注目トピックス 日本株
アウトソシング Research Memo(1):2022年12月期は通期業績据え置き、大幅な増収増益を見込む
配信日時:2022/10/21 16:51
配信元:FISCO
■要約
アウトソーシング<2427>は、メーカーの製造ライン向けに人材派遣及び業務請負を行う「国内製造系アウトソーシング事業」や、メーカーの研究開発部門及びIT、建築系企業向けに技術者派遣等を行う「国内技術系アウトソーシング事業」を展開するほか、米軍施設向け事業や海外展開にも積極的に取り組んでいる。M&Aをはじめ、独自スキームの構築による人材獲得や育成に優位性を有しており、海外を含めた人材提供数及び管理人数は13.7万名を超える(技術・製造系では国内業界最大)。景気変動の影響を受けない事業構造への転換や今後の環境変化等を見据え、拡大するエンジニア活用ニーズへの対応、公共関連サービスの強化、米軍施設向け事業の拡充など、グローバル規模で事業を拡大してきた。今後は、派遣DX化※を含めた環境変化を踏まえ、ビジネスモデルの抜本的な変革、並びに新たなビジネス機会の獲得にも取り組む方針である。2021年2月15日には国連が提唱する「持続可能な開発目標(SDGs)」に賛同し、「SDGs宣言」を行った。世界の様々な人々の「就業機会」と「教育機会」の創造、さらには技術と教育の力で一人一人の生産性を向上させることで、人々の暮らしを豊かにすることに貢献し、同社グループの成長にもつなげていく考えである。
※DXとはデジタルトランスフォーメーションの略。データやデジタル技術を活用してビジネスの仕組みを変革し、競争優位性を獲得する動き。派遣業界においても、DX化への取り組みが今後の生き残りのカギを握ると言われている。
1. 2022年12月期上期決算の概要
2022年12月期上期の業績(IFRS)は、売上収益が前年同期比22.9%増の3,251億円、営業利益が同5.4%減の109億円と、雇用調整助成金のはく落等により増収減益となったものの、売上収益及び営業利益は計画を上回る進捗となった。上海ロックダウンや長引く半導体不足、インフレによる資材の高騰などが、国内・海外の製造系及びサービス系セグメントにマイナスの影響を及ぼしたものの、すべてのセグメントで事業規模を拡大することができた。特に売上収益が計画を上回ったのは、旺盛なエンジニア活用ニーズを捉え、国内・海外の技術系セグメントが持続的に成長し、上記のマイナス部分をキャッチアップしたことが理由である。利益面では、雇用調整助成金のはく落等により営業減益となったが、その点は想定内である。国内・海外製造系セグメントにおける生産調整やのれん減損等による影響を、国内・海外の技術系セグメントによる収益の伸びでカバーし、計画を上回る利益水準を確保することができた。また、活動面でも、「派遣2.0」及び「CSM」といった派遣DX化を見据えた次世代ビジネスモデルの進展に一定の成果を残すことができた。
2. 2022年12月期の業績予想
2022年12月期の業績予想(IFRS)について同社は、期初予想を据え置き、売上収益を前期比22.1%増の6,950億円、営業利益を同33.8%増の320億円と増収増益を見込んでいる。旺盛な人材ニーズを背景として、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)からの復調や好調分野のさらなる拡大により、売上収益、営業利益ともにすべての事業が伸長する見通しとしている。
3. 今後の方向性
同社は2020年12月期より5ヶ年の中期経営計画「VISION2024」を推進している。世界各国で急速に進行する環境変化への迅速な対応を図るとともに、新たに発生したビジネス機会を同社の成長に取り込む戦略である。特に、1) 海外就労者サポートサービスの拡大、2) エンジニアとテクノロジーを融合したモデル「派遣2.0」による効率化・省人化、3) 業績の平準化につながる米軍施設向け事業や政府公共系ビジネスのさらなる拡大、4) 世界で増える人口をチャンスに変えるためのグローバル人材流動ネットワークの確立、5) 人材ストックビジネスからの脱却を目指したWBB(“WORKING” Beyond Borders)プラットフォームの構築に取り組んでいく。ただ、計画策定時点では想定していなかったコロナ禍の影響を受け、外国人関連ビジネスなどで戦略変更を余儀なくされており、投資計画の見直しを含めた新たな中期経営計画の策定も検討しているようであるが、今後の方向性には大きな修正はない。
■Key Points
・2022年12月期上期は増収減益ながら、売上収益及び営業利益は計画を上回る進捗
・旺盛なエンジニア活用ニーズを背景に、国内・海外の技術系セグメントがコロナ禍においても順調に伸長
・2022年12月期の通期業績予想について同社は、期初予想を据え置き、大幅な増収増益を見込む
・5ヶ年の中期経営計画「VISION2024」を推進。派遣DXを含めた環境変化を踏まえ、ビジネスモデルの抜本的な変革に取り組む
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
