注目トピックス 日本株
リソル Research Memo(8):業績予想の開示が可能となった時点で速やかに公表
配信日時:2022/07/19 15:28
配信元:FISCO
■業績見通し
1. 2023年3月期の業績見通し
コロナ禍に引き続きウクライナ情勢や原燃料高、円安などにより、これまでにも増して先行き不透明な状況が続いている。リソルホールディングス<5261>の中でも特にホテル運営事業はコロナ禍による宿泊需要の減少に直撃されており、回復状況の見通しは非常に不透明な状況と言わざるをえない。しかしながら、規制の緩和などWithコロナを睨んだ動きやインバウンド回復への期待など、明るい話題も散見されるようになった点はポジティブといえる。いずれにしろ、諸々の前提を現段階で適正かつ合理的に算定することが困難なことから、同社は2023年3月期の業績予想を未定とした。業績予想の開示が可能となった時点で速やかに公表する方針である。
Withコロナの時代の的確なマーケティング戦略と投資の継続
2. 2023年3月期~中期のシナリオ考察
小売・外食やインバウンドなどの規制の緩和・解除などに関する前向きな報道を見ると、Withコロナの時代へと足もとで急速にシフトしているように思われる。今後も、強力な感染力や高い重症化率・死亡率のある新たな変異株が登場しない限り、Withコロナへ向かう傾向は続いていくことが見込まれる。ホテル業界でも、政府が先頭に立った観光需要喚起策やインバウンド解禁などへの期待が高まっているが、そうした方向性を正確に予想するには、秋商戦の予約状況などを確認する必要があろう。特にインバウンドに先行して回復が期待される国内旅行は、コロナ禍で動きの鈍ったシニア層を動かす施策が必要で、各社とも政策対応とマーケティングの勝負になってくると思われる。これは他の事業も同様で、Withコロナが浸透して消費が回復すれば、より的確なマーケティングが必要となる。以下で、2023年3月期や中期に向けた各事業のマーケティングシナリオを見ていく。
同社のホテル運営事業は、少なくとも2022年3月期より改善することが期待される。一方、前期に予定されていた「ホテルリソルステイ秋葉原(2022年9月以降の開業予定)」の開業に向けた費用がかかるため、黒字化には今しばらく時間がかかりそうだ。したがって、利益改善幅をなるべく大きくするため、各施設店・各業態でマーケティングをしっかり展開し、ターゲットを明確にした独自サービスで差別化を図っていく必要があり、特に女性向けの企画実施や中長期滞在向け商品、別荘をシェアする「リソルステイ事業」の開発を強化する方針である。外部環境次第とはいえ、現状の業界環境の好回転が続けば遠からず黒字化が見え、インバウンドが復活すれば再び成長ドライバーとなることも夢ではないと思われる。中期的には、2024年に業況が回復するとの前提で、ホテルのバリエーション拡大などインバウンドを睨んだ展開を進めていく予定である。
ゴルフ運営事業は、引き続き堅実な業績が見込まれるこうした時代だからこそ取得できるゴルフ場も少なくなく、2022年度内に4つのゴルフ場を新たに傘下に収めるようだ。既存ゴルフ場、新規ゴルフ場ともに、立地やグレードの特性を生かしてコース品質の向上や単価の上昇を目指し、キャンプ運営や地域特産品販売など付帯売上の強化により収益を拡大、温泉や景観などの特色あるゴルフ場については久慈で成功した「フェアウェイフロントヴィラ」を横展開して高付加価値化を進める方針である。一方、差別化しづらいゴルフ場は、太陽光発電設備を設置して再生エネルギー事業として、時間をかけて再生していく方針である。この際、再生エネルギーへのニーズが高まっていることから、必ずしも投資再生事業として売却するわけではないようだ。また、様々なグレードのゴルフ場を運営しているノウハウから、他のゴルフ場のオペレーションを引き受けるビジネスの方向性は従来と変わらない。中期的には「フェアウェイフロントヴィラ」を事業として育成する方針で、将来的に同事業がグループ収益をけん引していく可能性もあると思われる。
