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ダイキアクシス Research Memo(1):「水」ビジネスを軸とし、海外事業の急拡大を企図する
配信日時:2022/11/02 15:21
配信元:FISCO
■要約
ダイキアクシス<4245>は、コーポレートスローガンである「PROTECT×CHANGE 環境を守る。未来を変える。」を体現するESG経営を推進している。社業などを通じてSDGs(持続可能な開発目標)のうち6つの目標実現に取り組んでいる。その最たるものがSDGsの6番目「水・衛生:安全な水とトイレを世界中に。すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する」である。「水」に関連した事業を軸として、世界の環境を守り持続可能な社会と未来を創造するため、海外事業の急拡大にフォーカスしている。
1. 2022年12月期第2四半期の実績と通期予想
2022年12月期第2四半期は、売上高が前年同期比5.1%増の20,091百万円、経常利益が同18.7%減の703百万円となった。減益の主たる要因は、経費の増加である。人件費や輸送費、旅費・交通費の増加、インド新工場稼働に向けた工場要員の先行採用、のれん償却費を含む新子会社2社の連結化による費用増などである。
2022年12月期の通期は期初予想を据え置いた。連結売上高が前期比5.8%増の40,000百万円、経常利益が同0.1%減の1,300百万円と過去最高益水準の維持を見込む。
2. 海外事業の急拡大
現中期経営計画では、海外事業、とりわけインドでの事業拡大に経営リソースを集中している。海外売上高は、2021年12月期の1,489百万円から中計最終年度の2025年12月期に4,000百万円への拡大を計画しており、2030年12月期には、さらに倍増の8,000百万円を目指す。インドの同社浄化槽に対する需要は新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)にもかかわらず増加傾向にあり、現地委託工場の生産能力(年360台)では間に合わず、不足分を自社グループのインドネシア工場からの輸入でまかなっている。そこでインド・デリーに自社の新工場を建設し、2022年11月に稼働開始する予定である。新工場の生産能力は年350台でスタートし、最終的に600台に引き上げる。また2025年12月期には第2自社工場の稼働も計画している。インドの代理店数は、2019年12月期末の11社から当第2四半期末には25社へ増加ており、代理店と組んで、販売と生産のセットで市場開拓を進める。
インドの人口は14億人と日本の11倍、国土面積は328万m2と約9倍である。1人当たり名目GDPが2,000ドルを超え、日本における下水道整備が進んだ経済発展時期にあたり、「クリーン・インディア」の国策の下、積極的に下水道施設の整備を進めている。2017年時点の下水道普及率は20%弱にとどまっており、生活排水処理のキャパシティ不足が都市化のスピードを妨げないための手段として、インド政府は浄化槽の導入がコスト・スピード面で最適であると評価した。同社の浄化槽は、中央政府による分散型汚水処理に関する推奨認可第1号となり、地域ごとの評価認定が不要となった。また、エコ認証第1号も取得し、インド商工会議所連合会から、Water AwardのInnovation in Water Technology部門で日本企業として初の金賞を授与された。インド工科大学とは、分散型汚水処理方法に関連した実証試験及び共同研究の契約を締結しており、インドにおける人材教育にも力を入れ、他の国・地域にも展開できるロールモデルを築いている。
3. M&Aなどにより再生可能エネルギー関連事業の提案力を高める
2050年のカーボンニュートラル実現は、国家目標から具体的な企業活動に広がってきた。同社は、再生可能エネルギー関連事業として、M&Aにより顧客ニーズに対応した提案ができるようグループ機能を強化している。同社再生可能エネルギー関連事業は、バイオディーゼル燃料(BDF)、太陽光発電、風力発電により構成される。2002年より開始したBDF事業は、使用済み植物系食用油を回収してバイオディーゼル燃料に精製し、軽油などの代替燃料として再利用することから「カーボンニュートラル」になる。同社はこれまで愛媛県を中心に活動してきたが、人口の多い関東圏への進出を検討している。太陽光発電に係る売電は、ホームセンター「DCM」130ヶ所店舗屋根を賃借利用した運営が安定収益源となっている。2021年10月の(株)サンエイエコホーム買収により、太陽光発電設備を主とする再生可能エネルギーを用いた発電システムの設計・施工・販売・維持管理の機能を手中に収めた。売電事業だけでなく、店舗駐車場用に低コストのソーラーカーポート設置や、EV充電スタンドと太陽光発電システムの組み合わせなどの開発を提案できるようになった。小形風力発電による売電事業は、高額FITのIDを取得し、系統連携を2022年12月期末までに24サイトへ増やす計画だ。2025年12月期末には70サイトを目指す。小形風力発電機の開発では、環境省のCO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業において、ゼファー(株)、リコージャパン(株)(リコー<7752>の子会社)、同社子会社の3社が共同実施者として参画している。社会受容性の高い定格出力50kWの風力発電機を開発中である。
■Key Points
・インド・デリーに自社工場を建設し大躍進を図る
・2022年12月期の通期経常利益は過去最高水準を維持する予想
・海外売上高は2030年12月期に80億円を目標とする
