ランチタイムコメント
日経平均は大幅続落、景気減速下での高金利継続シナリオが重荷
配信日時:2022/12/16 12:14
配信元:FISCO
日経平均は大幅続落。431.04円安の27620.66円(出来高概算5億2879万株)で前場の取引を終えている。
15日の米株式市場でダウ平均は764.13ドル安(−2.24%)と大幅続落。米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を高水準で長期にわたり維持する計画が示されたことに続き、欧州中央銀行(ECB)も定例理事会で当面利上げを継続する必要があるとタカ派色を強めたため、売りが先行して始まった。米11月小売売上高など経済指標が軒並み低調だったことも景気後退懸念を強め、終盤まで下げ幅を拡大した。ナスダック総合指数も−3.22%と大幅続落。米国株安を引き継いで日経平均は345円安からスタート。売り先行後は心理的な節目の27500円を手前に下げ渋っていたが、ほとんど買い戻しは入らず、安値圏での底這いが続き、前場後半に27582.37円(469.33円安)と本日の安値を付けた。
個別では、レーザーテック<6920>、東エレク<8035>、アドバンテスト<6857>の半導体、ソフトバンクG<9984>、メルカリ<4385>、エムスリー<2413>、SHIFT<3697>のグロース株、ファーストリテ<9983>、信越化<4063>、ダイキン<6367>、HOYA<7741>の値がさ株が大きく下落。
一方、郵船<9101>、商船三井<9104>、川崎汽船<9107>の海運は高い配当利回りがディフェンシブ性を帯びてか上昇。三菱UFJ<8306>、三井住友<8316>、東京海上<8766>、JT<2914>などその他の高配当利回り銘柄も堅調。東芝<6502>は、三井住友銀行やみずほ銀行が日本産業パートナーズによる同社の買収提案に対して総額1兆2000億円規模の融資をする方針と伝わり上昇。業績予想を上方修正したサイボウズ<4776>、今期大幅増益見通しのパーク24<4666>は急伸。上期堅調決算のアスクル<2678>も大幅高。神戸物産<3038>は今期見通しが市場予想を下振れも、保守的な計画は想定線であく抜け感が優勢となっている。
セクターでは電気機器、精密機器、機械が下落率上位となった一方、銀行、海運、不動産が上昇率上位となった。東証プライム市場の値下がり銘柄は全体の61%、対して値上がり銘柄は33%となっている。
日経平均は大幅に下落し、心理的な節目の28000円や25日移動平均線を明確に下放れた。一方、27500円や75日線、26週線、13週線が下値支持帯として意識され、下げ渋る動きも見せている。しかし、米S&P500種株価指数は13日の一時200日超えをピークに、綺麗に再び下落基調にあり、テクニカル面では今後も売りが続く可能性が高い。米国株が下値模索の展開となった場合、日経平均も上記のサポート水準を下抜ける可能性があろう。日経平均27300−27500円のレンジには日足、週足の主要移動平均線が集中しているため、ここを下抜けてしまうと、商品投資顧問(CTA)などトレンドフォロー型ファンドの売りが膨らむ可能性があり、注意したい。
15日、欧州中央銀行(ECB)も米連邦準備制度理事会(FRB)に続き、0.5ptへと幅を縮小した上で追加利上げを決定した。ただ、ラガルド総裁はインフレの水準は依然高すぎるとし、沈静化に向けて同様の利上げがしばらく続くと投資家に警告。今回の利上げ幅の縮小を「ECBの政策転換だと考えるのは誤りだ」とタカ派な姿勢を強調した。
一方、米11月小売売上高は前月比−0.6%と市場予想(−0.2%)を大幅に下回り、10月(+1.3%)から大幅に減速。自動車とガソリンを除いた基準でも−0.2%と市場予想(+0.0%)と10月(+0.8%)を大きく下回った。また、米11月鉱工業生産も前月比−0.2%と市場予想(+0.0%)を下振れた。さらに、企業のセンチメントを示すニューヨーク連銀製造業景気指数は−11.2と予想(−1.0)を大幅に下振れ、フィラデルフィア連銀景況指数も−13.8と予想(−10.0)を下振れた。
インフレは既に伸び率ではピークアウトしているものの、水準としては依然として各国中央銀行の目標を大幅に上回っている。世界的な金融引き締めが長期化する公算が大きくなっている一方で、経済指標には減速の兆しが見られはじめていて、今後は来年前半にかけて、景気後退・企業業績悪化を織り込む動きが加速していきそうだ。
