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日ダイナミク Research Memo(4):IT関連事業は大手優良顧客との強固な顧客基盤
配信日時:2022/12/19 15:24
配信元:FISCO
■事業概要
4. IT関連事業は大手優良企業との強固な顧客基盤
IT関連事業(システム開発事業、サポート&サービス事業)では、大手生損保、大手エネルギー会社、大手メーカーなど、大手優良企業との強固な顧客基盤を構築している。長期継続取引が多いことも特徴である。システム開発業界は、中堅企業が大手SI(システム・インテグレータ)企業の下請けとなる2次請け・3次請け受託の多い業界構造だが、日本コンピュータ・ダイナミクス<4783>の場合はエンドユーザーとの直接取引(一次受託)が8割以上を占めている。同社の技術力・品質力の高さを示す数字と言えるだろう。
また大手優良企業との長期継続取引が多いため、開発・構築したシステムの保守・運用等のストック売上も積み上がっている。他社開発案件の保守・運用受託を含めて、IT関連事業におけるストック売上比率が7割以上(2023年3月期上期)を占め、安定収益構造となっていることも特徴だ。
パーキングシステムは電磁ロック式駐輪場管理・運営が主力
5. パーキングシステム事業
パーキングシステム事業は、電磁ロック式の駐輪機器販売及び駐輪場管理運営を主力としている。ITを活用することで駐輪場の管理運営業務を省力化・効率化するだけでなく、全国の街から放置自転車等の駐輪問題をなくし、交通混雑緩和対策、土地有効活用、地域・街づくり、CO2(二酸化炭素)排出削減による地球環境改善などにも貢献するビジネスである。
放置自転車問題を解決することを目指し、1992年に当時の新技術であった2次元コードでの月極駐輪場管理方法を提案し、これをきっかけに1997年よりパーキングシステム事業を開始、1999年からNCD駐輪場の設置を開始した。当初は電磁ロック式駐輪機器や料金精算機の売り切りが中心だったが、培ってきたIT技術を生かして遠隔操作による駐輪場の無人管理を実現し、月極が主流だった駐輪場業界において、コイン駐輪場(時間貸し無人駐輪場)のパイオニアとして事業を拡大した。
具体的には主力の時間貸し無人駐輪場「EcoStation21」(1999年~)や、月極駐輪場「ECOPOOL」(2013年~)などの駐輪サービスを、首都圏の駅周辺を中心として、関西、中部、九州地区等に展開(関西、中部はパートナー企業に運営委託)し、駅周辺、商業施設、地方自治体管理の駐輪場を網羅している。売上分類は「機器販売」「管理運営」「その他」としている。管理運営の区分としては、商業施設等の民間企業との契約に基づいて自社で管理運営する「自営駐輪場」、自治体からの指定管理者として管理運営する「指定管理」、鉄道会社や自治体等が運営する駐輪場を管理受託する「受託」がある。
放置自転車削減に貢献するとして全国の自治体、鉄道会社、商業施設などに幅広く支持され、電磁ロック式の駐輪場設置台数として国内最大級である。2022年10月1日現在のNCD駐輪場管理箇所数は2,140箇所、管理台数は661,343台となった。なお、自治体との取引では、自治体から指定管理者に選定され、官民協働による施設の設置・運営を行って自治体とともに街づくりを支援している。
代表的な導入事例としては、2007年歩道上駐輪場の先駆けとなった渋谷区あおい通り(新宿駅)、2011年最大3,000台規模の辻堂駅・テラスモール湘南、2018年渋谷地区再開発案件の渋谷ストリーム、2019年赤羽駅東口、2019年東急グループ再開発案件の南町田グランベリーパーク、2020年西武グループ再開発案件のグランエミオ所沢などがある。2021年4月には東京都江戸川区内の4駅(船堀駅、西葛西駅、葛西駅、葛西臨海公園駅)において、江戸川区が駅前放置自転車対策の一環として整備した駐輪場の指定管理者に選定され、15ヶ所22,900台分の駐輪場とレンタサイクル770台の管理運営を開始した。
