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はてな Research Memo(5):テクノロジーソリューションサービスの2ケタ成長が継続
配信日時:2022/10/17 15:05
配信元:FISCO
■はてな<3930>の業績動向
2. サービス別売上動向
(1) コンテンツプラットフォームサービス
コンテンツプラットフォームサービスの売上高は前期比7.1%減の487百万円と、2期ぶりに減収に転じた。KPIである登録ユーザー数は前期末比33万人増の1,183万人と増加したものの、2022年1月末の月間ユニークブラウザ(UB)数は1.28億UBと低迷したことに加え、広告単価が軟調に推移した結果、アドネットワーク広告売上が伸び悩んだ。月間UB数については、検索エンジンのロジック変更に伴う流入件数の減少に加え、コンテンツの良質化施策としてスパムコンテンツアカウントの削減施策を実施したことが減少要因として挙げられるが、スパムコンテンツアカウントの削減施策が一巡したこともあり、2022年4月以降はやや持ち直している。YouTubeやInstagramなどのSNS普及に伴い、「はてなブログ」など同社サービスに対する需要減退の懸念があるものの、「はてなブログ」への投稿数やアクティブユーザー数は堅調に推移していることから、広告単価下落の影響が大きいと弊社では見ている。なお、広告単価についてはその時々の需給によって変動するものの、YouTubeなど動画広告に対する需要が拡大していることもありここ最近は低下傾向となっている。
一方、有料課金サービスについても個人向けの「はてなブログPro」が伸び悩んでおり、今後の課題となっている。法人向けの「はてなブログBusiness」はスタートアップ企業を中心に契約件数を伸ばしているものの、業績への影響は軽微である。
(2) コンテンツマーケティングサービス
コンテンツマーケティングサービスの売上高は前期比20.1%増の795百万円と3期ぶりの増収に転じた。「はてなブログMedia」の運用件数が前期末比17件増の128件となり、会社計画の120件を上回ったことが増収要因となった。運用件数については、引き続き企業の採用・広報を目的とした開設案件が多いものの、潜在顧客向けマーケティングニーズも底堅く、引き合いは多数発生している。新規開設数は29件、解約数は12件(前期は新規開設24件、解約数17件)となった。オンラインセミナーの実施によるリード(見込み顧客)獲得が有効であった一方、コロナ禍前と比較し受注決定や開設完了までに要する時間が長引く傾向に変わりはなかった。
運用件数当たりの平均月間売上は前期比10%増となった。2021年7月期はコロナ禍による顧客のメディア運用予算縮小の影響を受け減少したものの、2022年7月期は運用予算が回復したことに加え、同社でメディア集客施策(記事制作や広告等)の提案に積極的に取り組んだことが上昇要因となった。半期ベースで見ると、上期の580千円に対して下期は539千円と低下しているが、メディア開設時には低価格なシステム運用料のみの件数が多いためだ。その後は記事制作や広告運用などを受注し、月間売上は上昇する傾向にある。なお、新規開設メディアについては、すべてのプラン(レギュラー、ライト、HRプラン)で運用件数が増加したようだ。
(3) テクノロジーソリューションサービス
テクノロジーソリューションサービスの売上高は前期比24.1%増の1,780百万円と7期連続で2ケタ増収となった。サーバー監視サービス「Mackerel」、「GigaViewer」を中心とした受託サービスともに増収となった。なお、2022年7月期より売上高の内訳を開示しており、「Mackerel」は768百万円、受託サービスは1,011百万円であった。
「Mackerel」の累積顧客数は前期末比3.7%増となったものの、従来の2ケタ増ペースから鈍化し、会社計画に対しても13.2%下回った。コロナ禍に伴い有力な顧客獲得ルートであったリアルの展示会が中止となるなか、オンラインセミナーなどデジタルマーケティング施策によるリード獲得に取り組んだものの、成約率が想定よりも低かったことや大手顧客の開拓に注力したことが要因となった。ただし、半期ベースでは、上期の382百万円に対して下期は386百万円と過去最高を更新している
「GigaViewer」については、新たに「サンデーうぇぶり」「コロコロオンライン」((株)小学館)、「&Sofa(アンドソファ)」((株)講談社)、「COMIC OGYAAA!!」((株)ホーム社)にWeb版を導入したほか、スマートフォンアプリ向け「GigaViewer for Apps」を「コミックガルド+(プラス)」((株)オーバーラップ・プラス)向けに導入した。「GigaViewer」の導入実績はアプリ版も含めて合計15社、20メディアとなる。Web版については広告の運用・販売にも取り組み、小学館向けでは初めての導入となった(講談社向けは3件目)。
一方、アプリ版の「コミックガルド+」については、広告の運用とポイント販売による収益化にも共同で取り組むレベニューシェア型契約となっている(同社でユーザー獲得やプロモーションのための広告出稿を担当)。オーバーラップ・プラスは「コミックガルド」(Web版)に「GigaViewer」の導入実績があり、Web版で獲得した新規読者をアプリ版に誘導し収益を向上させることを狙いに、同社がアプリ版の開発提供及び広告運用等を行うこととなった。Web版の開発については多くの引き合いがあることから、Web版の導入顧客に対してアプリ版の開発とレベニューシェア型契約の提案を推進していくことで収益の最大化を目指す。なお、「GigaViewer」の開発期間は1メディア当たり3~6ヶ月程度かかるようで、引き合いに対応するためにエンジニアの増員を積極的に進めている。
その他の受託サービスとしては、2022年9月に任天堂が発売したゲームソフト「スプラトゥーン3」をより一層楽しく遊ぶためのサービス「イカリング3」を同日リリースしており、2022年7月期に開発料の一部を売上計上している(「収益認識に関する会計基準」等を適用)。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<NS>