(仲村幸浩)
<AK>
15日の米株式市場でダウ平均は764.13ドル安(−2.24%)と大幅続落。米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を高水準で長期にわたり維持する計画が示されたことに続き、欧州中央銀行(ECB)も定例理事会で当面利上げを継続する必要があるとタカ派色を強めたため、売りが先行して始まった。米11月小売売上高など経済指標が軒並み低調だったことも景気後退懸念を強め、終盤まで下げ幅を拡大した。ナスダック総合指数も−3.22%と大幅続落。米国株安を引き継いで日経平均は345円安からスタート。売り先行後は心理的な節目の27500円を手前に下げ渋っていたが、ほとんど買い戻しは入らず、安値圏での底這いが続き、前場後半に27582.37円(469.33円安)と本日の安値を付けた。
個別では、レーザーテック<6920>、東エレク<8035>、アドバンテスト<6857>の半導体、ソフトバンクG<9984>、メルカリ<4385>、エムスリー<2413>、SHIFT<3697>のグロース株、ファーストリテ<9983>、信越化<4063>、ダイキン<6367>、HOYA<7741>の値がさ株が大きく下落。
一方、郵船<9101>、商船三井<9104>、川崎汽船<9107>の海運は高い配当利回りがディフェンシブ性を帯びてか上昇。三菱UFJ<8306>、三井住友<8316>、東京海上<8766>、JT<2914>などその他の高配当利回り銘柄も堅調。東芝<6502>は、三井住友銀行やみずほ銀行が日本産業パートナーズによる同社の買収提案に対して総額1兆2000億円規模の融資をする方針と伝わり上昇。業績予想を上方修正したサイボウズ<4776>、今期大幅増益見通しのパーク24<4666>は急伸。上期堅調決算のアスクル<2678>も大幅高。神戸物産<3038>は今期見通しが市場予想を下振れも、保守的な計画は想定線であく抜け感が優勢となっている。
セクターでは電気機器、精密機器、機械が下落率上位となった一方、銀行、海運、不動産が上昇率上位となった。東証プライム市場の値下がり銘柄は全体の61%、対して値上がり銘柄は33%となっている。
日経平均は大幅に下落し、心理的な節目の28000円や25日移動平均線を明確に下放れた。一方、27500円や75日線、26週線、13週線が下値支持帯として意識され、下げ渋る動きも見せている。しかし、米S&P500種株価指数は13日の一時200日超えをピークに、綺麗に再び下落基調にあり、テクニカル面では今後も売りが続く可能性が高い。米国株が下値模索の展開となった場合、日経平均も上記のサポート水準を下抜ける可能性があろう。日経平均27300−27500円のレンジには日足、週足の主要移動平均線が集中しているため、ここを下抜けてしまうと、商品投資顧問(CTA)などトレンドフォロー型ファンドの売りが膨らむ可能性があり、注意したい。
15日、欧州中央銀行(ECB)も米連邦準備制度理事会(FRB)に続き、0.5ptへと幅を縮小した上で追加利上げを決定した。ただ、ラガルド総裁はインフレの水準は依然高すぎるとし、沈静化に向けて同様の利上げがしばらく続くと投資家に警告。今回の利上げ幅の縮小を「ECBの政策転換だと考えるのは誤りだ」とタカ派な姿勢を強調した。
一方、米11月小売売上高は前月比−0.6%と市場予想(−0.2%)を大幅に下回り、10月(+1.3%)から大幅に減速。自動車とガソリンを除いた基準でも−0.2%と市場予想(+0.0%)と10月(+0.8%)を大きく下回った。また、米11月鉱工業生産も前月比−0.2%と市場予想(+0.0%)を下振れた。さらに、企業のセンチメントを示すニューヨーク連銀製造業景気指数は−11.2と予想(−1.0)を大幅に下振れ、フィラデルフィア連銀景況指数も−13.8と予想(−10.0)を下振れた。
インフレは既に伸び率ではピークアウトしているものの、水準としては依然として各国中央銀行の目標を大幅に上回っている。世界的な金融引き締めが長期化する公算が大きくなっている一方で、経済指標には減速の兆しが見られはじめていて、今後は来年前半にかけて、景気後退・企業業績悪化を織り込む動きが加速していきそうだ。
(仲村幸浩)
<AK>
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