後場の投資戦略
日経平均は3日続伸、強い動きと裏腹に米IT大手の冴えない決算
配信日時:2022/10/26 12:20
配信元:FISCO
[日経平均株価・TOPIX(表)]
日経平均;27577.15;+326.87TOPIX;1925.27;+18.13
[後場の投資戦略]
本日の日経平均は大きく3日続伸し、節目の27500円を回復、75日移動平均線も超えてきた。10月3日をボトムに下値と上値を切り上げる形となっており、短期的には75日線突破からの上昇に勢いが付きやすい状況となってきた。
一方、本日の上昇は短期的なものに過ぎないとも言えそうだ。25日の米株式市場の取引終了後に決算を発表したマイクロソフトとアルファベットは共に市場の期待値を下回るものとなり、両者の株価は時間外取引で大きく下落している。マクロ景況感の悪化で企業の広告需要が落ち込むなか、アルファベットの決算がそれなりに冴えないものになることは想定されていた。しかし、広告企業の中でも、検索エンジン型の同社の広告収入は、ソーシャルネットワークサービス(SNS)企業に比べれば堅調と想定されていただけに、市場予想を10億ドル程下回った売上高などはネガティブな印象が強い。
GAFAMの中でも相対的に好調な決算が見込まれていたマイクロソフトも印象が良くない。パソコンメーカー向け基本ソフト「Windows(ウィンドウズ)」の販売が7−9月期は前年同期比で15%減と大きく減速した。また、好調が続いていたクラウドサービス事業の「Azure(アジュール)」の増収率もドル高の影響もあって35%と、前四半期
(4−6月)の40%、その前(1−3月)の46%からの減速傾向が鮮明になってきている。
さらに、半導体大手テキサス・インスツルメンツの決算もネガティブなものだった。10−12月期の売上高見通しが市場予想を下回ったほか、「産業機械メーカーの一部が発注を遅らせている」と言及しており、先んじて急速な調整を強いられているパソコンやスマートフォンなどの民生向け市場だけでない分野でも、半導体調整の波が押し寄せていることが確認された。
今晩26日の米株式市場では、メタ・プラットフォームズが決算発表を予定している。先週のスナップの決算を受けてすでに警戒感が高まっているが、堅調が期待されていたマイクロソフトとアルファベットが予想を下振れて株価下落しているあたり、メタの決算には改めて注意が必要だ。
一方で、本日の東京市場は時間外取引のナスダック100先物の大幅下落を無視する形で買い優勢の展開になっている。先週末、ウォールストリート・ジャーナル紙(WJ)
が米連邦準備制度理事会(FRB)の年内の利上げ幅縮小を示唆する記事を報じていたが、そうした中でも、米10年債利回りは一昨日24日に2008年7月以来の高水準を記録していた。金利の高止まりにより、WJの報道を素直に好感し切れていなかったところ、前日25日の米国市場で金利がようやく大きく低下したことが安心感を誘ったとみられる。こうした背景が、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)を前にした売り方の買い戻しを誘っているとみられ、これが米IT大手の冴えない決算と株価反応との間にギャップを生んでいるものと考えられる。
実際、本日の東京市場での上昇率上位の銘柄をみると、マネーフォワード<3994>やJMDC<4483>、ネットプロHD<7383>、インフォマート<2492>などの安値圏にある銘柄が多く入っており、ショートカバー(売り方の買い戻し)が主体の動きといえる。米国でも、前日はベッド・バス・アンド・ビヨンドやゲームストップなどのいわゆるミーム銘柄が急伸していた。相場が強気に転じるにはなお時期尚早といえそうだ。
(仲村幸浩)
<NH>
日経平均;27577.15;+326.87TOPIX;1925.27;+18.13
[後場の投資戦略]
本日の日経平均は大きく3日続伸し、節目の27500円を回復、75日移動平均線も超えてきた。10月3日をボトムに下値と上値を切り上げる形となっており、短期的には75日線突破からの上昇に勢いが付きやすい状況となってきた。
一方、本日の上昇は短期的なものに過ぎないとも言えそうだ。25日の米株式市場の取引終了後に決算を発表したマイクロソフトとアルファベットは共に市場の期待値を下回るものとなり、両者の株価は時間外取引で大きく下落している。マクロ景況感の悪化で企業の広告需要が落ち込むなか、アルファベットの決算がそれなりに冴えないものになることは想定されていた。しかし、広告企業の中でも、検索エンジン型の同社の広告収入は、ソーシャルネットワークサービス(SNS)企業に比べれば堅調と想定されていただけに、市場予想を10億ドル程下回った売上高などはネガティブな印象が強い。
GAFAMの中でも相対的に好調な決算が見込まれていたマイクロソフトも印象が良くない。パソコンメーカー向け基本ソフト「Windows(ウィンドウズ)」の販売が7−9月期は前年同期比で15%減と大きく減速した。また、好調が続いていたクラウドサービス事業の「Azure(アジュール)」の増収率もドル高の影響もあって35%と、前四半期
(4−6月)の40%、その前(1−3月)の46%からの減速傾向が鮮明になってきている。
さらに、半導体大手テキサス・インスツルメンツの決算もネガティブなものだった。10−12月期の売上高見通しが市場予想を下回ったほか、「産業機械メーカーの一部が発注を遅らせている」と言及しており、先んじて急速な調整を強いられているパソコンやスマートフォンなどの民生向け市場だけでない分野でも、半導体調整の波が押し寄せていることが確認された。
今晩26日の米株式市場では、メタ・プラットフォームズが決算発表を予定している。先週のスナップの決算を受けてすでに警戒感が高まっているが、堅調が期待されていたマイクロソフトとアルファベットが予想を下振れて株価下落しているあたり、メタの決算には改めて注意が必要だ。
一方で、本日の東京市場は時間外取引のナスダック100先物の大幅下落を無視する形で買い優勢の展開になっている。先週末、ウォールストリート・ジャーナル紙(WJ)
が米連邦準備制度理事会(FRB)の年内の利上げ幅縮小を示唆する記事を報じていたが、そうした中でも、米10年債利回りは一昨日24日に2008年7月以来の高水準を記録していた。金利の高止まりにより、WJの報道を素直に好感し切れていなかったところ、前日25日の米国市場で金利がようやく大きく低下したことが安心感を誘ったとみられる。こうした背景が、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)を前にした売り方の買い戻しを誘っているとみられ、これが米IT大手の冴えない決算と株価反応との間にギャップを生んでいるものと考えられる。
実際、本日の東京市場での上昇率上位の銘柄をみると、マネーフォワード<3994>やJMDC<4483>、ネットプロHD<7383>、インフォマート<2492>などの安値圏にある銘柄が多く入っており、ショートカバー(売り方の買い戻し)が主体の動きといえる。米国でも、前日はベッド・バス・アンド・ビヨンドやゲームストップなどのいわゆるミーム銘柄が急伸していた。相場が強気に転じるにはなお時期尚早といえそうだ。
(仲村幸浩)
<NH>
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