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年金資金の景気対策への活用再考を、豪最大の基金が政府に警鐘

配信日時:2022/11/08 14:35 配信元:REUTERS

[シドニー 8日 ロイター] - 経済的な課題に対処し世界的なリセッション(景気後退)に備えるべく、各国政府が国民の年金を活用する動きを強めていることに対して、オーストラリア最大の年金基金のトップが警鐘を鳴らした。

オーストラリアの年金残高は世界第3位の規模であり、「スーパーアニュエーション」と呼ばれる私的年金制度の残高はこの30年間に1480億ドルから3兆3000億ドル超へと大幅に増加している。

2600億豪ドルの年金資産を運用するオーストラリアンスーパーのポール・シュローダー最高経営責任者(CEO)は、シドニーでの会合で「経済のトラウマへの対応や何かを建設する必要がある場合に、世界中の政府が年金基金を活用すると表明することは恐怖だ」とした上で「それは安直な政治であり、社会にとって恐ろしいことだ」と述べた。

豪州の中道左派政権は、超富裕層の年金基金への減税措置を縮小する計画を打ち出している。豪政府は先月は、低価格住宅の建設プロジェクトへの投資を検討することで、年金基金と合意に達したとしている。

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