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世銀、G20報告書の公表に難色 自己資本規制緩和巡り=関係筋

配信日時:2022/07/15 18:33 配信元:REUTERS

[ヌサドゥア(インドネシア) 15日 ロイター] - 関係筋によると、世界銀行は融資能力拡大に向け世銀の自己資本比率規制を緩和することを求める報告書の公表に難色を示している。

報告書はインドネシアで開催されている20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で公表される予定。

報告書の支持者は、インフレで先進国の海外支出拡大が難しい中、世銀の自己資本規制を緩和すれば、低所得国への融資を増額できると主張している。

ただ、世銀などの多国籍開発銀行はこの報告書の公表に反対。世銀は厳格な自己資本規制を緩和すれば資本市場での地位が低下し、AAAの格付けが危うくなると主張。低所得国向け融資の原資の調達に支障が出るとの見解を示している。

世銀の報道官は報告書の提言を精査しているとコメントした。

報告書は経済学者や開発の専門家がまとめたもので、多国籍金融機関の統治構造を変更する提言も盛り込まれているという。

開発経済学者の試算によると、世銀などの多国籍開発銀行の自己資本比率を微調整し、格付けの小幅な引き下げを容認すれば、最大1兆ドルを融資できるという。

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