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STIフードHD Research Memo(1):新商品と価格改定で業績復調、北米進出などで中期成長回帰へ
配信日時:2022/10/13 17:01
配信元:FISCO
■要約
1. セブン-イレブン向けをメインに、水産系のチルド惣菜やおにぎり具材を販売
STIフードホールディングス<2932>は、魚など水産資源を原材料に、食品や食材の生産・販売を行う食品メーカーである。主として大手コンビニエンスストアチェーンであるセブン-イレブン向けに、焼魚などチルド惣菜やサーモンフレークなどおにぎり具材を販売している。販売先別では、セブン-イレブングループ向けの売上高が85%を占め(2021年12月期)、内訳はチルド惣菜やおにぎり具材、冷凍食品、常温食品、缶詰などとなっている。セブン-イレブン以外は、自社ECサイトなどで食品、外食向けの食材、食品スーパーには缶詰などを販売している。製品別では、水産原材料を使ったチルド惣菜や缶詰、レトルト製品など食品が83%、おにぎりや弁当、パスタ、サラダ向け水産具材など食材が17%となっている(2021年12月期)。
2. 強みは技術力、一貫生産体制、フードロス削減、そしてセブン-イレブンの力
同社の強みは、量産やおいしさ、品質を追求した独自の技術力、高効率な一貫生産体制、フードロスの削減。なかでも技術力については、常にいくつもの新しい技術・製法を開発しており、その結果3年に1回程度、ガス置換パック技術など大きな技術革新を起こし、高い参入障壁を築いてきた。一貫生産体制では、一貫生産と徹底した温度管理によって冷凍・解凍の回数を究極の1回にまで削減、分業のため冷凍・解凍の回数が多くなる同業他社に大きな差をつけている。また、一貫生産によって素材を使い切ることで、徹底したフードロス対策ができるというメリットもある。ほかに、小売最大手であるセブン-イレブンの力を利用できる点も強みといえる。
3. 北米進出など重点施策を打つ
同社は「持続可能な原材料・製造への取り組み」などを基本方針に掲げ、中長期的な企業価値向上と持続的な成長の実現に取り組んでおり、そのためいくつかの重点施策を講じている。そのうちの1つ「創る力」の最大化では、製法・技術へのチャレンジを加速して、圧倒的に差別化されたポジションの獲得を目指す。生産能力の拡大では、居抜き工場を積極的にM&Aしてきたが、時代のニーズに合わせ滋賀の新工場からは自社工場を建設することとした。セブン-イレブンとの取引拡大では、海外事業も増やす方針で、特に成長を続ける北米のセブン-イレブンへの供給を目指し、M&A可能な工場をリサーチしているところである。新たな販売拡大では、セブン-イレブン以外の販路拡大や、自社やアマゾンなどのECサイトで自社ブランド商品の販売を強化している。
4. 新商品と価格改定により2022年12月期下期は業績が回復する見込み
2022年12月期第2四半期の業績は、売上高12,866百万円(前年同期比3.7%増)、営業利益676百万円(同28.1%減)となった。船橋工場の火災に加え円安・原価高に対応した定番商品のリニューアルに注力したため、新商品の投入が遅れ営業減益となった。同社は2022年12月期の業績を、売上高28,000百万円(前期比6.6%増)、営業利益1,500百万円(同14.0%減)と見込んでいる。2022年12月期下期は、新商品10品目程度を順次投入する計画で、価格改定効果もフルにきくと考えられる。なお、下期になって投入した新商品は好スタートを切った模様で、上期の価格改定で動きの鈍かった定番商品も前年同期の売上水準を上回る勢いとなっている。このため下期には業績が回復することが予想され、2023年12月期以降の2ケタ成長回帰に向けて弾みとなろう。
■Key Points
・水産資源を原材料に食品や食材を生産するメーカーで、技術力や一貫生産に強み
・成長を続ける北米セブン-イレブンへの供給を目指し、M&A可能な工場をリサーチ
・2022年12月期下期は複数の新商品投入により業績回復見込み、来期以降の2ケタ成長回帰に弾み