リソルの森(CCRC)事業では、圏央道のスマートインターが近くに開設されたことで都心からの距離が近くなったこともあり、リゾートとしてまた本格的なブランドとして格上げ策を展開する方針である。そこで、都心から最も近い密を避けるリゾートとしての認知度を向上させるため情報発信を強める。このほか、施設のメンテナンスを強化して高単価販売と稼働率向上の両立を目指す一方企画を強化、体験プログラムや付帯施設の利用をパッケージ化した商品企画、アウトドア志向に対応した「グランヴォー スパ ヴィレッジ」のブランド化、オートキャンプサイトの販売、「ゴルフバケーションクラブ リソルの森」の販売、「チームワーク強化合宿」など団体受注獲得、MTCスポーツクラブ会員の募集——などを推進していく考えである。中長期的には、グループの象徴としての位置づけにとどまらず、「リソルの森」の総合力をベースに運営と不動産による収益拡大を目指していく。
福利厚生事業は、ウェルビーイング関連メニューの新規開発や、ARMとの協業で「アドバンテッジWell Gage」と「ライフサポート倶楽部」の新規契約の獲得を強化する。生活オンライン機能の拡充とスマートフォンアプリの開発により、会員の利便性向上を一層図る。
ライフサポート倶楽部は、200万人と同社の中で会員数が最も多いことから、グループに対するマーケティング上の貢献も期待される。再生エネルギー事業では、福島石川太陽光発電所第三設備(約15MW)、福島石川太陽光発電所第四設備(約1.3MW)の設置に向けて準備を進める。また、グループゴルフ場などの駐車場を利用したソーラーカーポート事業では、第一弾として「スパ&ゴルフリゾート久慈」内の駐車場に太陽光発電設備を搭載したカーポートを設置する予定である。投資再生事業では、既存ゴルフ場の一部や新規取得ゴルフ場の再生エネルギー事業への転用、脱炭素ニーズを見据えた再生エネルギー権利付与地売却など、ゴルフ場やホテルなど運営施設のバリューアップ型投資再生ビジネスを引き続き推進する。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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1. 2023年3月期の業績見通し
コロナ禍に引き続きウクライナ情勢や原燃料高、円安などにより、これまでにも増して先行き不透明な状況が続いている。リソルホールディングス<5261>の中でも特にホテル運営事業はコロナ禍による宿泊需要の減少に直撃されており、回復状況の見通しは非常に不透明な状況と言わざるをえない。しかしながら、規制の緩和などWithコロナを睨んだ動きやインバウンド回復への期待など、明るい話題も散見されるようになった点はポジティブといえる。いずれにしろ、諸々の前提を現段階で適正かつ合理的に算定することが困難なことから、同社は2023年3月期の業績予想を未定とした。業績予想の開示が可能となった時点で速やかに公表する方針である。
Withコロナの時代の的確なマーケティング戦略と投資の継続
2. 2023年3月期~中期のシナリオ考察
小売・外食やインバウンドなどの規制の緩和・解除などに関する前向きな報道を見ると、Withコロナの時代へと足もとで急速にシフトしているように思われる。今後も、強力な感染力や高い重症化率・死亡率のある新たな変異株が登場しない限り、Withコロナへ向かう傾向は続いていくことが見込まれる。ホテル業界でも、政府が先頭に立った観光需要喚起策やインバウンド解禁などへの期待が高まっているが、そうした方向性を正確に予想するには、秋商戦の予約状況などを確認する必要があろう。特にインバウンドに先行して回復が期待される国内旅行は、コロナ禍で動きの鈍ったシニア層を動かす施策が必要で、各社とも政策対応とマーケティングの勝負になってくると思われる。これは他の事業も同様で、Withコロナが浸透して消費が回復すれば、より的確なマーケティングが必要となる。以下で、2023年3月期や中期に向けた各事業のマーケティングシナリオを見ていく。
