みんかぶニュース その他

株価指数先物 【週間展望】 ―2万8500円~2万9000円のレンジに移行、1月高値が射程に入る

配信日時:2022/08/14 17:00 配信元:MINKABU
「2万8500円~2万9000円のレンジに移行、1月高値が射程に入る」  今週の日経225先物は、先週末の大幅上昇によって需給状況が大きく改善するなか、一段のリバウンドを窺う展開が見込まれる。先週は週初こそ、7月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控えるなか、エヌビディアやマイクロン・テクノロジーの慎重な先行き見通しに加えて、国内では指数インパクトの大きい東京エレクトロン <8035> [東証P]が市場予想を下回る4-6月期業績を発表したことを受けて、半導体需要の先行き懸念が相場の重荷となった。東京市場は祝日を挟んでいたこともあり、日経225先物はCPI発表前には一時2万7710円と節目の2万8000円を下回る場面も見られた。  しかし、10日発表の米CPIは約40年ぶりの上昇率だった前月から鈍化したことで、インフレ率はピークに達したとの見方が広がり、10日の米国市場は大幅に上昇。さらに、11日に発表された7月の米生産者物価指数(PPI)が予想に反して低下し、インフレ圧力の低下を示した。これを受けた12日の東京市場では日経225先物はギャップスタートから一気に6月10日につけた戻り高値2万8350円を突破。その後も終日強い値動きを続け、2万8540円と日中高値で取引を終えていた。  12日の米国市場では7月の米輸入物価指数が予想以上に低下するなど、足元でインフレ圧力の低下を示す指標の発表が相次ぐなか、米連邦準備理事会(FRB)が利上げペースを緩めるとの期待が高まった。また、8月の米ミシガン大消費者信頼感指数が予想以上に改善したことで、米国経済に対する悲観的な見方が後退し、ソフトランディング(軟着陸)は可能との見方が強まった。主要な株価指数は上昇し、ナスダックの上昇率が2%を超えたほか、シカゴ日経平均先物は日中大阪比170円高の2万8710円で取引を終えている。  週明けの東京市場はこの流れを引き継ぎ、日経225先物はギャップスタートとなろう。節目の2万8500円を明確に上放れるなか、支持線は3月と6月のダブルトップ水準だった2万8375円から2万8500円に切り上がるため、2万8500円~2万9000円とレンジに移行する。これにより、1月4日の高値2万8970円が射程に入ってくるだろう。  6月の急落分を完全に吸収したことにより、急落局面でポジションをほぼ解消していたファンドなどは、ポジションを従来の水準に戻す動きを強めると見られる。さらに、節目の2万8500円を突破し1月高値水準が意識されるなか、ロングオンリーのファンドは一段とポジションの積み増しを迫られよう。また、 S&P500が1月高値から6月安値までの半値戻しを達成したことで買いの動きが強まりやすいセンチメントとなり、ショートカバーも意識されそうだ。  米連邦準備理事会(FRB)高官は来年も利上げを続けるとの見通しを示しており、9月の連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ幅を予想するうえで、引き続き今後発表される経済指標の影響を受けやすいと考えられる。ただし、需給状況が改善するなか、調整局面での押し目買い意欲は強そうだ。また、VIX指数は12日に一時19.12と4月前半以来の水準まで低下する場面が見られており、リスク選好の動きは継続する。  なお、先週のNT倍率は14.45倍で終えた。朝方に一時14.21倍まで低下した後は急速に切り返していた。オプションSQに絡んだ商いでややイレギュラー的な動きがあったと見られるが、この修正によって日経225先物が押し上げられた面もあろう。イレギュラー的な動きを考慮すると戻り一巡感はあるものの、米国市場では慎重な見通しが嫌気されたエヌビディアが下落分を埋めてきたほか、マイクロン・テクノロジーは直近の戻り高値を上回ってきている。東京市場でも相対的に出遅れているハイテク株などを見直す動きが期待され、これにより日経平均型優位の動きからNT倍率は上向きのトレンドが意識されそうだ。  8月第1週(8月1日- 5日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では2週ぶりに買い越しており、買い越し額は3375億円(前週は1483億円の売り越し)だった。なお、現物は820億円の売り越し(同3083億円の売り越し)と2週連続の売り越しであり、先物は4196億円の買い越し(同1599億円の買い越し)と3週連続で買い越している。個人は現物と先物の合算で1074億円の売り越しで、5週連続の売り越し。信託銀行は現物と先物の合算で2745億円の売り越しとなり、3週連続の売り越しだった。  経済スケジュールでは、15日に4-6月期実質国内総生産(GDP)、中国7月小売売上高、米国8月ニューヨーク連銀製造業景気指数、16日に米国7月住宅着工件数、17日に6月機械受注、7月貿易統計、米国7月小売売上高、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨、18日に米国8月フィラデルフィア連銀製造業景気指数、米国7月景気先行指標総合指数、19日に7月全国消費者物価指数などが予定されている。 ――プレイバック・マーケット―― ●SQ値 01月限 日経225 28266.57  TOPIX  1988.69 02月限 日経225 27835.60  TOPIX  1965.67 03月限 日経225 25457.94  TOPIX  1808.03 04月限 日経225 27122.37  TOPIX  1904.02 05月限 日経225 25951.24  TOPIX  1838.12 06月限 日経225 28122.81  TOPIX  1955.38 07月限 日経225 26659.58  TOPIX  1890.16 08月限 日経225 28525.62  TOPIX  1963.05 ◆日経225先物(日足)          始値   高値   安値   清算値  前日比 22/09 08月12日  27830  28540  27830  28540  +750 22/09 08月10日  27940  28000  27710  27790  -170 22/09 08月09日  28200  28310  27940  27960  -280 22/09 08月08日  28130  28260  27980  28240  +70 ◇TOPIX先物(日足)          始値   高値   安値   清算値  前日比 22/09 08月12日  1935.5  1986.5  1935.0  1974.5  +41.5 22/09 08月10日  1933.5  1939.0  1923.5  1933.0  -2.0 22/09 08月09日  1951.5  1961.0  1933.5  1935.0  -14.5 22/09 08月08日  1944.0  1952.0  1936.0  1949.5  +2.5 ●シカゴ日経平均 円建て           清算値  前日比 08月12日(09月限)  28710  +170 08月11日(09月限)  28120  +330 08月10日(09月限)  28120  +330 08月09日(09月限)  27820  -140 08月08日(09月限)  28125  -115 ※前日比は大阪取引所終値比 □裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額)         売り   前週末比   買い    前週末比 08月05日    2813億円  -71億円  9504億円  +160億円 07月29日    2884億円  -734億円  9344億円  -149億円 07月22日    3619億円  -646億円  9493億円  +1825億円 07月15日    4266億円  -965億円  7668億円  -1430億円 07月08日    5231億円  +463億円  9098億円  +2426億円 07月01日    4768億円 +2043億円  6671億円  -907億円 06月24日    2725億円  +270億円  7579億円  -1360億円 06月17日    2454億円  +319億円  8939億円  -1331億円 □裁定取引に係る現物ポジション(株数)         売り      前日比  買い       前日比 08月09日    6258万株   -401万株  3億3074万株   -151万株 08月08日    6660万株    +43万株  3億3225万株   +690万株 08月05日    6617万株   -112万株  3億2535万株   +774万株 08月04日    6730万株     0万株  3億1761万株   -1096万株 08月03日    6730万株    +18万株  3億2858万株   -675万株 08月02日    6711万株   -157万株  3億3533万株   -1516万株 08月01日    6868万株    -6万株  3億5049万株   +2546万株 07月29日    6875万株   -723万株  3億2503万株   +287万株 07月28日    7599万株    -95万株  3億2215万株   -1521万株 07月27日    7694万株   -994万株  3億3736万株   +89万株 07月26日    8688万株   +105万株  3億3647万株   +675万株 07月25日    8583万株    -5万株  3億2971万株   +300万株 07月22日    8589万株   -325万株  3億2671万株   +2041万株 07月21日    8914万株   -538万株  3億0629万株   +1310万株 07月20日    9453万株   -2021万株  2億9319万株   +2261万株 07月19日  1億1475万株   +166万株  2億7057万株   +421万株 ■日本銀行による指数連動型上場投資信託(ETF)買い入れ推移(通常ETF分) 【2022年】 1月14日  701億円 1月25日  701億円 2月14日  701億円 3月07日  701億円 4月07日  701億円 5月19日  701億円 6月13日  701億円 6月17日  701億円 株探ニュース

Copyright (C) MINKABU, Inc. All rights reserved.

ニュースカテゴリ