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株価指数先物 【週間展望】 ―9月FOMCまで慎重姿勢も、日米金利差を狙ったトレードに伴う資金流入が意識されやすい

配信日時:2022/08/28 17:00 配信元:MINKABU
「9月FOMCまで慎重姿勢も、日米金利差を狙ったトレードに伴う資金流入が意識されやすい」   今週の日経225先物は、経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」におけるパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を受けた、米国市場の急落により波乱含みのスタートなろう。パウエル議長は講演でインフレ抑制について「やり遂げるまでやり続けなければならない」と述べ、利上げを継続する姿勢を示した。この発言によって早期利下げ観測が後退し、金融引き締めが長期化するとの観測が強まり、26日の米国市場では幅広い銘柄が売られ、NYダウの下落幅は1000ドルを超えた。  シカゴ日経平均先物は日中大阪比390円安の2万8220円で終えており、日経225先物はナイトセッションで同490円安の2万8120円だった。週明けの東京市場はこれにサヤ寄せする格好からギャップスタートが見込まれ、朝方はインデックスに絡んだ売りが集中することになるだろう。6月の戻り高値2万8350円を明確に下回ったほか、支持線として意識されていた25日移動平均線(2万8245円)を下回ったことによりトレンドは悪化し、8月17日高値の2万9230円で目先的なピークを打った形状となる。  また、FRB議長講演を受けて、9月20、21日に予定される米連邦公開市場委員会(FOMC)まで慎重姿勢がくすぶり続ける可能性がある。今週は米国では30日に6月ケース・シラー住宅価格指数、31日に8月シカゴ購買部協会景気指数、9月1日に8月ISM製造業景況指数、2日には8月雇用統計の発表が予定されている。さらに、翌週末には日本では先物オプション特別清算指数算出日(メジャーSQ)を控えていることもあり、徐々にSQに絡んだ商いが中心となりやすく、積極的にポジションを傾けてくる動きには向かいづらいだろう。もっとも、8月半ばの2万8000円水準から2万9230円までの急伸場面で下落を想定したダブルインバースの建玉が積み上がっていたが、これについてはカバーを入れやすくなるため、全体の需給状況としてはそれほど悪化しないと見られる。  また、日経225先物は若干25日線を下回った水準であり、8月前半の保ち合い水準だった2万8000円処では押し目待ち狙いのロングが意識されやすいだろう。一方、9月FOMCでの0.75%利上げの確率が高まってきているなか、NYダウは75日線に接近してきた。為替市場では1ドル=137円半ばと円安基調を見せていることもあり、日米金利差を狙ったトレードに伴う資金流入が意識されやすい。  VIX指数は25.56に上昇し、25日線を支持線に75日線水準まで急伸した。強弱の分かれ目となる25.00を超えてきたことで、リスクオフムードが高まりやすい。ただし、75日線が抵抗線として機能する可能性もあるため、まずは同線を明確に上放れてくるかを見極めたいところである。チャート上では同線をクリアしてくるようだと、6月半ばの35.05をピークとした下向きのトレンドは、8月半ばの19.12倍で目先底を打った形状になることから、投資家心理をより神経質にさせてくる可能性がある。  先週のNT倍率は先物中心限月で14.47倍に上昇した。8月半ばの14.58倍からの調整を継続していたが、25日線が支持線として機能する形で週後半にリバランスの動きを見せていた。週明けは指数インパクトの大きい値がさ株の下落によって、NT倍率は低下が見込まれる。米長期金利は上昇したが、比較的落ち着いた動きを見せていたこともあり、25日線が位置する14.40倍割れ辺りでは、NTロングを組成する動きも意識されてきそうだ。  8月第3週(8月15日- 19日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では3週連続で買い越しており、買い越し額は4040億円(前週は3943億円の買い越し)だった。なお、現物は222億円の売り越し(同1229億円の買い越し)と2週ぶりの売り越しであり、先物は4263億円の買い越し(同2714億円の買い越し)と5週連続で買い越している。個人は現物と先物の合算で1020億円の売り越しで、7週連続の売り越し。信託銀行は現物と先物の合算で86億円の買い越しとなり、5週ぶりの買い越しだった。  経済スケジュールでは、29日に6月景気動向指数改定値、30日に米国6月ケース・シラー住宅価格指数、米国8月消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)、31日に7月鉱工業生産、7月百貨店/スーパー販売額、中国8月製造業購買担当者景気指数(PMI)、米国MBA住宅ローン申請指数、米国8月シカゴ購買部協会景気指数、9月1日に4-6月期法人企業統計調査、中国8月財新製造業PMI、米国8月製造業PMI改定値、米国8月ISM製造業景況指数、2日に米国8月雇用統計、米国7月製造業新規受注などが予定されている。 ――プレイバック・マーケット―― ●SQ値 01月限 日経225 28266.57  TOPIX  1988.69 02月限 日経225 27835.60  TOPIX  1965.67 03月限 日経225 25457.94  TOPIX  1808.03 04月限 日経225 27122.37  TOPIX  1904.02 05月限 日経225 25951.24  TOPIX  1838.12 06月限 日経225 28122.81  TOPIX  1955.38 07月限 日経225 26659.58  TOPIX  1890.16 08月限 日経225 28525.62  TOPIX  1963.05 ◆日経225先物(日足)          始値   高値   安値   清算値  前日比 22/09 08月26日  28610  28790  28450  28610  +100 22/09 08月25日  28290  28530  28240  28510  +190 22/09 08月24日  28430  28570  28260  28320  -70 22/09 08月23日  28670  28680  28380  28390  -320 22/09 08月22日  28900  28920  28540  28710  -220 ◇TOPIX先物(日足)          始値   高値   安値   清算値  前日比 22/09 08月26日  1984.5  1989.5  1975.0  1977.0  ±0.0 22/09 08月25日  1964.5  1980.5  1961.0  1977.0  +10.5 22/09 08月24日  1971.0  1977.5  1963.0  1966.5  -1.5 22/09 08月23日  1985.0  1986.0  1967.0  1968.0  -20.0 22/09 08月22日  1994.0  1995.5  1973.0  1988.0  -7.5 ●シカゴ日経平均 円建て           清算値  前日比 08月26日(09月限)  28220  -390 08月25日(09月限)  28680  +170 08月24日(09月限)  28460  +140 08月23日(09月限)  28460  +70 08月22日(09月限)  28465  -245 ※前日比は大阪取引所終値比 □裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額)         売り   前週末比   買い    前週末比 08月19日    2722億円  +30億円 1兆4617億円  +1369億円 08月12日    2691億円  -121億円 1兆3248億円  +3743億円 08月05日    2813億円  -71億円  9504億円  +160億円 07月29日    2884億円  -734億円  9344億円  -149億円 07月22日    3619億円  -646億円  9493億円  +1825億円 07月15日    4266億円  -965億円  7668億円  -1430億円 07月08日    5231億円  +463億円  9098億円  +2426億円 07月01日    4768億円 +2043億円  6671億円  -907億円 □裁定取引に係る現物ポジション(株数)         売り      前日比  買い       前日比 08月24日    6463万株    +2万株  4億5745万株   -1275万株 08月23日    6460万株   +0.8万株  4億7020万株   -1653万株 08月22日    6459万株      0株  4億8674万株   +691万株 08月19日    6459万株   -270万株  4億7983万株   -0.1万株 08月18日    6730万株    -1万株  4億7983万株   -816万株 08月17日    6731万株   +121万株  4億8799万株   +2196万株 08月16日    6610万株   -197万株  4億6602万株   +942万株 08月15日    6807万株   +557万株  4億5660万株   +1407万株 08月12日    6250万株   -169万株  4億4252万株   +1億0541万株 08月10日    6419万株   +160万株  3億3711万株   +636万株 08月09日    6258万株   -401万株  3億3074万株   -151万株 08月08日    6660万株    +43万株  3億3225万株   +690万株 08月05日    6617万株   -112万株  3億2535万株   +774万株 08月04日    6730万株     0万株  3億1761万株   -1096万株 08月03日    6730万株    +18万株  3億2858万株   -675万株 08月02日    6711万株   -157万株  3億3533万株   -1516万株 ■日本銀行による指数連動型上場投資信託(ETF)買い入れ推移(通常ETF分) 【2022年】 1月14日  701億円 1月25日  701億円 2月14日  701億円 3月07日  701億円 4月07日  701億円 5月19日  701億円 6月13日  701億円 6月17日  701億円 株探ニュース

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