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セグエ Research Memo(3):自社開発、VAD、システムインテグレーションの3事業を展開(1)
配信日時:2022/10/11 17:13
配信元:FISCO
■事業概要
1. 同社のグループ
セグエグループ<3968>は純粋持株会社で、セキュリティ製品及びITインフラ製品の輸入・販売などを行う中核子会社のジェイズ・コミュニケーション、ITシステム(主に音声系)の構築サービスなどを行うジェイズ・テレコムシステム(株)、エンジニア派遣サービスを提供するジェイシーテクノロジー(株)、セキュリティ製品及びITインフラ製品の販売に加えシステムの運用サービスなどを行うジェイズ・ソリューション(株)の4社を有する。
2. グループの事業内容
同社グループの事業内容は、自社開発ビジネス、VADビジネス、システムインテグレーションビジネスの3つに区分されるが、いずれも技術を基盤としている。自社開発ビジネスでは、セキュリティソフトウェアライセンスの販売やサポートサービス・ヘルプデスクを展開している。VADビジネスでは、代理店として海外・国内のセキュリティ・ITインフラ製品やソフトウェアライセンスをメーカーと連携して販売するほか、サポートサービス・ヘルプデスクやオンサイト保守サービスを展開している。システムインテグレーションビジネスでは、顧客のニーズに応じてITインフラ・セキュリティ等の設計構築、導入サービスなどを提供する。さらに3つの事業すべてにおいて、プロフェッショナルサービスとして設計や構築、SE(システムエンジニア)サービスとして請負や派遣を行っている。また、マネージドサービスとして監視や管理等運用などの技術サービスを柔軟に行っている。顧客の要望に応じて販売パートナーに様々な付加価値を提供するほか、一部ではエンドユーザーへ直接ソリューションを提供していることも、同社の強みと言えるだろう。
2022年12月期第2四半期のビジネス別売上高構成比は、自社開発が7.5%、VADが49.2%、システムインテグレーションが43.3%であった。一方、売上総利益構成比では、自社開発が18.8%、VADが41.4%、システムインテグレーションが39.8%であった。この結果、売上総利益率は、自社開発が68.3%(前年同期比22.8ポイント上昇)、VADが22.9%(同3.1ポイント低下)、システムインテグレーションが25.0%(同2.2ポイント上昇)となった。同社では、売上総利益率が最も高い自社開発ビジネスをグループ成長の原動力とするべく注力している。
(1) 自社開発ビジネス
これまで培った技術を駆使して顧客の安全を支えるセキュリティソフトウェアを開発・提供するビジネスで、中核子会社のジェイズ・コミュニケーションで自社開発セキュリティソフトウェアのRevoWorksシリーズを提供している。具体的には、インターネット分離ソリューションのサーバ型仮想ブラウザ「RevoWorks SCVX」、インターネット分離ソリューションのローカル仮想ブラウザ「RevoWorks Browser」、セキュアテレワークソリューションのローカル仮想デスクトップ「RevoWorks Desktop」のほか、認証&テレワークソリューション「WisePoint Authenticator」、認証&シングルサインオンソリューション「WisePoint 8」などがある。RevoWorksの累計導入実績は増加傾向が続いており、2022年1~7月の導入実績は375社(前期末比66社増)、ユーザ数は359,219件(同69,050件増)に達している。(1) セキュリティと利便性を両立した操作性の実現、(2) 内蔵された安全なファイルダウンロード機能、(3) ユーザーニーズを的確にとらえた製品開発、といったRevoWorksの強みが評価され、導入実績の拡大につながっていると言えよう。なお、同社グループでは2016年1月より自社開発製品SCVX※の販売を開始してきたが、2020年8月よりSCVXを含む自社開発製品を、ユーザに分かりやすいようにRevoWorksブランドに統合している。
※Secure Container Virtual Extensionsの略。仮想ブラウザ(リモートブラウザとも言う)。コンピュータウイルス侵入を防ぐために、インターネットと業務端末をネットワーク分離するインターネット分離ソリューションのこと。
a) RevoWorks SCVX
主力の「RevoWorks SCVX」及び「RevoWorks Browser」(後述)は、医療機関、教育機関、金融機関、官公庁、中堅・中小企業などを主要顧客としている。近年、官公庁や民間企業では、インターネットを通じて想定していない未知の攻撃を受けており、インターネットセキュリティは「いたちごっこ」の状態にある。これに対し「RevoWorks SCVX」は、従来の「侵入されない防御」ではなく、「侵入される前提の防御」を目指すものである。「RevoWorks SCVX」により業務端末をインターネット分離することで、(1) 外部から攻撃を受けたとしても、その影響は仮想コンテナのみにとどまり、自身のPCは無傷で、(2) 自身のPCの「RevoWorks SCVX」ブラウザを落とすと、仮想コンテナもマルウェアごと消滅する。このように「RevoWorks SCVX」のセキュリティ対策は、極めて安全性の高い対策として、自治体だけでなく教育委員会、製造業、医療機関等へ販売を拡大している。
