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中国国家外為管理局、銀行の為替ポジションを調査=関係筋

配信日時:2022/10/25 15:57 配信元:REUTERS

[上海/北京 25日 ロイター] - 中国国家外為管理局は24日遅く、一部の銀行に調査票を送付し、為替市場での銀行のポジションについて問い合わせた。複数の関係筋がロイターに明らかにした。

人民元は、ドル高を背景に2008年の世界的な金融危機以来の水準までに下落。オフショア人民元は最安値を記録している。

ある関係筋は「外為管理局は、市場に対するわれわれの見解とわれわれのポジションについて問い合わせた」と指摘。

別の関係筋は、人民元は「過剰反応」しており、一部の市場参加者は「悪意に満ちた元売り」を出しているようだと述べ、こうした中で調査が行われたと指摘した。

関係筋によると、外為管理局は今回の調査が急を要するものであると明確にした。

外為管理局のコメントは取れていない。

みずほ銀行のアジア通貨担当ストラテジスト、ケン・チュン氏は「外為管理局は24日の人民元急落について原因と市場の見解を調査しているのだろう。このため、問題を見極め、適切な処方箋を出す可能性がある」と述べた。

中国当局は急激な元安に歯止めをかけるため、企業や金融機関が従来より容易に海外市場から資金を調達できるようにする措置など、一連の対策をすでに打ち出している。

ANZの中国担当シニアストラテジスト、ケイ兆鵬氏は「次の対策は海外への貸し出しの締め付けかもしれない」と指摘。「外貨準備は危険な水準にある。一部の市場参加者は当局が最終的には介入すると予想している」と述べた。

中国の外貨準備は3兆ドル強。2015年の景気低迷期に人民元を下支えしたため、外貨準備は1兆ドル減少している。

同氏は「中国は今回は外貨準備を守るだろう。中国指導部が外貨準備は総合的な国力の指標だと強調しているためだ」と述べた。

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