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富士ソフト Research Memo(6):2022年12月期上期業績は7期連続で増収増益を達成
配信日時:2022/09/30 17:06
配信元:FISCO
■業績動向
富士ソフト<9749>の2022年12月期上期の連結業績は、売上高が前年同期比6.7%増の141,328百万円、営業利益が同3.0%増の8,995百万円、経常利益が同5.2%増の9,954百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同25.7%増の5,850百万円と上期としては7期連続での増収増益となった。
この実績を、2022年2月公表の期初会社計画と比較すると、上期計画(売上高132,600百万円、営業利益7,600百万円、経常利益8,300百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益4,400百万円)に対する達成率は、売上高が106.6%、営業利益が118.4%、経常利益が119.9%、親会社株主に帰属する四半期純利益が133.0%と、それぞれ前年上期の達成率を上回った。
こうしたなかで、同社は顧客の業況感回復とDXニーズの高まりに対応するため、コロナ禍を受けて抑制していた採用活動を再拡大している。2022年6月末における臨時雇用を含む連結従業員数は17,436名と半年間で2,480名もの増員を実現し、生産力の確保と人財の高度化に注力している。
振り返れば、同社はリーマン・ショック前のピーク売上高(2006年3月期)を2017年12月期に更新、ピーク売上高更新まで実に10年余り要したわけだが、その間にフロー利益の回復だけでなく、財務体質強化と成長ポテンシャル増強を両立した実績を持つ。
具体的には、自己資本比率が2006年3月期末47.3%→2017年12月期末59.9%、流動比率が同96.4%→同184.9%、純有利子負債(有利子負債-現金及び預金)が同21,295百万円→同6,204百万円のキャッシュ超過など、代表的な財務指標の健全化を実現しつつ、2015年12月期以降は新卒中心の大量採用を継続することで成長ポテンシャルを積み上げている。人材面を見ると、連結従業員数は2006年3月期末の9,415人から2022年6月末現在17,436名に拡大、単体ベースの認定技術者比率(同社制度に基づく認定スペシャリストと認定プロジェクトマネージャーの合計数が全従業員数に占める比率)も2014年12月期末22.8%→2021年12月期末32.3%と上昇しており、人的リソースが質・量ともに拡充されていることは明らかである。
ここで、財務指標と経営戦略の関係を見ると、大量採用に踏み切った2015年12月期は、自己資本比率が60%台乗せを達成、流動比率も200%目前まで改善していた。そして今回のコロナ禍においても、自己資本比率が2019年12月期末54.1%→2022年12月期上期末54.8%、純有利子負債(有利子負債-現金及び預金)が同7,498百万円→同9,880百万円のキャッシュ超過(実質無借金経営)と同社は財務体質の一段の健全化を実現、再び人財投資を積極化する2022年12月期を前にキャッシュ超過額は11,523百万円(2021年12月期末)にまで積み上がっていた。
創業者を含む強いリーダーシップによる迅速な経営判断・実行力が同社の強みと言えるだろうが、躊躇せず「攻めの経営(先行投資の積極化)」に転じられたのも、業績低迷局面において「守りの経営(財務体質の強化)」を推進したからこそであり、事業環境の変化を的確に捉えた同社の冷静沈着な経営判断を高く評価したい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 前田吉弘)
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富士ソフト<9749>の2022年12月期上期の連結業績は、売上高が前年同期比6.7%増の141,328百万円、営業利益が同3.0%増の8,995百万円、経常利益が同5.2%増の9,954百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同25.7%増の5,850百万円と上期としては7期連続での増収増益となった。
この実績を、2022年2月公表の期初会社計画と比較すると、上期計画(売上高132,600百万円、営業利益7,600百万円、経常利益8,300百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益4,400百万円)に対する達成率は、売上高が106.6%、営業利益が118.4%、経常利益が119.9%、親会社株主に帰属する四半期純利益が133.0%と、それぞれ前年上期の達成率を上回った。
こうしたなかで、同社は顧客の業況感回復とDXニーズの高まりに対応するため、コロナ禍を受けて抑制していた採用活動を再拡大している。2022年6月末における臨時雇用を含む連結従業員数は17,436名と半年間で2,480名もの増員を実現し、生産力の確保と人財の高度化に注力している。
振り返れば、同社はリーマン・ショック前のピーク売上高(2006年3月期)を2017年12月期に更新、ピーク売上高更新まで実に10年余り要したわけだが、その間にフロー利益の回復だけでなく、財務体質強化と成長ポテンシャル増強を両立した実績を持つ。
具体的には、自己資本比率が2006年3月期末47.3%→2017年12月期末59.9%、流動比率が同96.4%→同184.9%、純有利子負債(有利子負債-現金及び預金)が同21,295百万円→同6,204百万円のキャッシュ超過など、代表的な財務指標の健全化を実現しつつ、2015年12月期以降は新卒中心の大量採用を継続することで成長ポテンシャルを積み上げている。人材面を見ると、連結従業員数は2006年3月期末の9,415人から2022年6月末現在17,436名に拡大、単体ベースの認定技術者比率(同社制度に基づく認定スペシャリストと認定プロジェクトマネージャーの合計数が全従業員数に占める比率)も2014年12月期末22.8%→2021年12月期末32.3%と上昇しており、人的リソースが質・量ともに拡充されていることは明らかである。
ここで、財務指標と経営戦略の関係を見ると、大量採用に踏み切った2015年12月期は、自己資本比率が60%台乗せを達成、流動比率も200%目前まで改善していた。そして今回のコロナ禍においても、自己資本比率が2019年12月期末54.1%→2022年12月期上期末54.8%、純有利子負債(有利子負債-現金及び預金)が同7,498百万円→同9,880百万円のキャッシュ超過(実質無借金経営)と同社は財務体質の一段の健全化を実現、再び人財投資を積極化する2022年12月期を前にキャッシュ超過額は11,523百万円(2021年12月期末)にまで積み上がっていた。
創業者を含む強いリーダーシップによる迅速な経営判断・実行力が同社の強みと言えるだろうが、躊躇せず「攻めの経営(先行投資の積極化)」に転じられたのも、業績低迷局面において「守りの経営(財務体質の強化)」を推進したからこそであり、事業環境の変化を的確に捉えた同社の冷静沈着な経営判断を高く評価したい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 前田吉弘)
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