「RevoWorks SCVX」の導入事例としては、焼津市立総合病院、(一財)住友病院、国家公務員共済組合連合会 虎の門病院、ちばぎんコンピューターサービス(株)、東京かつしか赤十字母子医療センター、金沢赤十字病院などが挙げられる。
b) RevoWorks Browser
「RevoWorks Browser」はテレワークやリモートワークのセキュリティにフォーカスしたクラウドサービス対応のクライアント型インターネット分離ソリューションで、2019年10月にリリースされた。同社独自のローカルコンテナ技術を用いており、ユーザの利便性が高い。「RevoWorks SCVX」はサーバ型のコンテナ技術を利用しているが、「RevoWorks Browser」はクライアントPC上でコンテナ(アプリケーションを隔離された環境で動作させるコンテナ)を生成し、論理的なセキュリティ強度を確保しながら、ローカルアプリケーション実効の柔軟性と高いユーザ利便性を併せ持つインターネット分離環境の構築を可能とする。また、コンテナを実行するサーバが不要になることから、大規模構成やクラウドサービス提供時のコストパフォーマンスが大幅に向上する。2021年9月にはGoogle Chrome 及びMicrosoft Edgeのほか、分離環境でのWeb会議システムの利用にも対応した新機能バージョンをリリースした。
c) RevoWorks Desktop
「RevoWorks Desktop」は働き方改革を支援する自社開発のローカル仮想デスクトップで、2020年3月にリリースされた。独自コンテナ技術により高いセキュリティと利便性を両立させ、安全簡単なテレワークを支援する。日常業務で利用されるMS Office等のソフトウェアをクライアントPCに生成したコンテナ内で動作させることにより、作業中の情報流出を防止する。さらに、秘密分散暗号化技術によりコンテナ内のデータを無意味化することで、PCが紛失や盗難にあっても情報は漏洩しないように、二重の安全策を講じている。
RevoWorksの拡販に際しては、自治体情報システム強靭化も追い風になりそうだ。総務省では、2020年12月に「地方公共団体における情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」を改定した。これに伴い各自治体では、効率性と利便性を向上させた新たな対策が求められている。これに対し、RevoWorksは既存モデルと新たなモデル両方に対応することで、各自治体のニーズに応じた見直しの提案を可能としている。既に熊本県宇城市や東京都大田区など複数の導入実績があり、さらなる拡大を目指している。RevoWorksは取り扱いパートナーも増加しており、「RevoWorks SCVX」及び「RevoWorks Browser」が今後もグループ業績をけん引する原動力になると期待される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
<NS>
1. 同社のグループ
セグエグループ<3968>は純粋持株会社で、セキュリティ製品及びITインフラ製品の輸入・販売などを行う中核子会社のジェイズ・コミュニケーション、ITシステム(主に音声系)の構築サービスなどを行うジェイズ・テレコムシステム(株)、エンジニア派遣サービスを提供するジェイシーテクノロジー(株)、セキュリティ製品及びITインフラ製品の販売に加えシステムの運用サービスなどを行うジェイズ・ソリューション(株)の4社を有する。
2. グループの事業内容
同社グループの事業内容は、自社開発ビジネス、VADビジネス、システムインテグレーションビジネスの3つに区分されるが、いずれも技術を基盤としている。自社開発ビジネスでは、セキュリティソフトウェアライセンスの販売やサポートサービス・ヘルプデスクを展開している。VADビジネスでは、代理店として海外・国内のセキュリティ・ITインフラ製品やソフトウェアライセンスをメーカーと連携して販売するほか、サポートサービス・ヘルプデスクやオンサイト保守サービスを展開している。システムインテグレーションビジネスでは、顧客のニーズに応じてITインフラ・セキュリティ等の設計構築、導入サービスなどを提供する。さらに3つの事業すべてにおいて、プロフェッショナルサービスとして設計や構築、SE(システムエンジニア)サービスとして請負や派遣を行っている。また、マネージドサービスとして監視や管理等運用などの技術サービスを柔軟に行っている。顧客の要望に応じて販売パートナーに様々な付加価値を提供するほか、一部ではエンドユーザーへ直接ソリューションを提供していることも、同社の強みと言えるだろう。
2022年12月期第2四半期のビジネス別売上高構成比は、自社開発が7.5%、VADが49.2%、システムインテグレーションが43.3%であった。一方、売上総利益構成比では、自社開発が18.8%、VADが41.4%、システムインテグレーションが39.8%であった。この結果、売上総利益率は、自社開発が68.3%(前年同期比22.8ポイント上昇)、VADが22.9%(同3.1ポイント低下)、システムインテグレーションが25.0%(同2.2ポイント上昇)となった。同社では、売上総利益率が最も高い自社開発ビジネスをグループ成長の原動力とするべく注力している。
(1) 自社開発ビジネス