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
<NS>
ダイキアクシス<4245>は、コーポレートスローガンである「PROTECT×CHANGE 環境を守る。未来を変える。」を体現するESG経営を推進している。社業などを通じてSDGs(持続可能な開発目標)のうち6つの目標実現に取り組んでいる。その最たるものがSDGsの6番目「水・衛生:安全な水とトイレを世界中に。すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する」である。「水」に関連した事業を軸として、世界の環境を守り持続可能な社会と未来を創造するため、海外事業の急拡大にフォーカスしている。
1. 2022年12月期第2四半期の実績と通期予想
2022年12月期第2四半期は、売上高が前年同期比5.1%増の20,091百万円、経常利益が同18.7%減の703百万円となった。減益の主たる要因は、経費の増加である。人件費や輸送費、旅費・交通費の増加、インド新工場稼働に向けた工場要員の先行採用、のれん償却費を含む新子会社2社の連結化による費用増などである。
2022年12月期の通期は期初予想を据え置いた。連結売上高が前期比5.8%増の40,000百万円、経常利益が同0.1%減の1,300百万円と過去最高益水準の維持を見込む。
2. 海外事業の急拡大
現中期経営計画では、海外事業、とりわけインドでの事業拡大に経営リソースを集中している。海外売上高は、2021年12月期の1,489百万円から中計最終年度の2025年12月期に4,000百万円への拡大を計画しており、2030年12月期には、さらに倍増の8,000百万円を目指す。インドの同社浄化槽に対する需要は新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)にもかかわらず増加傾向にあり、現地委託工場の生産能力(年360台)では間に合わず、不足分を自社グループのインドネシア工場からの輸入でまかなっている。そこでインド・デリーに自社の新工場を建設し、2022年11月に稼働開始する予定である。新工場の生産能力は年350台でスタートし、最終的に600台に引き上げる。また2025年12月期には第2自社工場の稼働も計画している。インドの代理店数は、2019年12月期末の11社から当第2四半期末には25社へ増加ており、代理店と組んで、販売と生産のセットで市場開拓を進める。
インドの人口は14億人と日本の11倍、国土面積は328万m2と約9倍である。1人当たり名目GDPが2,000ドルを超え、日本における下水道整備が進んだ経済発展時期にあたり、「クリーン・インディア」の国策の下、積極的に下水道施設の整備を進めている。2017年時点の下水道普及率は20%弱にとどまっており、生活排水処理のキャパシティ不足が都市化のスピードを妨げないための手段として、インド政府は浄化槽の導入がコスト・スピード面で最適であると評価した。同社の浄化槽は、中央政府による分散型汚水処理に関する推奨認可第1号となり、地域ごとの評価認定が不要となった。また、エコ認証第1号も取得し、インド商工会議所連合会から、Water AwardのInnovation in Water Technology部門で日本企業として初の金賞を授与された。インド工科大学とは、分散型汚水処理方法に関連した実証試験及び共同研究の契約を締結しており、インドにおける人材教育にも力を入れ、他の国・地域にも展開できるロールモデルを築いている。
3. M&Aなどにより再生可能エネルギー関連事業の提案力を高める
2050年のカーボンニュートラル実現は、国家目標から具体的な企業活動に広がってきた。同社は、再生可能エネルギー関連事業として、M&Aにより顧客ニーズに対応した提案ができるようグループ機能を強化している。同社再生可能エネルギー関連事業は、バイオディーゼル燃料(BDF)、太陽光発電、風力発電により構成される。2002年より開始したBDF事業は、使用済み植物系食用油を回収してバイオディーゼル燃料に精製し、軽油などの代替燃料として再利用することから「カーボンニュートラル」になる。同社はこれまで愛媛県を中心に活動してきたが、人口の多い関東圏への進出を検討している。太陽光発電に係る売電は、ホームセンター「DCM」130ヶ所店舗屋根を賃借利用した運営が安定収益源となっている。2021年10月の(株)サンエイエコホーム買収により、太陽光発電設備を主とする再生可能エネルギーを用いた発電システムの設計・施工・販売・維持管理の機能を手中に収めた。売電事業だけでなく、店舗駐車場用に低コストのソーラーカーポート設置や、EV充電スタンドと太陽光発電システムの組み合わせなどの開発を提案できるようになった。小形風力発電による売電事業は、高額FITのIDを取得し、系統連携を2022年12月期末までに24サイトへ増やす計画だ。2025年12月期末には70サイトを目指す。小形風力発電機の開発では、環境省のCO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業において、ゼファー(株)、リコージャパン(株)(リコー<7752>の子会社)、同社子会社の3社が共同実施者として参画している。社会受容性の高い定格出力50kWの風力発電機を開発中である。
■Key Points
・インド・デリーに自社工場を建設し大躍進を図る
・2022年12月期の通期経常利益は過去最高水準を維持する予想
・海外売上高は2030年12月期に80億円を目標とする
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
<NS>
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