<NS>
アウトソーシング<2427>は、メーカーの製造ライン向けに人材派遣及び業務請負を行う「国内製造系アウトソーシング事業」や、メーカーの研究開発部門及びIT、建築系企業向けに技術者派遣等を行う「国内技術系アウトソーシング事業」を展開するほか、米軍施設向け事業や海外展開にも積極的に取り組んでいる。M&Aをはじめ、独自スキームの構築による人材獲得や育成に優位性を有しており、海外を含めた人材提供数及び管理人数は13.7万名を超える(技術・製造系では国内業界最大)。景気変動の影響を受けない事業構造への転換や今後の環境変化等を見据え、拡大するエンジニア活用ニーズへの対応、公共関連サービスの強化、米軍施設向け事業の拡充など、グローバル規模で事業を拡大してきた。今後は、派遣DX化※を含めた環境変化を踏まえ、ビジネスモデルの抜本的な変革、並びに新たなビジネス機会の獲得にも取り組む方針である。2021年2月15日には国連が提唱する「持続可能な開発目標(SDGs)」に賛同し、「SDGs宣言」を行った。世界の様々な人々の「就業機会」と「教育機会」の創造、さらには技術と教育の力で一人一人の生産性を向上させることで、人々の暮らしを豊かにすることに貢献し、同社グループの成長にもつなげていく考えである。
※DXとはデジタルトランスフォーメーションの略。データやデジタル技術を活用してビジネスの仕組みを変革し、競争優位性を獲得する動き。派遣業界においても、DX化への取り組みが今後の生き残りのカギを握ると言われている。
1. 2022年12月期上期決算の概要
2022年12月期上期の業績(IFRS)は、売上収益が前年同期比22.9%増の3,251億円、営業利益が同5.4%減の109億円と、雇用調整助成金のはく落等により増収減益となったものの、売上収益及び営業利益は計画を上回る進捗となった。上海ロックダウンや長引く半導体不足、インフレによる資材の高騰などが、国内・海外の製造系及びサービス系セグメントにマイナスの影響を及ぼしたものの、すべてのセグメントで事業規模を拡大することができた。特に売上収益が計画を上回ったのは、旺盛なエンジニア活用ニーズを捉え、国内・海外の技術系セグメントが持続的に成長し、上記のマイナス部分をキャッチアップしたことが理由である。利益面では、雇用調整助成金のはく落等により営業減益となったが、その点は想定内である。国内・海外製造系セグメントにおける生産調整やのれん減損等による影響を、国内・海外の技術系セグメントによる収益の伸びでカバーし、計画を上回る利益水準を確保することができた。また、活動面でも、「派遣2.0」及び「CSM」といった派遣DX化を見据えた次世代ビジネスモデルの進展に一定の成果を残すことができた。
2. 2022年12月期の業績予想
2022年12月期の業績予想(IFRS)について同社は、期初予想を据え置き、売上収益を前期比22.1%増の6,950億円、営業利益を同33.8%増の320億円と増収増益を見込んでいる。旺盛な人材ニーズを背景として、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)からの復調や好調分野のさらなる拡大により、売上収益、営業利益ともにすべての事業が伸長する見通しとしている。
3. 今後の方向性
同社は2020年12月期より5ヶ年の中期経営計画「VISION2024」を推進している。世界各国で急速に進行する環境変化への迅速な対応を図るとともに、新たに発生したビジネス機会を同社の成長に取り込む戦略である。特に、1) 海外就労者サポートサービスの拡大、2) エンジニアとテクノロジーを融合したモデル「派遣2.0」による効率化・省人化、3) 業績の平準化につながる米軍施設向け事業や政府公共系ビジネスのさらなる拡大、4) 世界で増える人口をチャンスに変えるためのグローバル人材流動ネットワークの確立、5) 人材ストックビジネスからの脱却を目指したWBB(“WORKING” Beyond Borders)プラットフォームの構築に取り組んでいく。ただ、計画策定時点では想定していなかったコロナ禍の影響を受け、外国人関連ビジネスなどで戦略変更を余儀なくされており、投資計画の見直しを含めた新たな中期経営計画の策定も検討しているようであるが、今後の方向性には大きな修正はない。
■Key Points
・2022年12月期上期は増収減益ながら、売上収益及び営業利益は計画を上回る進捗
・旺盛なエンジニア活用ニーズを背景に、国内・海外の技術系セグメントがコロナ禍においても順調に伸長
・2022年12月期の通期業績予想について同社は、期初予想を据え置き、大幅な増収増益を見込む
・5ヶ年の中期経営計画「VISION2024」を推進。派遣DXを含めた環境変化を踏まえ、ビジネスモデルの抜本的な変革に取り組む
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
<NS>
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