2. サービス別売上動向
(1) コンテンツプラットフォームサービス
コンテンツプラットフォームサービスの売上高は前期比7.1%減の487百万円と、2期ぶりに減収に転じた。KPIである登録ユーザー数は前期末比33万人増の1,183万人と増加したものの、2022年1月末の月間ユニークブラウザ(UB)数は1.28億UBと低迷したことに加え、広告単価が軟調に推移した結果、アドネットワーク広告売上が伸び悩んだ。月間UB数については、検索エンジンのロジック変更に伴う流入件数の減少に加え、コンテンツの良質化施策としてスパムコンテンツアカウントの削減施策を実施したことが減少要因として挙げられるが、スパムコンテンツアカウントの削減施策が一巡したこともあり、2022年4月以降はやや持ち直している。YouTubeやInstagramなどのSNS普及に伴い、「はてなブログ」など同社サービスに対する需要減退の懸念があるものの、「はてなブログ」への投稿数やアクティブユーザー数は堅調に推移していることから、広告単価下落の影響が大きいと弊社では見ている。なお、広告単価についてはその時々の需給によって変動するものの、YouTubeなど動画広告に対する需要が拡大していることもありここ最近は低下傾向となっている。
一方、有料課金サービスについても個人向けの「はてなブログPro」が伸び悩んでおり、今後の課題となっている。法人向けの「はてなブログBusiness」はスタートアップ企業を中心に契約件数を伸ばしているものの、業績への影響は軽微である。
(2) コンテンツマーケティングサービス
コンテンツマーケティングサービスの売上高は前期比20.1%増の795百万円と3期ぶりの増収に転じた。「はてなブログMedia」の運用件数が前期末比17件増の128件となり、会社計画の120件を上回ったことが増収要因となった。運用件数については、引き続き企業の採用・広報を目的とした開設案件が多いものの、潜在顧客向けマーケティングニーズも底堅く、引き合いは多数発生している。新規開設数は29件、解約数は12件(前期は新規開設24件、解約数17件)となった。オンラインセミナーの実施によるリード(見込み顧客)獲得が有効であった一方、コロナ禍前と比較し受注決定や開設完了までに要する時間が長引く傾向に変わりはなかった。
運用件数当たりの平均月間売上は前期比10%増となった。2021年7月期はコロナ禍による顧客のメディア運用予算縮小の影響を受け減少したものの、2022年7月期は運用予算が回復したことに加え、同社でメディア集客施策(記事制作や広告等)の提案に積極的に取り組んだことが上昇要因となった。半期ベースで見ると、上期の580千円に対して下期は539千円と低下しているが、メディア開設時には低価格なシステム運用料のみの件数が多いためだ。その後は記事制作や広告運用などを受注し、月間売上は上昇する傾向にある。なお、新規開設メディアについては、すべてのプラン(レギュラー、ライト、HRプラン)で運用件数が増加したようだ。
(3) テクノロジーソリューションサービス
テクノロジーソリューションサービスの売上高は前期比24.1%増の1,780百万円と7期連続で2ケタ増収となった。サーバー監視サービス「Mackerel」、「GigaViewer」を中心とした受託サービスともに増収となった。なお、2022年7月期より売上高の内訳を開示しており、「Mackerel」は768百万円、受託サービスは1,011百万円であった。
「Mackerel」の累積顧客数は前期末比3.7%増となったものの、従来の2ケタ増ペースから鈍化し、会社計画に対しても13.2%下回った。コロナ禍に伴い有力な顧客獲得ルートであったリアルの展示会が中止となるなか、オンラインセミナーなどデジタルマーケティング施策によるリード獲得に取り組んだものの、成約率が想定よりも低かったことや大手顧客の開拓に注力したことが要因となった。ただし、半期ベースでは、上期の382百万円に対して下期は386百万円と過去最高を更新している
「GigaViewer」については、新たに「サンデーうぇぶり」「コロコロオンライン」((株)小学館)、「&Sofa(アンドソファ)」((株)講談社)、「COMIC OGYAAA!!」((株)ホーム社)にWeb版を導入したほか、スマートフォンアプリ向け「GigaViewer for Apps」を「コミックガルド+(プラス)」((株)オーバーラップ・プラス)向けに導入した。「GigaViewer」の導入実績はアプリ版も含めて合計15社、20メディアとなる。Web版については広告の運用・販売にも取り組み、小学館向けでは初めての導入となった(講談社向けは3件目)。
一方、アプリ版の「コミックガルド+」については、広告の運用とポイント販売による収益化にも共同で取り組むレベニューシェア型契約となっている(同社でユーザー獲得やプロモーションのための広告出稿を担当)。オーバーラップ・プラスは「コミックガルド」(Web版)に「GigaViewer」の導入実績があり、Web版で獲得した新規読者をアプリ版に誘導し収益を向上させることを狙いに、同社がアプリ版の開発提供及び広告運用等を行うこととなった。Web版の開発については多くの引き合いがあることから、Web版の導入顧客に対してアプリ版の開発とレベニューシェア型契約の提案を推進していくことで収益の最大化を目指す。なお、「GigaViewer」の開発期間は1メディア当たり3~6ヶ月程度かかるようで、引き合いに対応するためにエンジニアの増員を積極的に進めている。
その他の受託サービスとしては、2022年9月に任天堂が発売したゲームソフト「スプラトゥーン3」をより一層楽しく遊ぶためのサービス「イカリング3」を同日リリースしており、2022年7月期に開発料の一部を売上計上している(「収益認識に関する会計基準」等を適用)。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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