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クリレスHD Research Memo(1):2023年2月期上期はコロナ第7波の影響で計画を若干下回る進捗
配信日時:2022/10/19 15:11
配信元:FISCO
■要約
1. 会社概要
クリエイト・レストランツ・ホールディングス<3387>は、ショッピングセンター内のレストラン及びフードコートの運営を主力とするとともに、M&Aにより獲得した居酒屋業態や飲食店業態も展開している。集客力の高い立地へのこだわりとそれぞれの立地環境(地域特性や顧客属性、競合状況等)に見合った業態の組み合わせによるマルチブランド・マルチロケーション戦略や、積極的なM&Aを通じて成長性のある業態を同社の成長に取り込む「グループ連邦経営」に特長がある。2022年8月末現在の店舗数は約240業態で1,026店舗※に上る。2020年以降、新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)による影響が外食業界に影を落としているが、徹底したコストコントロールを通じた収益体質の強化を図るとともに、コロナ禍収束後(以下、アフターコロナ)を見据えたポートフォリオの見直しにも取り組む。
※業務受託店舗、FC店舗のすべてを含む(以下、同様)。
2. 2023年2月期上期決算の概要
2023年2月期上期の業績(IFRS基準)は、売上収益が前年同期比57.7%増の54,407百万円、営業利益が同30.4%減の5,087百万円と、時短営業協力金(以下、協力金)の減少等により表面上は増収減益となった。しかしながら、IFRS基準を採用している同社の前期営業利益約73億円には、約113億円の協力金が含まれており、これを差し引くと実質的には約40億円の赤字であったところ、今期の営業利益約51億円に含まれる協力金約44億円を差し引くと、約7億円の黒字を確保している。かかる協力金の影響を除外した場合には、実質的に増収増益と黒字転換を達成したものと評価できる。売上収益は、コロナ禍からの一定の回復によりすべてのカテゴリーで増収を確保したものの、コロナ第7波の影響を受けて計画(社内目標値)に対しては若干下振れた。また損益面についても、協力金等の減少は想定内であるが、売上収益の下振れや減損損失の追加計上により計画を下回る進捗となっている。もっとも、協力金を含まない実質的な営業利益において約7億円の黒字化を達成したところは、本来の収益力を評価するうえで特筆すべきポイントと言える。特に、昨今のインフレに伴う厳しい収益環境にあるなか、これまで進めてきた筋肉質なコスト構造への転換が奏功し、各経費率は安定した水準を維持することができた。また、活動面ではベーカリー業態を展開する(株)サンジェルマンのM&Aを実現し、ポートフォリオの見直しに向けても戦略的な進展を図った。
3. 2023年2月期の業績見通し
2023年2月期の業績予想について同社は、期初予想を据え置き、売上収益を前期比46.8%増の115,000百万円、営業利益を同4.4%減の7,300百万円と通期でも増収減益を見込んでいる。上期実績が計画を下回ったにもかかわらず通期予想を据え置いたのは、コロナ禍が収束(観光需要およびインバウンドの段階的な再開を含む)に向かえば十分に挽回できる範囲内にあることや、筋肉質なコスト構造への転換が進んでいることなどが理由である。また、予想に入っていなかったサンジェルマンのM&Aによる上乗せ効果(3ヶ月分)を加味すれば、売上収益については上振れる可能性にも注意が必要であろう。実質既存店売上高(通期)はコロナ禍前と比較して78.5%を想定するとともに、出退店については、新規出店30店舗、退店24店舗を計画している。アフターコロナを見据えた業態開発にチャレンジするとともに、投資効率を意識した出退店及び業態変更を促進することで、再成長に向けた基盤づくりに取り組む方針である。
4. 今後の方向性
同社は2022年4月14日付けで新たに3ヶ年の中期経営計画を公表した。もっとも、1)アフターコロナを見据えたポートフォリオの見直し、2)グループ連邦経営のさらなる進化、3)DX推進による生産性の向上・人財不足への対応、といった成長戦略の3本の柱に見直しはなく、「食を通じて、ステークホルダーに対し、『豊かさ』を提供し続ける企業グループ」を目指していく方向性である。最終年度である2025年2月期の業績目標として、売上収益140,000百万円、営業利益10,900百万円、調整後EBITDA 28,400百万円を掲げており、毎期30店舗の新規出店等により、成長軌道に回帰させるシナリオを描いている。
■Key Points
・2023年2月期上期の業績は協力金等の減少により表面上は増収減益ながら、協力金の影響を除外した場合には、実質的に増収増益(黒字化)を達成
・協力金の減少による減益は想定内であるものの、コロナ第7波の影響を受けて、売上収益及び利益ともに計画を若干下回る進捗
・ベーカリー業態を展開する「サンジェルマン」等のM&Aでは戦略的な進展を図ることができた
・2023年2月期は期初予想を据え置き、通期でも大幅な増収及び減益を見込む
・3ヶ年の中期経営計画では、アフターコロナを見据えた成長戦略により、持続的な成長を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