2022年4月には4自治体(新宿区、板橋区、品川区、川崎市)において駐輪場管理運営事業者に選定され、合計246ヶ所・約58,000台の駐輪場管理運営を開始した。また、野村不動産(株)と協業して大型商業施設「KAMEIDO CLOCK(カメイドクロック)」内に合計1,244台の駐輪場を開設した。2022年6月には立川市魅力発信拠点施設コトリンク内の自転車等駐車場合計1,820台の管理運営を開始した。
ユーザー利便性向上や運営管理コスト削減に向けて、2019年11月には一部施設において駐輪場キャッシュレス決済サービス(精算機操作不要)を開始した。集金・メンテナンス回数が減少するため管理コストを削減できる。タッチレス精算のためコロナ禍の感染対策としても好評であり、順次導入を拡大する方針だ。また2022年2月には、駐輪場における利用者サービスの一環として、駐輪場への荷物受取専用ロッカー「Amazonロッカー」のサービスを開始した。宅配便の再配達の削減につながりCO2削減にも貢献する。
なお、パーキングシステム事業の収益力向上に向けたBPR(Business Process Re-engineering=ビジネスプロセス・リエンジニアリング=業務改革)推進の進捗状況としては、業務プロセス・要員フォーメーションの再設計では、駐輪場でのチャットボットによる問い合わせサービスを2023年3月期第2四半期までに400ヶ所以上の駐輪場に導入した。グループ子会社の役割強化による工事等周辺業務の内製化促進では、駐輪機器設置工事・周辺工事をNCDプロスに集約したほか、指定管理現場を中心に集金業務の内製化も進展している。利用料金体系の合理化(料金改定)及びキャッシュレス決済の拡大では、QRコード決済導入現場が2023年3月期第2四半期時点で200ヶ所以上に拡大し、QRコード決済金額は約1.8倍(2022年3月実績との比較)に増加した。デベロッパー・設計事務所など新たな販路開拓では、デベロッパーとの連携強化によって2023年3月期第2四半期に代官山、平井などの再開発案件を受注した。利用料金体系の合理化については時間を要するものの、概ね順調な進捗と弊社では評価している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
<SI>
4. IT関連事業は大手優良企業との強固な顧客基盤
IT関連事業(システム開発事業、サポート&サービス事業)では、大手生損保、大手エネルギー会社、大手メーカーなど、大手優良企業との強固な顧客基盤を構築している。長期継続取引が多いことも特徴である。システム開発業界は、中堅企業が大手SI(システム・インテグレータ)企業の下請けとなる2次請け・3次請け受託の多い業界構造だが、日本コンピュータ・ダイナミクス<4783>の場合はエンドユーザーとの直接取引(一次受託)が8割以上を占めている。同社の技術力・品質力の高さを示す数字と言えるだろう。
また大手優良企業との長期継続取引が多いため、開発・構築したシステムの保守・運用等のストック売上も積み上がっている。他社開発案件の保守・運用受託を含めて、IT関連事業におけるストック売上比率が7割以上(2023年3月期上期)を占め、安定収益構造となっていることも特徴だ。
パーキングシステムは電磁ロック式駐輪場管理・運営が主力
5. パーキングシステム事業
パーキングシステム事業は、電磁ロック式の駐輪機器販売及び駐輪場管理運営を主力としている。ITを活用することで駐輪場の管理運営業務を省力化・効率化するだけでなく、全国の街から放置自転車等の駐輪問題をなくし、交通混雑緩和対策、土地有効活用、地域・街づくり、CO2(二酸化炭素)排出削減による地球環境改善などにも貢献するビジネスである。
放置自転車問題を解決することを目指し、1992年に当時の新技術であった2次元コードでの月極駐輪場管理方法を提案し、これをきっかけに1997年よりパーキングシステム事業を開始、1999年からNCD駐輪場の設置を開始した。当初は電磁ロック式駐輪機器や料金精算機の売り切りが中心だったが、培ってきたIT技術を生かして遠隔操作による駐輪場の無人管理を実現し、月極が主流だった駐輪場業界において、コイン駐輪場(時間貸し無人駐輪場)のパイオニアとして事業を拡大した。
