果ともなっている。こうした取り組みの成果として、横浜市内のスクールにおける生徒の増加率も全社平均を上回って好調に推移している。
(2) 新スクールの開校は川崎、横浜東部・臨海・南部エリアで推進
今後の小中学生部門における新スクールの進出地域は、現在11スクールにとどまっている川崎エリアで加速するほか、横浜東部・臨海・南部などでドミナント展開する予定である。神奈川県内で今後10年以上、就学人口の増加が見込まれるエリアとして川崎市や横浜市東部、藤沢市などがあり、今後10年間でその比率はさらに上昇することが予想されるためだ。このため、これらの地域で進学学習塾としての圧倒的なブランド力を確立し、スクールのドミナント展開により生徒数を拡大しながら持続的な成長を実現する戦略となっている。出校に関しては同社が強みとする教務力の品質を維持できる人材(教師・教室長)の育成が条件となるが、小中学部では年間3~4校程度を目安としている。
同社が1年前に公表した横浜市、川崎市における今後の展望によれば、同社の地盤である藤沢市は、市立中学校の生徒数に対する塾生数のシェアが2021年10月時点で24.2%に達しているのに対して、横浜市のシェアは8.4%、川崎市は3.0%にとどまっている。藤沢市の24.2%は長年にわたって校舎運営の実績を積み重ねてきたものなので簡単に到達できるものではないが、仮に両エリアのシェアを15%と仮定すると、横浜市で約11,600人、川崎市で約4,500人、合わせて約16,100人の中学生の塾生を獲得できる計算となる。2021年10月時点で両エリアの塾生数は約7,400人だったことから、残り約8,700人の獲得余地がある計算となる。また、小学生の塾生は中学生の約2割の水準となっていることから、同じ比率と仮定すれば約1,700人の獲得が見込めることになる。小中学生部門の塾生数は2022年10月末時点で約2.6万人となっており、横浜市、川崎市でシェア15%を達成することで1.4倍の約3.6万人まで拡大できる計算となる。
一方、スクール数については1校当たり150人を前提とすると、横浜市で32スクール、川崎市で22スクール、合わせて54スクールの出校余地が出てくる。年間3~4校ベースで出校したとしても13~18年かかる計算となる。教師やスタッフの人員採用・育成のペース次第ではあるものの、今後も横浜、川崎エリアで継続的にスクールを展開し、シェアを拡大していくことで安定成長を続けることは可能と言える。
(3) 高校生部門はブランド力が高まり、既存校の増床・移転を優先課題に取り組む
高校生部門では、従来3~4年に1校のペースで開校を続けてきた。授業の質を維持しながらスクールを増やす方針のため、新規開校は教師のリソースを確保してからとなる。こうした取り組みを続けてきた結果、大学合格実績もここ数年で躍進的に伸び、神奈川県内の公立高校生を主体とした学習塾としてはトップレベルのブランド力を有するまでになっており、1年生では定員に達する校舎も増えてきており、今後も一段と人気が高まるものと予想される。喫緊の課題は、教師の育成と定員に達して募集打ち切りとなっている既存校舎の移転・増床を進めることにある。このため、2023年9月期は15校目の校舎を開設して5年目となるものの新規開校の予定はなく、既存校舎の移転・増床を優先的に取り組む方針となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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