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コアCPI9月は+3.0%で8年ぶり伸び、消費税除くと91年以来

配信日時:2022/10/21 08:38 配信元:REUTERS

[東京 21日 ロイター] - 総務省が21日に発表した9月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く、コアCPI)は102.9と、前年同月比3.0%上昇した。前月の2.8%上昇を上回って2014年9月以来の伸び率となった。消費増税の影響を除けば1991年8月以来の伸び。原材料高や歴史的な円安で生鮮食品を除く食料の伸びが続いたほか、家庭用耐久財も上伸した。

日銀が目標とする2%を上回るのは6カ月連続となった。ロイターがまとめた民間予測は同3.0%上昇だった。

生鮮食品を除く食料は4.6%上昇と前月の4.1%上昇を上回り、1981年8月以来の上昇率。からあげが11.3%、外食のハンバーガーが11.2%、食パンが14.6%それぞれ上昇した。

家庭用耐久財は11.3%上昇で、伸び率は前月の6.3%を大きく上回り1975年3月以来の大きさ。円安により原材料費や輸送費がかさみ、ルームエアコンが14.4%上昇。新製品投入でドラム式電気洗濯機は32.1%上昇となった。

宿泊料は6.6%上昇。新型コロナウイルスの感染状況が落ち着いていることで宿泊需要が高まった。

一方、上下水道料は3.7%下落した。物価高対策で水道料金の減免を実施している地域が見られるため。

エネルギー価格は16.9%上昇で、伸びは前月と変わらなかった。電気代は21.5%上昇で伸び率横ばい、ガソリンは7.0%上昇で前月の6.9%上昇からほぼ変わらず。

総務省の担当者は、ガソリンは前年の上昇の反動や補助金の影響で一段の伸び縮小が見込まれるものの、電気代はさらに上昇する可能性があるとしている。

携帯電話の通信料は14.4%下落。総務省によると、コアCPIへの寄与度はマイナス0.24ポイントで10月に剥落する見通し。

コアCPIの対象522品目のうち、上昇が385品目、下落が91品目、変わらずが46品目。上昇品目数は前月の372品目を上回った。

9月の総合指数は前年同月比3.0%上昇し、伸び率は前月と変わらず。レタスが前年に日照不足で値段が上がった反動で41.7%下落するなど、生鮮野菜が6.7%下落して指数の重しとなった。

生鮮食品およびエネルギーを除く総合指数は1.8%上昇し、2015年3月以来の伸び。消費増税の影響を除けば1993年2月以来の伸び率となった。

(和田崇彦 グラフ作成・編集:田中志保)

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