Reuters Japan Online Report Business News

日経平均は反落、FOMCを前に持ち高調整 米引き締めを警戒

配信日時:2022/09/21 15:37 配信元:REUTERS

[東京 21日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は、前営業日比375円29銭安の2万7313円13銭と、反落して取引を終えた。前日の米株安を嫌気して安く始まった後も、軟調な値動きが続いた。米連邦公開市場委員会(FOMC)への警戒感が重しとなり、主力株や値がさのハイテク株の下落が目立った。

日経平均は200円超安で寄り付いた後も下げ幅を広げ、一時390円安まで下落した。FOMCや日銀の金融政策決定会合といったイベントを控えてポジション調整の売りが出た。その後も、午後にかけて動意に乏しい展開が続いた。

主力株に軟調な銘柄が目立ったほか、米長期金利の上昇を背景に、値がさのハイテク株やグロース(成長)株なども売られた。「直近に買われていた銘柄ほど売られやすかった」(国内運用会社)といい、空運や陸運、旅行関連などリオープン(経済再開)銘柄も軟調だった。海運や保険などはしっかりだったが「循環的な売買だろう。セクターを通して大きな方向感はみられない」(国内証券)との声が聞かれた。

日本時間の明日未明に結果が公表されるFOMCでは、75ベーシスポイント(bp)の利上げとの見方が優勢で、大方の予想通りの場合「アク抜けが期待できるのではないか」(別の国内証券)との声も聞かれた。ただ、市場の一部では100bpの利上げを予想する見方もあり、100bpの場合はタカ派サプライズになることが警戒されている。

FOMCメンバーの政策金利予想分布(ドットチャート)や、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の会見を通じて、次回以降の利上げペースの見通しにも注目が集まる。一連のイベントを通過した後の米金利の動きが、株価に影響するとみられている。

一方、市場では「FOMCが想定以上にタカ派化したとしても、慌てる必要はないだろう」(しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹運用本部長)との声も聞かれた。「インフレが収まっていく方向は変わらない。利上げも織り込んでしまえばさほど気にしなくていいのではないか」(藤原氏)との見方が出ていた。

TOPIXは1.36%安の1920.80ポイント、東証プライム市場指数は前営業日比1.36%安の988.41ポイントで取引を終了。プライム市場の売買代金は2兆4719億0500万円だった。東証33業種では、値上がりは海運業や保険業、石油・石炭製品など4業種で、値下がりは輸送用機器やガラス・土石製品、空運業など29業種だった。

トヨタ自動車が大幅安だったほか、東京エレクトロンは年初来安値を更新。リクルートHLDGもさえなかった。一方、日本郵船やT&D HLDGは堅調。神戸製鋼所もしっかりだった。

東証プライム市場の騰落数は、値上がりが288銘柄(15%)、値下がりは1491銘柄(81%)、変わらずは58銘柄(3%)だった。

ニュースカテゴリ