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網屋 Research Memo(3):データセキュリティ事業とネットワークセキュリティ事業の2軸
配信日時:2022/09/27 16:33
配信元:FISCO
■事業概要
1. 事業内容
網屋<4258>の事業は、情報の安全を守る「データセキュリティ事業」と通信の安全を守る「ネットワークセキュリティ事業」の2つで構成されている。2021年12月期の事業別売上構成は、データセキュリティ事業が39.1%、ネットワークセキュリティ事業が60.9%であり、同営業利益構成はデータセキュリティ事業が66.5%、ネットワークセキュリティ事業が33.5%となっている。
同社の売上高の50%以上はストック売上高である。新規ソフトウエアライセンス販売により、翌年以降ソフトウエア年間保守料が売上高に上乗せされる構造となっており、利益は拡大を続けている。売上総利益率は50%を超えており、高い収益性を誇っている。
データセキュリティ事業では、ログデータマネジメントソリューション「ALogシリーズ」を中心に展開
2. 事業セグメント
(1) データセキュリティ事業
データセキュリティ事業は、国内外5,100以上の契約実績を誇るログデータマネジメントソリューション「ALogシリーズ」を中心に展開している。独自のログ翻訳変換技術と人工知能(AI)の不正予兆検知により、専門知識やノウハウがなくとも、高度なログ活用を実現できる。ファイルサーバだけでなく他のサーバやネットワーク機器のログを広範囲に管理できるため、内部不正対策やサイバー攻撃対策、障害原因の追究、ワークスタイル変革などの課題解決に活用されている。
同事業で販売する製品は、富士通<6702>、デル・テクノロジーズ(株)などのサーバに付帯するセキュリティソフトウエアである。そのため、ハードベンダー、またはそれらを再販売するディストリビュータ(流通業者)などが、主な販売代理店となっている。いずれも大手企業のため、同社の債権回収リスクの低減にもつながっている。2021年12月期の直間比率は直接販売が7%、間接販売が93%で、販売代理店を経由した間接販売が中心の事業となっている。
売上高は、(1)スポット売上高として「ALogシリーズ」のソフトウエアライセンス販売費、導入に関わる設計・構築費など(2)ストック売上高として、ソフトウエア年間保守料がある。新規ソフトウエアライセンス販売により、翌年以降ソフトウエア年間保守料が売上に上乗せされる構造となっており、順調に利益は拡大を続けている。2021年12月期のストック売上比率は58.8%(前期56.6%)を占め、同売上総利益率は84.0%(同86.2%)と高い利益率を誇っている。主な売上原価は、開発費、保守サポート要員の労務費及び外部委託費である。
データセキュリティ事業ではあらゆるログを管理できるソフトウエアを開発・販売している。ログ管理は、監視ビデオと同じように事件後の追跡素材や証拠資料として重要な役割を担う。例えば、社内関係者によるデータの持ち出しの監視、外部からのサイバー攻撃検知、テレワーク下での労務管理など、あらゆる企業運営に関わる挙動に対してログが利用されている。同社が提供する「ALogシリーズ」には、社内セキュリティの課題解決に活用できるファイルサーバアクセスログ管理 「ALog ConVerter」(エーログ コンバータ)と統合ログ管理「ALog EVA」(エーログ エヴァ)の2種類のラインナップがある
(a) 「ALog ConVerter」
「ALog ConVerter」は、情報漏洩など内部不正の抑止のために使用されるログ管理製品である。重要データが格納されている大規模なファイルサーバやストレージサーバの操作を記録するものとして利用される。誰がいつどこでファイルを編集したのか、削除したのか、持ち出したのか、を記録することで、社内からの情報漏洩を監視・抑制できるようになる。特長は、複雑なログを分かりやすく視認できるものに分析変換する加工技術である。他社製品の多くは大量かつ複雑なログをそのまま記録保管するのみだが、「ALog ConVerter」は、それを見える化できる解析処理技術を有している。そして、分かりやすいログとして表現できるため、有事の際の即時検知が実現されている。同様のログ管理他社製品では、パソコンからログを取得するPCログ管理製品がある。PCログ管理製品の場合、PC全台にエージェント※システムを設置してすべてを監視する必要があり、運用の手間が相当にかかる。また、PC台数分のライセンスを必要とするため、高額なコスト負担が顧客に発生する。「ALog ConVerter」は、重要データが保管されているファイル共有サーバに焦点をあて、PC全台の監視を要さず、導入の容易性と低価格化を実現している。さらに、従業員を監視せずにデータのみを監視できるようになるため、プライバシーを保護した形でセキュリティ対策ができるようになっている。
※「代理人」を意味し、IT分野では、利用者や他のシステムに代わって、指定された情報を自動的に取得するなど、代理で動作するソフトウエアのこと。
(b) 「ALog EVA」
「ALog ConVerter」がファイルサーバのログ管理に特化していたため、ファイルサーバ以外のあらゆるログを広範囲に管理できる製品を提供するべく、「ALog EVA」が開発された。「ALog EVA」はあらゆるサーバやネットワーク機器などのログを管理する製品で、統合ログと呼ばれるカテゴリの製品に属している。複雑な設計を要さないようにあらかじめ設計済みのテンプレートを標準提供しており、サイバー攻撃検知やテレワーク下での勤怠管理などが簡単にログから実現できる。
従来のログ管理製品は、大量かつ複雑なログを効果的に活用できずにいた。同社では、ログの整理化、意味付け、活用方法を展開したテンプレートを標準付帯として提供している。また、いずれの製品にも最新版からAI機能が搭載され、いつもと違う不審・不穏な挙動を過去のログから自動判定する機能を提供している。事後追跡としてのログの活用から、予兆検知による不正の未然防止として利用できるようになっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 藤田 要)
