ユーロ圏の銀行、一段の政策支援を期待すべきでない＝銀行監督委

[ウィーン ４日 ロイター] - ユーロ圏の銀行監督を担う欧州中央銀行（ＥＣＢ）銀行監督委員会のアンドレア・エンリア委員長は４日、ユーロ圏の金融機関は政府による一段の政策支援を期待すべきでないとの認識を示した。

同委員長は、新型コロナウイルスのパンデミック（世界的な大流行）時には政府・中銀からの大型支援策が得られたため、銀行のバランスシートに対する影響は懸念されていたよりも小さかったが、インフレ高進が進む状況でそうした支援を再び得られることはないと言明。「今日われわれが直面している状況はパンデミックの時とは全く異なっており、将来の政策期待を経営戦略に反映させるべきではない」とした。

また、債務不履行リスクの高いいわゆる「不良債権」が、特に石油やガスなどのセクターで増加し続けており、６月末時点で２０２０年末の水準を１０％上回っている点も指摘。こうしたセクターへの融資は事業会社向け融資の少なくとも１８％を占めていると警鐘を鳴らした。