これまで培った技術を駆使して顧客の安全を支えるセキュリティソフトウェアを開発・提供するビジネスで、中核子会社のジェイズ・コミュニケーションで自社開発セキュリティソフトウェアのRevoWorksシリーズを提供している。具体的には、インターネット分離ソリューションのサーバ型仮想ブラウザ「RevoWorks SCVX」、インターネット分離ソリューションのローカル仮想ブラウザ「RevoWorks Browser」、セキュアテレワークソリューションのローカル仮想デスクトップ「RevoWorks Desktop」のほか、認証&テレワークソリューション「WisePoint Authenticator」、認証&シングルサインオンソリューション「WisePoint 8」などがある。RevoWorksの累計導入実績は増加傾向が続いており、2022年1~7月の導入実績は375社(前期末比66社増)、ユーザ数は359,219件(同69,050件増)に達している。(1) セキュリティと利便性を両立した操作性の実現、(2) 内蔵された安全なファイルダウンロード機能、(3) ユーザーニーズを的確にとらえた製品開発、といったRevoWorksの強みが評価され、導入実績の拡大につながっていると言えよう。なお、同社グループでは2016年1月より自社開発製品SCVX※の販売を開始してきたが、2020年8月よりSCVXを含む自社開発製品を、ユーザに分かりやすいようにRevoWorksブランドに統合している。
※Secure Container Virtual Extensionsの略。仮想ブラウザ(リモートブラウザとも言う)。コンピュータウイルス侵入を防ぐために、インターネットと業務端末をネットワーク分離するインターネット分離ソリューションのこと。
a) RevoWorks SCVX
主力の「RevoWorks SCVX」及び「RevoWorks Browser」(後述)は、医療機関、教育機関、金融機関、官公庁、中堅・中小企業などを主要顧客としている。近年、官公庁や民間企業では、インターネットを通じて想定していない未知の攻撃を受けており、インターネットセキュリティは「いたちごっこ」の状態にある。これに対し「RevoWorks SCVX」は、従来の「侵入されない防御」ではなく、「侵入される前提の防御」を目指すものである。「RevoWorks SCVX」により業務端末をインターネット分離することで、(1) 外部から攻撃を受けたとしても、その影響は仮想コンテナのみにとどまり、自身のPCは無傷で、(2) 自身のPCの「RevoWorks SCVX」ブラウザを落とすと、仮想コンテナもマルウェアごと消滅する。このように「RevoWorks SCVX」のセキュリティ対策は、極めて安全性の高い対策として、自治体だけでなく教育委員会、製造業、医療機関等へ販売を拡大している。
「RevoWorks SCVX」の導入事例としては、焼津市立総合病院、(一財)住友病院、国家公務員共済組合連合会 虎の門病院、ちばぎんコンピューターサービス(株)、東京かつしか赤十字母子医療センター、金沢赤十字病院などが挙げられる。
b) RevoWorks Browser
「RevoWorks Browser」はテレワークやリモートワークのセキュリティにフォーカスしたクラウドサービス対応のクライアント型インターネット分離ソリューションで、2019年10月にリリースされた。同社独自のローカルコンテナ技術を用いており、ユーザの利便性が高い。「RevoWorks SCVX」はサーバ型のコンテナ技術を利用しているが、「RevoWorks Browser」はクライアントPC上でコンテナ(アプリケーションを隔離された環境で動作させるコンテナ)を生成し、論理的なセキュリティ強度を確保しながら、ローカルアプリケーション実効の柔軟性と高いユーザ利便性を併せ持つインターネット分離環境の構築を可能とする。また、コンテナを実行するサーバが不要になることから、大規模構成やクラウドサービス提供時のコストパフォーマンスが大幅に向上する。2021年9月にはGoogle Chrome 及びMicrosoft Edgeのほか、分離環境でのWeb会議システムの利用にも対応した新機能バージョンをリリースした。
c) RevoWorks Desktop
「RevoWorks Desktop」は働き方改革を支援する自社開発のローカル仮想デスクトップで、2020年3月にリリースされた。独自コンテナ技術により高いセキュリティと利便性を両立させ、安全簡単なテレワークを支援する。日常業務で利用されるMS Office等のソフトウェアをクライアントPCに生成したコンテナ内で動作させることにより、作業中の情報流出を防止する。さらに、秘密分散暗号化技術によりコンテナ内のデータを無意味化することで、PCが紛失や盗難にあっても情報は漏洩しないように、二重の安全策を講じている。
RevoWorksの拡販に際しては、自治体情報システム強靭化も追い風になりそうだ。総務省では、2020年12月に「地方公共団体における情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」を改定した。これに伴い各自治体では、効率性と利便性を向上させた新たな対策が求められている。これに対し、RevoWorksは既存モデルと新たなモデル両方に対応することで、各自治体のニーズに応じた見直しの提案を可能としている。既に熊本県宇城市や東京都大田区など複数の導入実績があり、さらなる拡大を目指している。RevoWorksは取り扱いパートナーも増加しており、「RevoWorks SCVX」及び「RevoWorks Browser」が今後もグループ業績をけん引する原動力になると期待される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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