<SI>
1. 事業内容
網屋<4258>の事業は、情報の安全を守る「データセキュリティ事業」と通信の安全を守る「ネットワークセキュリティ事業」の2つで構成されている。2021年12月期の事業別売上構成は、データセキュリティ事業が39.1%、ネットワークセキュリティ事業が60.9%であり、同営業利益構成はデータセキュリティ事業が66.5%、ネットワークセキュリティ事業が33.5%となっている。
同社の売上高の50%以上はストック売上高である。新規ソフトウエアライセンス販売により、翌年以降ソフトウエア年間保守料が売上高に上乗せされる構造となっており、利益は拡大を続けている。売上総利益率は50%を超えており、高い収益性を誇っている。
データセキュリティ事業では、ログデータマネジメントソリューション「ALogシリーズ」を中心に展開
2. 事業セグメント
(1) データセキュリティ事業
データセキュリティ事業は、国内外5,100以上の契約実績を誇るログデータマネジメントソリューション「ALogシリーズ」を中心に展開している。独自のログ翻訳変換技術と人工知能(AI)の不正予兆検知により、専門知識やノウハウがなくとも、高度なログ活用を実現できる。ファイルサーバだけでなく他のサーバやネットワーク機器のログを広範囲に管理できるため、内部不正対策やサイバー攻撃対策、障害原因の追究、ワークスタイル変革などの課題解決に活用されている。
同事業で販売する製品は、富士通<6702>、デル・テクノロジーズ(株)などのサーバに付帯するセキュリティソフトウエアである。そのため、ハードベンダー、またはそれらを再販売するディストリビュータ(流通業者)などが、主な販売代理店となっている。いずれも大手企業のため、同社の債権回収リスクの低減にもつながっている。2021年12月期の直間比率は直接販売が7%、間接販売が93%で、販売代理店を経由した間接販売が中心の事業となっている。
売上高は、(1)スポット売上高として「ALogシリーズ」のソフトウエアライセンス販売費、導入に関わる設計・構築費など(2)ストック売上高として、ソフトウエア年間保守料がある。新規ソフトウエアライセンス販売により、翌年以降ソフトウエア年間保守料が売上に上乗せされる構造となっており、順調に利益は拡大を続けている。2021年12月期のストック売上比率は58.8%(前期56.6%)を占め、同売上総利益率は84.0%(同86.2%)と高い利益率を誇っている。主な売上原価は、開発費、保守サポート要員の労務費及び外部委託費である。
データセキュリティ事業ではあらゆるログを管理できるソフトウエアを開発・販売している。ログ管理は、監視ビデオと同じように事件後の追跡素材や証拠資料として重要な役割を担う。例えば、社内関係者によるデータの持ち出しの監視、外部からのサイバー攻撃検知、テレワーク下での労務管理など、あらゆる企業運営に関わる挙動に対してログが利用されている。同社が提供する「ALogシリーズ」には、社内セキュリティの課題解決に活用できるファイルサーバアクセスログ管理 「ALog ConVerter」(エーログ コンバータ)と統合ログ管理「ALog EVA」(エーログ エヴァ)の2種類のラインナップがある
(a) 「ALog ConVerter」
「ALog ConVerter」は、情報漏洩など内部不正の抑止のために使用されるログ管理製品である。重要データが格納されている大規模なファイルサーバやストレージサーバの操作を記録するものとして利用される。誰がいつどこでファイルを編集したのか、削除したのか、持ち出したのか、を記録することで、社内からの情報漏洩を監視・抑制できるようになる。特長は、複雑なログを分かりやすく視認できるものに分析変換する加工技術である。他社製品の多くは大量かつ複雑なログをそのまま記録保管するのみだが、「ALog ConVerter」は、それを見える化できる解析処理技術を有している。そして、分かりやすいログとして表現できるため、有事の際の即時検知が実現されている。同様のログ管理他社製品では、パソコンからログを取得するPCログ管理製品がある。PCログ管理製品の場合、PC全台にエージェント※システムを設置してすべてを監視する必要があり、運用の手間が相当にかかる。また、PC台数分のライセンスを必要とするため、高額なコスト負担が顧客に発生する。「ALog ConVerter」は、重要データが保管されているファイル共有サーバに焦点をあて、PC全台の監視を要さず、導入の容易性と低価格化を実現している。さらに、従業員を監視せずにデータのみを監視できるようになるため、プライバシーを保護した形でセキュリティ対策ができるようになっている。
※「代理人」を意味し、IT分野では、利用者や他のシステムに代わって、指定された情報を自動的に取得するなど、代理で動作するソフトウエアのこと。
(b) 「ALog EVA」
「ALog ConVerter」がファイルサーバのログ管理に特化していたため、ファイルサーバ以外のあらゆるログを広範囲に管理できる製品を提供するべく、「ALog EVA」が開発された。「ALog EVA」はあらゆるサーバやネットワーク機器などのログを管理する製品で、統合ログと呼ばれるカテゴリの製品に属している。複雑な設計を要さないようにあらかじめ設計済みのテンプレートを標準提供しており、サイバー攻撃検知やテレワーク下での勤怠管理などが簡単にログから実現できる。
従来のログ管理製品は、大量かつ複雑なログを効果的に活用できずにいた。同社では、ログの整理化、意味付け、活用方法を展開したテンプレートを標準付帯として提供している。また、いずれの製品にも最新版からAI機能が搭載され、いつもと違う不審・不穏な挙動を過去のログから自動判定する機能を提供している。事後追跡としてのログの活用から、予兆検知による不正の未然防止として利用できるようになっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 藤田 要)
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