<NS>
1. 会社概要
クリエイト・レストランツ・ホールディングス<3387>は、ショッピングセンター内のレストラン及びフードコートの運営を主力とするとともに、M&Aにより獲得した居酒屋業態や飲食店業態も展開している。集客力の高い立地へのこだわりとそれぞれの立地環境(地域特性や顧客属性、競合状況等)に見合った業態の組み合わせによるマルチブランド・マルチロケーション戦略や、積極的なM&Aを通じて成長性のある業態を同社の成長に取り込む「グループ連邦経営」に特長がある。2022年8月末現在の店舗数は約240業態で1,026店舗※に上る。2020年以降、新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)による影響が外食業界に影を落としているが、徹底したコストコントロールを通じた収益体質の強化を図るとともに、コロナ禍収束後(以下、アフターコロナ)を見据えたポートフォリオの見直しにも取り組む。
※業務受託店舗、FC店舗のすべてを含む(以下、同様)。
2. 2023年2月期上期決算の概要
2023年2月期上期の業績(IFRS基準)は、売上収益が前年同期比57.7%増の54,407百万円、営業利益が同30.4%減の5,087百万円と、時短営業協力金(以下、協力金)の減少等により表面上は増収減益となった。しかしながら、IFRS基準を採用している同社の前期営業利益約73億円には、約113億円の協力金が含まれており、これを差し引くと実質的には約40億円の赤字であったところ、今期の営業利益約51億円に含まれる協力金約44億円を差し引くと、約7億円の黒字を確保している。かかる協力金の影響を除外した場合には、実質的に増収増益と黒字転換を達成したものと評価できる。売上収益は、コロナ禍からの一定の回復によりすべてのカテゴリーで増収を確保したものの、コロナ第7波の影響を受けて計画(社内目標値)に対しては若干下振れた。また損益面についても、協力金等の減少は想定内であるが、売上収益の下振れや減損損失の追加計上により計画を下回る進捗となっている。もっとも、協力金を含まない実質的な営業利益において約7億円の黒字化を達成したところは、本来の収益力を評価するうえで特筆すべきポイントと言える。特に、昨今のインフレに伴う厳しい収益環境にあるなか、これまで進めてきた筋肉質なコスト構造への転換が奏功し、各経費率は安定した水準を維持することができた。また、活動面ではベーカリー業態を展開する(株)サンジェルマンのM&Aを実現し、ポートフォリオの見直しに向けても戦略的な進展を図った。
3. 2023年2月期の業績見通し
2023年2月期の業績予想について同社は、期初予想を据え置き、売上収益を前期比46.8%増の115,000百万円、営業利益を同4.4%減の7,300百万円と通期でも増収減益を見込んでいる。上期実績が計画を下回ったにもかかわらず通期予想を据え置いたのは、コロナ禍が収束(観光需要およびインバウンドの段階的な再開を含む)に向かえば十分に挽回できる範囲内にあることや、筋肉質なコスト構造への転換が進んでいることなどが理由である。また、予想に入っていなかったサンジェルマンのM&Aによる上乗せ効果(3ヶ月分)を加味すれば、売上収益については上振れる可能性にも注意が必要であろう。実質既存店売上高(通期)はコロナ禍前と比較して78.5%を想定するとともに、出退店については、新規出店30店舗、退店24店舗を計画している。アフターコロナを見据えた業態開発にチャレンジするとともに、投資効率を意識した出退店及び業態変更を促進することで、再成長に向けた基盤づくりに取り組む方針である。
4. 今後の方向性
同社は2022年4月14日付けで新たに3ヶ年の中期経営計画を公表した。もっとも、1)アフターコロナを見据えたポートフォリオの見直し、2)グループ連邦経営のさらなる進化、3)DX推進による生産性の向上・人財不足への対応、といった成長戦略の3本の柱に見直しはなく、「食を通じて、ステークホルダーに対し、『豊かさ』を提供し続ける企業グループ」を目指していく方向性である。最終年度である2025年2月期の業績目標として、売上収益140,000百万円、営業利益10,900百万円、調整後EBITDA 28,400百万円を掲げており、毎期30店舗の新規出店等により、成長軌道に回帰させるシナリオを描いている。
■Key Points
・2023年2月期上期の業績は協力金等の減少により表面上は増収減益ながら、協力金の影響を除外した場合には、実質的に増収増益(黒字化)を達成
・協力金の減少による減益は想定内であるものの、コロナ第7波の影響を受けて、売上収益及び利益ともに計画を若干下回る進捗
・ベーカリー業態を展開する「サンジェルマン」等のM&Aでは戦略的な進展を図ることができた
・2023年2月期は期初予想を据え置き、通期でも大幅な増収及び減益を見込む
・3ヶ年の中期経営計画では、アフターコロナを見据えた成長戦略により、持続的な成長を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
<NS>
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