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三栄コーポ Research Memo(1):2023年3月期第2四半期は増収、赤字縮小。消費回復、構造改革が進捗
配信日時:2022/12/19 16:01
配信元:FISCO
■要約
三栄コーポレーション<8119>は75年以上の歴史を持ち、高付加価値品を主に取り扱う多機能な商社である。生活用品全般を扱い、製造・輸出入・卸・小売までのサプライチェーンを幅広く手掛ける。海外には17ヶ所の拠点、国内直営小売店60店舗を持つ。欧州の差別化されたブランドの日本導入や、良品計画<7453>に代表されるこだわりある商品のOEM供給など、付加価値の高い商品を取り扱う点で個性が明確である。ビジネスモデル面ではOEM事業が売上高の約7割、ブランド事業が約3割である。事業セグメント別では家具家庭用品事業、服飾雑貨事業、家電事業の3事業が柱となっている。
1. 2023年3月期第2四半期の連結業績(実績)
2023年3月期第2四半期の連結業績は、売上高が18,203百万円(前年同期比11.8%増)、営業損失が285百万円(前年同期から72百万円の改善)、経常損失が238百万円(同4百万円の改善)、親会社株主に帰属する四半期純損失が283百万円(同91百万円の改善)となった。売上高は、家具家庭用品事業が前年同期比で616百万円増、服飾雑貨事業が同1,071百万円増と2つのセグメントが全社の増収をけん引した。全社的な傾向として、新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)が一段落し、外出関連商品(旅行・理美容など)の需要が戻りつつあることが窺えた。営業利益は売上総利益の増加を主因に、経常利益は円安の大幅な進行による為替差益の減少により回復幅は小幅に留まるも、それぞれ改善した。
2. 2023年3月期の連結業績(予想)
2023年3月期の連結業績予想は、売上高が前期比8.9%増の37,000百万円、営業損失が500百万円(前期から412百万円改善)、経常損失が400百万円(前期から257百万円改善)、親会社株主に帰属する当期純損失が500百万円(前期から445百万円改善)としている。売上高・各利益ともに上期の好業績により上方修正された。営業利益面では、尻上がりに回復傾向が鮮明となる見込みである。特に服飾雑貨事業の収益性の改善が顕著となる。原材料価格の高騰、物流費の上昇、急激な円安等、いずれも輸入を主体とする同社にとってはマイナスの影響がある。ただし、原価高騰に関しては、販売価格への転嫁が可能な取引もある。また円安に関しては、為替の影響を受けない取引(海外拠点で製造し海外に販売する等)や為替予約などのリスク回避策なども活用しており、その影響は一定の軽減が可能である。内部要因に関しては、店舗の集約がほぼ完了し今後はセレクトショップ化で反転攻勢をかける方向性で動き出し、2024年3月期の黒字化に向けてさらなる業績の改善が期待できる。
3. 成長戦略
連結子会社(株)ベネクシーは従来「BIRKENSTOCK(ビルケンシュトック)」の専門店舗の運営を主力に展開してきたが、新しい戦略としてセレクトショップ化による事業再編の方向性が示された。この戦略の下、1)フットウェア事業拡充、2)「BIRKENSTOCK」専門店舗運営の段階的終了を実施する。今後は既存店舗の複合ブランドショップ(セレクトショップ)化及びオリジナルブランド創設を含めてフットウェアの流通・修理事業の拡充を目指す。この取り組みにより、季節に合わせたMD(マーチャンダイズ)構成が可能となり、これまでサンダルという商材の特性上、春夏の時期に集中していた収益上の繁閑格差の解消が期待できる。新しい複合ブランドショップとして有力視される店舗ブランドは、ベネクシーが運営する「Quorinest(クオリネスト)」である。「Quorinest」が「BIRKENSTOCK」を含むフットウェア商品を取り込んで進化する姿が1つのモデルとなるのか、今後の取り組みに期待したい。
4. 株主還元策
同社では、株主に対する適切な利益還元を経営の重要課題の1つと位置付けている。配当に関しては、企業理念である「随縁の思想」の下、同社と縁を紡ぐ株主が安心して株式を長期保有できるよう、可能な限り継続的に実施するとしている。コロナ禍の影響で業績が落ち込んだ2021年3月期からは年間配当20円として、一定の配当は維持する。2023年3月期においても、年間配当20円(中間10円実施済、期末10円予想)を予想する。
■Key Points
・2023年3月期第2四半期は、国内外の消費回復を追い風に増収。インフレ影響あるも構造改革が進み赤字幅が縮小
・自己資本比率は50%超、純資産100億円超。過去からの資本蓄積により財務の健全性を維持
・2023年3月期予想を上方修正。服飾雑貨事業の構造改革に目途、家電事業の改革を継続
・「BIRKENSTOCK」専門店舗運営を段階的に終了し、セレクトショップ化。環境ブランドのラインナップ拡充
