注目トピックス 日本株
平山 Research Memo(6):インソーシング・請負事業を中心にすべての事業セグメントで2ケタ増収を達成
配信日時:2022/10/26 16:06
配信元:FISCO
■平山ホールディングス<7781>の業績動向
2. 事業セグメント別動向
(1) インソーシング・派遣事業
インソーシング・派遣事業の売上高は前期比19.8%増の22,808百万円、セグメント利益は同9.4%増の1,371百万円となった。売上高は既存顧客の売上増に加えて新規顧客が増加したこと(取引稼働社数で前期比166社増の698社)、旺盛な需要に対応すべく営業拠点を下期に6拠点開設し(合計25ヶ所)、人員の増強を図ったことなどにより大幅増収となった。
主な業界別売上動向を見ると、医療機器・医薬品分野ではテルモ向けが前期比3.5%減の3,934百万円と若干減少したものの、グループ会社向けの受注が拡大したことにより、全体では堅調に推移した。食品業界向けはコロナ禍により第2四半期まで低迷していたが、第3四半期以降は外食企業向けを中心に受注が回復し、通期では同1割強の増収となった。自動車部品業界向けではトヨタグループやSUBARUグループ向けの取引シェアが拡大したこともあり、同6割増と大きく伸長した。そのほかOA機器向けを中心としたデジタル関連や建設機器・特殊車輛、小売・ホテル、住宅設備、物流業界向けも新規顧客の開拓が進んだこともあり、総じて2ケタ増収となった。
売上高営業利益率が6.0%と前期比で0.6ポイント低下したが、これは部品不足による顧客先工場の稼働一時停止に伴う機会損失の発生(休業中の人件費負担)や、旺盛な需要に対応するための積極的な拠点拡大※並びに人材採用を行ったことによる関連費用の増加が要因である。中途採用者数は短期雇用も含めて前期比35%増の5,238名、新卒採用は同26%増の520名となり、同事業セグメントにおける期末人員数(限定正社員、契約社員含む)は前期末比14%増の6,760名に拡大した。
※2022年1月以降、郡山、福井、福岡、名古屋、堺、厚木に営業所等を開設した。
(2) 技術者派遣事業
技術者派遣事業の売上高は前期比23.4%増の2,197百万円、セグメント利益は同49.2%減の6百万円となった。プラント設計や半導体、IT関連を中心とした旺盛な需要に対応すべく人員増強を積極的に進めたほか、配属前研修を拡充するなど教育にも注力した。こうした取り組みの成果により、取引稼働社数が前期比19社増の116社と拡大し、売上成長につながった。特にデータセンター向けITエンジニア派遣の売上については前期の308百万円から530百万円に拡大し、増収分の5割超を占めた。中途採用者数は前期比51%増の47名、新卒採用は同53%増の58名となり、期末の在籍技術者数は前期末比17%増の290名とそれぞれ過去最高を更新した。
利益面では2021年6月期より黒字化したITエンジニア派遣の収益貢献があったものの、採用費や教育費、人件費等の増加に加えて、外国人の入国制限が2022年3月以降緩和されたことに伴い、外国籍エンジニアが数十名、急遽入社したことによる紹介料、教育費、配属費用等の発生が減益要因となった。外国籍エンジニア関連の費用として約20百万円を計上しており、同要因がなければ増益だったことになる。
(3) 海外事業
海外事業の売上高は前期比39.9%増の2,223百万円、セグメント利益は49百万円(前期は44百万円の損失)となった。タイ経済の回復に伴い、自動車産業を中心に派遣需要が増加するなかで、同社では収益力の強化を目的に受注単価の引き上げと高利益率案件の獲得、並びに効率的な運営体制の構築に取り組んできたことが収益増につながった。売上高については3期振りの増収、セグメント利益は2016年6月期以降で初めて黒字化を実現した。
タイ子会社における期末従業員数は前期末比12%増の3,144名となり、今後についても3,000名前後の水準を維持して、利益を優先する事業運営を継続する方針である。
(4) その他事業
その他事業の売上高は前期比16.9%増の749百万円、セグメント利益で369.5%増の112百万円となった。顧客企業の新規工場設置ニーズを捉え、工場立ち上げ支援コンサルティングの売上が増加したほか、採算の良い訪問型現場改善コンサルティングの売上も2021年9月以降回復した。また、外国人の入国制限緩和を受けて、第4四半期に入って外国籍エンジニア及び技能実習生の受入れ及び配置が進んだことから、外国人雇用管理サポート事業の売上も回復し、増収増益要因となった。
コンサルティングサービスの売上高は約1億円、外国人雇用管理サポートサービスは約2億円と規模は小さいものの収益性は高く、これら2事業でその他事業の利益の大半を占める格好となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<SI>
