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霞ヶ関キャピタル Research Memo(3):物流施設開発用地や賃貸マンションの売却が収益に寄与
配信日時:2022/11/09 17:43
配信元:FISCO
■業績動向
1. 2022年8月期の業績概要
2022年8月期の日本経済は、コロナ禍の影響による行動制限が緩和され社会経済活動の正常化に向けた動きが進んだことで、外食業や宿泊業、小売業などを中心に緩やかながらも改善の兆しがみられた。一方で、新たな変異株による感染再拡大の懸念や、ウクライナ・ロシア情勢の緊迫化など地政学的な問題や原材料価格の高騰、外為市場の急速な円安など様々なリスクが集積しており、依然として先行き不透明な状況が続いている。霞ヶ関キャピタル<3498>の主たる事業領域である不動産市場においても、ホテルや商業施設等のアセットは稼働率の改善が顕著にみられるものの投資環境・融資環境は今もなお大きな影響を受けている一方で、コロナ禍による影響が限定的又は追い風となった賃貸マンションや物流施設といったアセットは引き続き国内外問わず投資意欲が強い状況が継続している。
このような状況のなか、同社は引き続き社会的潮流に着目した成長性及び社会的意義のある事業分野への投資及びコンサルティングに注力するとともに、投資機会の創出及び投資案件の収益最大化に努めた。その結果、2022年8月期の連結業績は、売上高20,780百万円(前期比45.4%増)、営業利益2,141百万円(同61.2%増)、経常利益1,732百万円(同67.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,018百万円(同28.3%増)の大幅増収増益となり、過去最高の売上高・利益を達成した。
なお、レジデンスファンドの組成にあたり、当初同社は売買のアレンジのみを担う予定だったが、売買タイミング等の要因により同社が一旦物件を取得し、その後ファンドに売却する方式に変更となったことから、2022年4月に売上高のみ上方修正した。一方、期初計画ではサプライチェーンの遅延及び世界的なインフレ、原材料費の高騰を織り込み、保守的な利益計画をベースとして期初計画を立案していたが、建築コスト見直しにより利益改善に成功しており、これらの結果、2022年4月に発表した修正予想比では、売上高は1,719百万円下回った。一方、利益段階では、事業規模の拡大や移動制限の解除に合わせた積極的な営業活動の展開に伴い人件費や交通費などの販管費が増加したものの、新規案件や新規取引先、投資家などの開拓・獲得に成功したことで、営業利益は291百万円、経常利益は232百万円それぞれ修正予想を上回って着地した。また、修正予想では利益率を保守的に見積もっていたが、コスト高に対して対策チームを立ち上げ建築コストを見直したことで、1件当たりの利益が増加したことも増益に寄与した。
なお、親会社株主に帰属する当期純利益の増益率が営業利益及び経常利益と比較し小幅にとどまったが、これは2022年3月に発生した福島県沖地震により所有している宮城県のショッピングセンターが被災し、原状回復コストとして245百万円の特別損失を計上したことによる。
セグメント別に見ると、不動産コンサルティング事業では、投資用不動産の売買及び投資家に対するコンサルティング受託や、保有するショッピングセンターフォルテにおける各テナントからの賃料収入により、売上高は20,726百万円(前期比49.8%増)、セグメント利益は4,310百万円(同49.3%増)となった。一方、自然エネルギー事業では、太陽光発電案件の売却等により、売上高は54百万円(同88.1%減)、セグメント損失は23百万円(前期は8百万円の利益)となった。なお、自然エネルギー事業については、既述のとおり太陽光発電が成熟市場となり採算が取れにくくなっていることから、今後は風力発電施設開発を強化する方針である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
<NS>
1. 2022年8月期の業績概要
2022年8月期の日本経済は、コロナ禍の影響による行動制限が緩和され社会経済活動の正常化に向けた動きが進んだことで、外食業や宿泊業、小売業などを中心に緩やかながらも改善の兆しがみられた。一方で、新たな変異株による感染再拡大の懸念や、ウクライナ・ロシア情勢の緊迫化など地政学的な問題や原材料価格の高騰、外為市場の急速な円安など様々なリスクが集積しており、依然として先行き不透明な状況が続いている。霞ヶ関キャピタル<3498>の主たる事業領域である不動産市場においても、ホテルや商業施設等のアセットは稼働率の改善が顕著にみられるものの投資環境・融資環境は今もなお大きな影響を受けている一方で、コロナ禍による影響が限定的又は追い風となった賃貸マンションや物流施設といったアセットは引き続き国内外問わず投資意欲が強い状況が継続している。
このような状況のなか、同社は引き続き社会的潮流に着目した成長性及び社会的意義のある事業分野への投資及びコンサルティングに注力するとともに、投資機会の創出及び投資案件の収益最大化に努めた。その結果、2022年8月期の連結業績は、売上高20,780百万円(前期比45.4%増)、営業利益2,141百万円(同61.2%増)、経常利益1,732百万円(同67.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,018百万円(同28.3%増)の大幅増収増益となり、過去最高の売上高・利益を達成した。
なお、レジデンスファンドの組成にあたり、当初同社は売買のアレンジのみを担う予定だったが、売買タイミング等の要因により同社が一旦物件を取得し、その後ファンドに売却する方式に変更となったことから、2022年4月に売上高のみ上方修正した。一方、期初計画ではサプライチェーンの遅延及び世界的なインフレ、原材料費の高騰を織り込み、保守的な利益計画をベースとして期初計画を立案していたが、建築コスト見直しにより利益改善に成功しており、これらの結果、2022年4月に発表した修正予想比では、売上高は1,719百万円下回った。一方、利益段階では、事業規模の拡大や移動制限の解除に合わせた積極的な営業活動の展開に伴い人件費や交通費などの販管費が増加したものの、新規案件や新規取引先、投資家などの開拓・獲得に成功したことで、営業利益は291百万円、経常利益は232百万円それぞれ修正予想を上回って着地した。また、修正予想では利益率を保守的に見積もっていたが、コスト高に対して対策チームを立ち上げ建築コストを見直したことで、1件当たりの利益が増加したことも増益に寄与した。
なお、親会社株主に帰属する当期純利益の増益率が営業利益及び経常利益と比較し小幅にとどまったが、これは2022年3月に発生した福島県沖地震により所有している宮城県のショッピングセンターが被災し、原状回復コストとして245百万円の特別損失を計上したことによる。
セグメント別に見ると、不動産コンサルティング事業では、投資用不動産の売買及び投資家に対するコンサルティング受託や、保有するショッピングセンターフォルテにおける各テナントからの賃料収入により、売上高は20,726百万円(前期比49.8%増)、セグメント利益は4,310百万円(同49.3%増)となった。一方、自然エネルギー事業では、太陽光発電案件の売却等により、売上高は54百万円(同88.1%減)、セグメント損失は23百万円(前期は8百万円の利益)となった。なお、自然エネルギー事業については、既述のとおり太陽光発電が成熟市場となり採算が取れにくくなっていることから、今後は風力発電施設開発を強化する方針である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
<NS>
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