同社のホテル運営事業は、少なくとも2022年3月期より改善することが期待される。一方、前期に予定されていた「ホテルリソルステイ秋葉原(2022年9月以降の開業予定)」の開業に向けた費用がかかるため、黒字化には今しばらく時間がかかりそうだ。したがって、利益改善幅をなるべく大きくするため、各施設店・各業態でマーケティングをしっかり展開し、ターゲットを明確にした独自サービスで差別化を図っていく必要があり、特に女性向けの企画実施や中長期滞在向け商品、別荘をシェアする「リソルステイ事業」の開発を強化する方針である。外部環境次第とはいえ、現状の業界環境の好回転が続けば遠からず黒字化が見え、インバウンドが復活すれば再び成長ドライバーとなることも夢ではないと思われる。中期的には、2024年に業況が回復するとの前提で、ホテルのバリエーション拡大などインバウンドを睨んだ展開を進めていく予定である。
ゴルフ運営事業は、引き続き堅実な業績が見込まれるこうした時代だからこそ取得できるゴルフ場も少なくなく、2022年度内に4つのゴルフ場を新たに傘下に収めるようだ。既存ゴルフ場、新規ゴルフ場ともに、立地やグレードの特性を生かしてコース品質の向上や単価の上昇を目指し、キャンプ運営や地域特産品販売など付帯売上の強化により収益を拡大、温泉や景観などの特色あるゴルフ場については久慈で成功した「フェアウェイフロントヴィラ」を横展開して高付加価値化を進める方針である。一方、差別化しづらいゴルフ場は、太陽光発電設備を設置して再生エネルギー事業として、時間をかけて再生していく方針である。この際、再生エネルギーへのニーズが高まっていることから、必ずしも投資再生事業として売却するわけではないようだ。また、様々なグレードのゴルフ場を運営しているノウハウから、他のゴルフ場のオペレーションを引き受けるビジネスの方向性は従来と変わらない。中期的には「フェアウェイフロントヴィラ」を事業として育成する方針で、将来的に同事業がグループ収益をけん引していく可能性もあると思われる。
リソルの森(CCRC)事業では、圏央道のスマートインターが近くに開設されたことで都心からの距離が近くなったこともあり、リゾートとしてまた本格的なブランドとして格上げ策を展開する方針である。そこで、都心から最も近い密を避けるリゾートとしての認知度を向上させるため情報発信を強める。このほか、施設のメンテナンスを強化して高単価販売と稼働率向上の両立を目指す一方企画を強化、体験プログラムや付帯施設の利用をパッケージ化した商品企画、アウトドア志向に対応した「グランヴォー スパ ヴィレッジ」のブランド化、オートキャンプサイトの販売、「ゴルフバケーションクラブ リソルの森」の販売、「チームワーク強化合宿」など団体受注獲得、MTCスポーツクラブ会員の募集——などを推進していく考えである。中長期的には、グループの象徴としての位置づけにとどまらず、「リソルの森」の総合力をベースに運営と不動産による収益拡大を目指していく。
福利厚生事業は、ウェルビーイング関連メニューの新規開発や、ARMとの協業で「アドバンテッジWell Gage」と「ライフサポート倶楽部」の新規契約の獲得を強化する。生活オンライン機能の拡充とスマートフォンアプリの開発により、会員の利便性向上を一層図る。
ライフサポート倶楽部は、200万人と同社の中で会員数が最も多いことから、グループに対するマーケティング上の貢献も期待される。再生エネルギー事業では、福島石川太陽光発電所第三設備(約15MW)、福島石川太陽光発電所第四設備(約1.3MW)の設置に向けて準備を進める。また、グループゴルフ場などの駐車場を利用したソーラーカーポート事業では、第一弾として「スパ&ゴルフリゾート久慈」内の駐車場に太陽光発電設備を搭載したカーポートを設置する予定である。投資再生事業では、既存ゴルフ場の一部や新規取得ゴルフ場の再生エネルギー事業への転用、脱炭素ニーズを見据えた再生エネルギー権利付与地売却など、ゴルフ場やホテルなど運営施設のバリューアップ型投資再生ビジネスを引き続き推進する。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
<SI>
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