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
<SI>
三栄コーポレーション<8119>は75年以上の歴史を持ち、高付加価値品を主に取り扱う多機能な商社である。生活用品全般を扱い、製造・輸出入・卸・小売までのサプライチェーンを幅広く手掛ける。海外には17ヶ所の拠点、国内直営小売店60店舗を持つ。欧州の差別化されたブランドの日本導入や、良品計画<7453>に代表されるこだわりある商品のOEM供給など、付加価値の高い商品を取り扱う点で個性が明確である。ビジネスモデル面ではOEM事業が売上高の約7割、ブランド事業が約3割である。事業セグメント別では家具家庭用品事業、服飾雑貨事業、家電事業の3事業が柱となっている。
1. 2023年3月期第2四半期の連結業績(実績)
2023年3月期第2四半期の連結業績は、売上高が18,203百万円(前年同期比11.8%増)、営業損失が285百万円(前年同期から72百万円の改善)、経常損失が238百万円(同4百万円の改善)、親会社株主に帰属する四半期純損失が283百万円(同91百万円の改善)となった。売上高は、家具家庭用品事業が前年同期比で616百万円増、服飾雑貨事業が同1,071百万円増と2つのセグメントが全社の増収をけん引した。全社的な傾向として、新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)が一段落し、外出関連商品(旅行・理美容など)の需要が戻りつつあることが窺えた。営業利益は売上総利益の増加を主因に、経常利益は円安の大幅な進行による為替差益の減少により回復幅は小幅に留まるも、それぞれ改善した。
2. 2023年3月期の連結業績(予想)
2023年3月期の連結業績予想は、売上高が前期比8.9%増の37,000百万円、営業損失が500百万円(前期から412百万円改善)、経常損失が400百万円(前期から257百万円改善)、親会社株主に帰属する当期純損失が500百万円(前期から445百万円改善)としている。売上高・各利益ともに上期の好業績により上方修正された。営業利益面では、尻上がりに回復傾向が鮮明となる見込みである。特に服飾雑貨事業の収益性の改善が顕著となる。原材料価格の高騰、物流費の上昇、急激な円安等、いずれも輸入を主体とする同社にとってはマイナスの影響がある。ただし、原価高騰に関しては、販売価格への転嫁が可能な取引もある。また円安に関しては、為替の影響を受けない取引(海外拠点で製造し海外に販売する等)や為替予約などのリスク回避策なども活用しており、その影響は一定の軽減が可能である。内部要因に関しては、店舗の集約がほぼ完了し今後はセレクトショップ化で反転攻勢をかける方向性で動き出し、2024年3月期の黒字化に向けてさらなる業績の改善が期待できる。
3. 成長戦略
連結子会社(株)ベネクシーは従来「BIRKENSTOCK(ビルケンシュトック)」の専門店舗の運営を主力に展開してきたが、新しい戦略としてセレクトショップ化による事業再編の方向性が示された。この戦略の下、1)フットウェア事業拡充、2)「BIRKENSTOCK」専門店舗運営の段階的終了を実施する。今後は既存店舗の複合ブランドショップ(セレクトショップ)化及びオリジナルブランド創設を含めてフットウェアの流通・修理事業の拡充を目指す。この取り組みにより、季節に合わせたMD(マーチャンダイズ)構成が可能となり、これまでサンダルという商材の特性上、春夏の時期に集中していた収益上の繁閑格差の解消が期待できる。新しい複合ブランドショップとして有力視される店舗ブランドは、ベネクシーが運営する「Quorinest(クオリネスト)」である。「Quorinest」が「BIRKENSTOCK」を含むフットウェア商品を取り込んで進化する姿が1つのモデルとなるのか、今後の取り組みに期待したい。
4. 株主還元策
同社では、株主に対する適切な利益還元を経営の重要課題の1つと位置付けている。配当に関しては、企業理念である「随縁の思想」の下、同社と縁を紡ぐ株主が安心して株式を長期保有できるよう、可能な限り継続的に実施するとしている。コロナ禍の影響で業績が落ち込んだ2021年3月期からは年間配当20円として、一定の配当は維持する。2023年3月期においても、年間配当20円(中間10円実施済、期末10円予想)を予想する。
■Key Points
・2023年3月期第2四半期は、国内外の消費回復を追い風に増収。インフレ影響あるも構造改革が進み赤字幅が縮小
・自己資本比率は50%超、純資産100億円超。過去からの資本蓄積により財務の健全性を維持
・2023年3月期予想を上方修正。服飾雑貨事業の構造改革に目途、家電事業の改革を継続
・「BIRKENSTOCK」専門店舗運営を段階的に終了し、セレクトショップ化。環境ブランドのラインナップ拡充
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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