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午後3時のドルは上昇し146円前半、24年ぶりの高値水準更新 介入への警戒感も

配信日時:2022/10/12 15:22 配信元:REUTERS

[東京 12日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日のニューヨーク市場終盤(145.86/87円)から上昇し、146.20/22円付近で推移している。米金利先高感や欧州通貨安/ドル高の流れが波及し、ドルは対円で146円台と1998年8月以来24年ぶりの高値水準を更新した。

ドルは朝方に短期筋主導でストップロスを巻き込みながら、前回政府・日銀が円買い介入に踏み切った9月22日の高値145.90円付近を抜けた。オプションのノックアウトトリガーがあったとされる146円台に上昇したタイミングでは、オプション・ディラーによる売買がみられたほか、仲値にかけては実需のドル買いフローが入り、じり高で推移。投機的な仕掛けも入ったとみられ、ドルは一時146.39円付近まで上昇した。

午後に入り一時146.00円付近まで上げ幅を縮小する場面があった。イングランド銀行(英中央銀行)が国債買い入れ延長の用意があると金融機関に示唆したと報じられことから、英ポンドが対ドルが上昇。これを受けて、ユーロ/ドルも連れ高となり、ドルは対円でも売られた。

ただ、「英国は火種がくすぶっており、大きく買われる状況ではない」(上田東短フォレックスの営業企画室室長、阪井勇蔵氏)との声が聞かれるなど、ポンドやユーロはその後上げ幅を縮小し、ドル/円も146円前半まで水準を戻した。

ドルは前回の介入ラインを突破したことから、市場では日本政府・日銀がいつ再度の円買い介入を実施するかに関心が集まっている。

足元の米長期金利の上昇が一服する中、「投機的な動きで146円半ばを試すような動きが出てくれば、円買い介入がいつでてきてもおかしくはない」と、あおぞら銀行のチーフ・マーケット・ストラテジスト、諸我晃氏はみる。

一方、マネックス証券チーフFXコンサルタントの吉田恒氏は、相場がよほど不安定化しない限り、「(介入を行うとすれば)1998年の高値である147円60銭を超えたときだろう」との見方を示した。

鈴木俊一財務相や松野博一官房長官による円安けん制発言が相次いだものの、相場の反応は薄かった。きょうから米国で行われる20カ国(G20)財務相・中銀総裁会合で、金融引き締めが及ぼす影響にどの様な言及があるか、注目が集まっている。

ドル/円   ユーロ/ドル ユーロ/円

午後3時現在 146.20/22 0.9718/22  142.11/15

午前9時現在 145.88/90 0.9699/03  141.51/55

NY午後5時 145.86/87 0.9703/07  141.58/62

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