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
<SI>
1. セブン-イレブン向けをメインに、水産系のチルド惣菜やおにぎり具材を販売
STIフードホールディングス<2932>は、魚など水産資源を原材料に、食品や食材の生産・販売を行う食品メーカーである。主として大手コンビニエンスストアチェーンであるセブン-イレブン向けに、焼魚などチルド惣菜やサーモンフレークなどおにぎり具材を販売している。販売先別では、セブン-イレブングループ向けの売上高が85%を占め(2021年12月期)、内訳はチルド惣菜やおにぎり具材、冷凍食品、常温食品、缶詰などとなっている。セブン-イレブン以外は、自社ECサイトなどで食品、外食向けの食材、食品スーパーには缶詰などを販売している。製品別では、水産原材料を使ったチルド惣菜や缶詰、レトルト製品など食品が83%、おにぎりや弁当、パスタ、サラダ向け水産具材など食材が17%となっている(2021年12月期)。
2. 強みは技術力、一貫生産体制、フードロス削減、そしてセブン-イレブンの力
同社の強みは、量産やおいしさ、品質を追求した独自の技術力、高効率な一貫生産体制、フードロスの削減。なかでも技術力については、常にいくつもの新しい技術・製法を開発しており、その結果3年に1回程度、ガス置換パック技術など大きな技術革新を起こし、高い参入障壁を築いてきた。一貫生産体制では、一貫生産と徹底した温度管理によって冷凍・解凍の回数を究極の1回にまで削減、分業のため冷凍・解凍の回数が多くなる同業他社に大きな差をつけている。また、一貫生産によって素材を使い切ることで、徹底したフードロス対策ができるというメリットもある。ほかに、小売最大手であるセブン-イレブンの力を利用できる点も強みといえる。
3. 北米進出など重点施策を打つ
同社は「持続可能な原材料・製造への取り組み」などを基本方針に掲げ、中長期的な企業価値向上と持続的な成長の実現に取り組んでおり、そのためいくつかの重点施策を講じている。そのうちの1つ「創る力」の最大化では、製法・技術へのチャレンジを加速して、圧倒的に差別化されたポジションの獲得を目指す。生産能力の拡大では、居抜き工場を積極的にM&Aしてきたが、時代のニーズに合わせ滋賀の新工場からは自社工場を建設することとした。セブン-イレブンとの取引拡大では、海外事業も増やす方針で、特に成長を続ける北米のセブン-イレブンへの供給を目指し、M&A可能な工場をリサーチしているところである。新たな販売拡大では、セブン-イレブン以外の販路拡大や、自社やアマゾンなどのECサイトで自社ブランド商品の販売を強化している。
4. 新商品と価格改定により2022年12月期下期は業績が回復する見込み
2022年12月期第2四半期の業績は、売上高12,866百万円(前年同期比3.7%増)、営業利益676百万円(同28.1%減)となった。船橋工場の火災に加え円安・原価高に対応した定番商品のリニューアルに注力したため、新商品の投入が遅れ営業減益となった。同社は2022年12月期の業績を、売上高28,000百万円(前期比6.6%増)、営業利益1,500百万円(同14.0%減)と見込んでいる。2022年12月期下期は、新商品10品目程度を順次投入する計画で、価格改定効果もフルにきくと考えられる。なお、下期になって投入した新商品は好スタートを切った模様で、上期の価格改定で動きの鈍かった定番商品も前年同期の売上水準を上回る勢いとなっている。このため下期には業績が回復することが予想され、2023年12月期以降の2ケタ成長回帰に向けて弾みとなろう。
■Key Points
・水産資源を原材料に食品や食材を生産するメーカーで、技術力や一貫生産に強み
・成長を続ける北米セブン-イレブンへの供給を目指し、M&A可能な工場をリサーチ
・2022年12月期下期は複数の新商品投入により業績回復見込み、来期以降の2ケタ成長回帰に弾み
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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