2. 事業セグメント別動向
(1) インソーシング・派遣事業
インソーシング・派遣事業の売上高は前期比19.8%増の22,808百万円、セグメント利益は同9.4%増の1,371百万円となった。売上高は既存顧客の売上増に加えて新規顧客が増加したこと(取引稼働社数で前期比166社増の698社)、旺盛な需要に対応すべく営業拠点を下期に6拠点開設し(合計25ヶ所)、人員の増強を図ったことなどにより大幅増収となった。
主な業界別売上動向を見ると、医療機器・医薬品分野ではテルモ向けが前期比3.5%減の3,934百万円と若干減少したものの、グループ会社向けの受注が拡大したことにより、全体では堅調に推移した。食品業界向けはコロナ禍により第2四半期まで低迷していたが、第3四半期以降は外食企業向けを中心に受注が回復し、通期では同1割強の増収となった。自動車部品業界向けではトヨタグループやSUBARUグループ向けの取引シェアが拡大したこともあり、同6割増と大きく伸長した。そのほかOA機器向けを中心としたデジタル関連や建設機器・特殊車輛、小売・ホテル、住宅設備、物流業界向けも新規顧客の開拓が進んだこともあり、総じて2ケタ増収となった。
売上高営業利益率が6.0%と前期比で0.6ポイント低下したが、これは部品不足による顧客先工場の稼働一時停止に伴う機会損失の発生(休業中の人件費負担)や、旺盛な需要に対応するための積極的な拠点拡大※並びに人材採用を行ったことによる関連費用の増加が要因である。中途採用者数は短期雇用も含めて前期比35%増の5,238名、新卒採用は同26%増の520名となり、同事業セグメントにおける期末人員数(限定正社員、契約社員含む)は前期末比14%増の6,760名に拡大した。
※2022年1月以降、郡山、福井、福岡、名古屋、堺、厚木に営業所等を開設した。
(2) 技術者派遣事業
技術者派遣事業の売上高は前期比23.4%増の2,197百万円、セグメント利益は同49.2%減の6百万円となった。プラント設計や半導体、IT関連を中心とした旺盛な需要に対応すべく人員増強を積極的に進めたほか、配属前研修を拡充するなど教育にも注力した。こうした取り組みの成果により、取引稼働社数が前期比19社増の116社と拡大し、売上成長につながった。特にデータセンター向けITエンジニア派遣の売上については前期の308百万円から530百万円に拡大し、増収分の5割超を占めた。中途採用者数は前期比51%増の47名、新卒採用は同53%増の58名となり、期末の在籍技術者数は前期末比17%増の290名とそれぞれ過去最高を更新した。
利益面では2021年6月期より黒字化したITエンジニア派遣の収益貢献があったものの、採用費や教育費、人件費等の増加に加えて、外国人の入国制限が2022年3月以降緩和されたことに伴い、外国籍エンジニアが数十名、急遽入社したことによる紹介料、教育費、配属費用等の発生が減益要因となった。外国籍エンジニア関連の費用として約20百万円を計上しており、同要因がなければ増益だったことになる。
(3) 海外事業
海外事業の売上高は前期比39.9%増の2,223百万円、セグメント利益は49百万円(前期は44百万円の損失)となった。タイ経済の回復に伴い、自動車産業を中心に派遣需要が増加するなかで、同社では収益力の強化を目的に受注単価の引き上げと高利益率案件の獲得、並びに効率的な運営体制の構築に取り組んできたことが収益増につながった。売上高については3期振りの増収、セグメント利益は2016年6月期以降で初めて黒字化を実現した。
タイ子会社における期末従業員数は前期末比12%増の3,144名となり、今後についても3,000名前後の水準を維持して、利益を優先する事業運営を継続する方針である。
(4) その他事業
その他事業の売上高は前期比16.9%増の749百万円、セグメント利益で369.5%増の112百万円となった。顧客企業の新規工場設置ニーズを捉え、工場立ち上げ支援コンサルティングの売上が増加したほか、採算の良い訪問型現場改善コンサルティングの売上も2021年9月以降回復した。また、外国人の入国制限緩和を受けて、第4四半期に入って外国籍エンジニア及び技能実習生の受入れ及び配置が進んだことから、外国人雇用管理サポート事業の売上も回復し、増収増益要因となった。
コンサルティングサービスの売上高は約1億円、外国人雇用管理サポートサービスは約2億円と規模は小さいものの収益性は高く、これら2事業でその他事業の利益の大半を占める格好となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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