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NY外為市場=ドル下落、20年ぶり高値圏は維持

配信日時:2022/09/01 05:14 配信元:REUTERS

[ニューヨーク 31日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、ドル指数が下落した。ただ、トレーダーが米連邦準備理事会(FRB)による追加利上げに備える中、29日に付けた約20年ぶりの高値に近い水準を維持した。

ドル指数は0.1%安の108.66。29日には109.48と20年ぶりの高値を付けた。

月間では約2.6%高と3カ月連続の上昇となる見込み。

FRB当局者は高インフレ抑制に向け追加利上げを支持する発言を繰り返している。31日には米クリーブランド地区連銀のメスター総裁が、インフレ率を目標まで下げるためにFRBは来年初頭までに政策金利を4%をやや上回る水準まで引き上げ、その水準を維持する必要があるとの見方を示した。

FXストリート・ドットコムのシニアアナリスト、ジョセフ・トレビサーニ氏は、第3・四半期がマイナス成長になったとしてもFRBのタカ派路線は変わらないとの見方を示した。

シルバー・ゴールド・ブルの外為・貴金属リスクマネジメント担当ディレクター、エリック・ブレガー氏は、FRBが方向転換するとの7月下旬時点の見方は改めなければならず、再びドルに強気になるべきと指摘。「現在の唯一の変化は、欧州中央銀行(ECB)が追いつこうと必死になっているように見えることだ。そのため金利スプレッドがユーロ/ドルを支えている」とした。

ユーロ/ドルは再び等価(パリティ)を突破したが、エネルギー危機とリセッション(景気後退)懸念の中で、ユーロに対する見通しは依然として不透明となっている。

ロシア国営ガスプロムは31日、欧州に天然ガスを送る主要パイプライン「ノルドストリーム1」を介したガス供給を停止したと発表した。

INGバンクのFXストラテジスト、フランチェスコ・ペソーレ氏は、週明けにはガス供給を巡る見方の改善がユーロを支援していたが、「今や薄れつつあり、ユーロ/ドルの上値を抑えるだろう」と述べた。

ユーロ/ドルは0.31%高の1.0047ドル。

欧州連合(EU)統計局が31日発表した8月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値は前年比上昇率が9.1%と、前月の8.9%から加速し、前月に続いて過去最高を更新した。市場予想(9.0%)も上回った。

ノルウェークローネは対ドルで約1.5%安。ノルウェー中央銀行は31日、石油・ガス売却収入の急増を受けて政府系ファンド向けの外貨購入を9月に大幅に増やすと発表した。

ポンド/ドルは0.3%安の1.16185ドル。月間では4.6%安と2016年10月以来の大幅な下げとなる勢い。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインは0.73%高の1万9963ドル。リスク資産への警戒感がくすぶり、上値は限定的だった。

ドル/円 NY午後4時 138.91/138.92

始値 138.72

高値 138.97

安値 138.46

ユーロ/ドル NY午後4時 1.0047/1.0051

始値 0.9978

高値 1.0078

安値 0.9978

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