具体的には主力の時間貸し無人駐輪場「EcoStation21」(1999年~)や、月極駐輪場「ECOPOOL」(2013年~)などの駐輪サービスを、首都圏の駅周辺を中心として、関西、中部、九州地区等に展開(関西、中部はパートナー企業に運営委託)し、駅周辺、商業施設、地方自治体管理の駐輪場を網羅している。売上分類は「機器販売」「管理運営」「その他」としている。管理運営の区分としては、商業施設等の民間企業との契約に基づいて自社で管理運営する「自営駐輪場」、自治体からの指定管理者として管理運営する「指定管理」、鉄道会社や自治体等が運営する駐輪場を管理受託する「受託」がある。
放置自転車削減に貢献するとして全国の自治体、鉄道会社、商業施設などに幅広く支持され、電磁ロック式の駐輪場設置台数として国内最大級である。2022年10月1日現在のNCD駐輪場管理箇所数は2,140箇所、管理台数は661,343台となった。なお、自治体との取引では、自治体から指定管理者に選定され、官民協働による施設の設置・運営を行って自治体とともに街づくりを支援している。
代表的な導入事例としては、2007年歩道上駐輪場の先駆けとなった渋谷区あおい通り(新宿駅)、2011年最大3,000台規模の辻堂駅・テラスモール湘南、2018年渋谷地区再開発案件の渋谷ストリーム、2019年赤羽駅東口、2019年東急グループ再開発案件の南町田グランベリーパーク、2020年西武グループ再開発案件のグランエミオ所沢などがある。2021年4月には東京都江戸川区内の4駅(船堀駅、西葛西駅、葛西駅、葛西臨海公園駅)において、江戸川区が駅前放置自転車対策の一環として整備した駐輪場の指定管理者に選定され、15ヶ所22,900台分の駐輪場とレンタサイクル770台の管理運営を開始した。
2022年4月には4自治体(新宿区、板橋区、品川区、川崎市)において駐輪場管理運営事業者に選定され、合計246ヶ所・約58,000台の駐輪場管理運営を開始した。また、野村不動産(株)と協業して大型商業施設「KAMEIDO CLOCK(カメイドクロック)」内に合計1,244台の駐輪場を開設した。2022年6月には立川市魅力発信拠点施設コトリンク内の自転車等駐車場合計1,820台の管理運営を開始した。
ユーザー利便性向上や運営管理コスト削減に向けて、2019年11月には一部施設において駐輪場キャッシュレス決済サービス(精算機操作不要)を開始した。集金・メンテナンス回数が減少するため管理コストを削減できる。タッチレス精算のためコロナ禍の感染対策としても好評であり、順次導入を拡大する方針だ。また2022年2月には、駐輪場における利用者サービスの一環として、駐輪場への荷物受取専用ロッカー「Amazonロッカー」のサービスを開始した。宅配便の再配達の削減につながりCO2削減にも貢献する。
なお、パーキングシステム事業の収益力向上に向けたBPR(Business Process Re-engineering=ビジネスプロセス・リエンジニアリング=業務改革)推進の進捗状況としては、業務プロセス・要員フォーメーションの再設計では、駐輪場でのチャットボットによる問い合わせサービスを2023年3月期第2四半期までに400ヶ所以上の駐輪場に導入した。グループ子会社の役割強化による工事等周辺業務の内製化促進では、駐輪機器設置工事・周辺工事をNCDプロスに集約したほか、指定管理現場を中心に集金業務の内製化も進展している。利用料金体系の合理化(料金改定)及びキャッシュレス決済の拡大では、QRコード決済導入現場が2023年3月期第2四半期時点で200ヶ所以上に拡大し、QRコード決済金額は約1.8倍(2022年3月実績との比較)に増加した。デベロッパー・設計事務所など新たな販路開拓では、デベロッパーとの連携強化によって2023年3月期第2四半期に代官山、平井などの再開発案件を受注した。利用料金体系の合理化については時間を要するものの、概ね順調な進捗と弊社では評価している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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