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中国の年末輸出、今年は低調か 世界的な需要低迷で

配信日時:2022/11/11 12:36 配信元:REUTERS

[北京 10日 ロイター] - 中国の輸出は例年なら年末の時期に大きく増えるが、今年は世界的な需要低迷のあおりを受け、低調にとどまる恐れがある。新型コロナウイルス感染防止のための制限措置や、不動産部門の停滞、内需の減退によって既に打撃を被っている中国経済にとって唯一の光明であった輸出は、先行きが危ぶまれている。

10月の輸出は予想に反して2020年5月以降で初めて減少し、11─12月期の不振を示唆した。外国の顧客は通常、1月もしくは2月に中国の工場が春節(旧正月)で休業となる前に発注するため、例年は年末に輸出がピークに達する。

ロイターの税関統計に基づく推計では、10月の品目別の輸出は玩具が前年同月比17.9%減となり、9月の9.7%減から落ち込みが加速。衣料品は9月の4.4%減から16.9%減に、家電は19.8%減から25%減になった。

今年の夏場時点で、輸出業者に対する恒例のクリスマス前の注文急増が見られなかった。アナリストは、世界的な景気後退のリスクや中国の厳格な新型コロナウイルス感染防止措置が向こう数カ月にわたって輸出を抑制すると予想。中国経済が10-12月に持ち直すとの期待は水が差されつつある。

上海を拠点に電気製品の欧州への輸出を手がけるQi Yong氏は、輸出が「これほど強く圧迫されたことはなかった」と指摘。ロシアのウクライナ侵攻により、欧州では日常的に必要とされない電気製品などへの支出が手控えられていると話した。

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