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シンガポール資産運用業界が急成長、手厚い優遇措置が魅力

配信日時:2022/10/21 18:40 配信元:REUTERS

[シンガポール 21日 ロイター] - シンガポールの資産運用業界は昨年、世界を上回るペースで拡大し記録的な規模に成長した。

シンガポール金融管理局(MAS、中央銀行)によると、2021年の運用資産総額は16%増の5兆4000億シンガポール(S)ドル(約3兆8000億ドル)。世界全体では12%増の112兆ドルだった。

中国や香港の厳格な新型コロナウイルス規制を受け、起業家や投資家はシンガポールに事業拠点を構えたり、投資を拡大したりしている。

MASの調査によると、プライベートエクイティ(PE)、ベンチャーキャピタル(VC)、ヘッジファンド、不動産、不動産投資信託を含むオルタナティブセクターが前年比30%拡大し資産増加をけん引した。

ドライパウダーと呼ばれる投資家から調達したものの投資に回されていない待機資金は、PEが900億Sドル、VCは50億Sドル。

中国を中心に富裕層の資産を運用するファミリーオフィスやファンドがシンガポールに流入。ファンドや大物投資家が高級不動産を購入したり、現地の新興企業を支援している。

MASによると、昨年12月時点でシンガポールで認可・登録されている運用会社は1108社で15%増加した。

シンガポールはアジアの金融サービスの中心地としての地位を高めようと、ファンドに手厚い税制優遇策を提供している。

また変動資本会社(VCC)という新しい企業形態が2020年に導入されたことも、ファミリーオフィスやヘッジファンド、PEなどの誘因となっている。

MASによると、今年10月14日現在、シンガポールで設立または再登記されたVCCは660社あまり。前年は約400社だった。

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