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サスメド Research Memo(1):2022年6月期は損失縮小。第三の治療法として注目されるデジタル治療を開発
配信日時:2022/10/12 17:21
配信元:FISCO
■要約
サスメド<4263>は、ミッションに「ICTの活用によって持続可能な医療サービスを社会に提供し続けること」を掲げて、新しい治療方法の提案、創薬プロセスの効率化による開発コストの適正化、医療データの活用による医薬産業のバリューチェーン全体の効率化を目指し、医薬品及び医療機器に次ぐ第三の治療法として注目されているデジタル治療(Digital Therapeutics、以下、DTx)の開発を軸に事業展開する研究開発段階のベンチャー企業である。同社は2021年12月に新規上場し、2022年4月の東京証券取引所(以下、東証)再編に伴いグロース市場に移行・上場した。セグメントはDTxプロダクト事業及びDTxプラットフォーム事業である。
1. 2022年6月期の業績概要
2022年6月期の業績(非連結、収益認識会計基準等の適用も損益への影響軽微)は、事業収益が前期比174.4%増の316百万円、営業損失が229百万円(前期は333百万円の損失)、経常損失が217百万円(同271百万円の損失)、当期純損失が233百万円(同277百万円の損失)となった。DTxプロダクト事業における契約一時金の収益計上、DTxプラットフォーム事業の利益率改善に加えて、研究開発費が想定を下回ったことも寄与して各利益の損失が縮小した。研究開発費は9.1%減少の226百万円となった。採用が計画を下回ったことに加えて、臨床試験スケジュールの変更と費用圧縮によって想定額を下回ったことによる。なお新規上場に伴う資金調達によって研究開発資金を確保しているため、現時点では財務面の懸念材料は存在しないと弊社では考えている。
2. 2023年6月期の業績見通し
2023年6月期の業績(非連結)予想は、事業収益が前期比64.9%増の522百万円、営業損失が442百万円(前期は229百万円の損失)、経常損失が442百万円(同217百万円の損失)、当期純損失が454百万円(同233百万円の損失)としている。塩野義製薬<4507>との販売提携契約に基づくマイルストン収入を見込んで事業収益が増加する見込みであるが、コスト面で採用計画の進捗回復のための費用増加、新たなパイプラインの獲得や研究開発要員の確保によって研究開発費の増加(前期比77.9%増の402百万円)を見込むため、全体として損失が拡大する予想である。
3. 中長期の成長見通し
同社は、当面は多額の研究開発費用が先行して期間損益のマイナスが継続する可能性がある。ただし、製造販売承認申請中の睡眠障害治療用アプリが承認を取得すれば2024年6月期以降の収益が大幅に拡大する可能性があり、ほかの開発パイプラインが順調に進捗すれば第2第3の承認取得に向けた期待も高まる。さらに、国の政策として厚生労働省がプログラム医療機器の普及促進に向けて承認環境の整備を推進していることも追い風となっており、開発パイプラインの拡充が加速する可能性もあるだろう。ブロックチェーン技術の応用によるDTxプラットフォーム事業の拡大や、DTxプロダクト事業とDTxプラットフォーム事業のシナジーも予想される。こうした点を勘案して中長期の成長が期待できると弊社では考えている。
■Key Points
・第三の治療法として注目されているDTxの開発を軸に事業展開する研究開発段階のベンチャー企業
・2023年6月期は研究開発費増加で各利益の損失拡大予想
・睡眠障害治療用アプリの承認取得や開発パイプラインの拡充などで中長期成長を期待
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
<SI>
サスメド<4263>は、ミッションに「ICTの活用によって持続可能な医療サービスを社会に提供し続けること」を掲げて、新しい治療方法の提案、創薬プロセスの効率化による開発コストの適正化、医療データの活用による医薬産業のバリューチェーン全体の効率化を目指し、医薬品及び医療機器に次ぐ第三の治療法として注目されているデジタル治療(Digital Therapeutics、以下、DTx)の開発を軸に事業展開する研究開発段階のベンチャー企業である。同社は2021年12月に新規上場し、2022年4月の東京証券取引所(以下、東証)再編に伴いグロース市場に移行・上場した。セグメントはDTxプロダクト事業及びDTxプラットフォーム事業である。
1. 2022年6月期の業績概要
2022年6月期の業績(非連結、収益認識会計基準等の適用も損益への影響軽微)は、事業収益が前期比174.4%増の316百万円、営業損失が229百万円(前期は333百万円の損失)、経常損失が217百万円(同271百万円の損失)、当期純損失が233百万円(同277百万円の損失)となった。DTxプロダクト事業における契約一時金の収益計上、DTxプラットフォーム事業の利益率改善に加えて、研究開発費が想定を下回ったことも寄与して各利益の損失が縮小した。研究開発費は9.1%減少の226百万円となった。採用が計画を下回ったことに加えて、臨床試験スケジュールの変更と費用圧縮によって想定額を下回ったことによる。なお新規上場に伴う資金調達によって研究開発資金を確保しているため、現時点では財務面の懸念材料は存在しないと弊社では考えている。
2. 2023年6月期の業績見通し
2023年6月期の業績(非連結)予想は、事業収益が前期比64.9%増の522百万円、営業損失が442百万円(前期は229百万円の損失)、経常損失が442百万円(同217百万円の損失)、当期純損失が454百万円(同233百万円の損失)としている。塩野義製薬<4507>との販売提携契約に基づくマイルストン収入を見込んで事業収益が増加する見込みであるが、コスト面で採用計画の進捗回復のための費用増加、新たなパイプラインの獲得や研究開発要員の確保によって研究開発費の増加(前期比77.9%増の402百万円)を見込むため、全体として損失が拡大する予想である。
3. 中長期の成長見通し
同社は、当面は多額の研究開発費用が先行して期間損益のマイナスが継続する可能性がある。ただし、製造販売承認申請中の睡眠障害治療用アプリが承認を取得すれば2024年6月期以降の収益が大幅に拡大する可能性があり、ほかの開発パイプラインが順調に進捗すれば第2第3の承認取得に向けた期待も高まる。さらに、国の政策として厚生労働省がプログラム医療機器の普及促進に向けて承認環境の整備を推進していることも追い風となっており、開発パイプラインの拡充が加速する可能性もあるだろう。ブロックチェーン技術の応用によるDTxプラットフォーム事業の拡大や、DTxプロダクト事業とDTxプラットフォーム事業のシナジーも予想される。こうした点を勘案して中長期の成長が期待できると弊社では考えている。
■Key Points
・第三の治療法として注目されているDTxの開発を軸に事業展開する研究開発段階のベンチャー企業
・2023年6月期は研究開発費増加で各利益の損失拡大予想
・睡眠障害治療用アプリの承認取得や開発パイプラインの拡充などで中長期成長を期待
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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