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イチネンHD Research Memo(1):2022年3月期は計画を上回り営業利益は前期比14.7%増
配信日時:2022/07/13 16:01
配信元:FISCO
■要約
イチネンホールディングス<9619>は自動車リース関連事業(自動車リース、自動車メンテナンス受託、燃料販売等)、ケミカル事業、パーキング事業、機械工具販売事業、合成樹脂事業等の幅広い事業を手掛けている。自動車関連が中心だが、それ以外にも事業が分散されていることから業績は比較的安定しており、利益の急変動が少ない企業であると言える。
1. 2022年3月期の業績概要
2022年3月期の業績は、売上高が120,644百万円(前期比7.1%増)、営業利益が8,623百万円(同14.7%増)、経常利益が8,728百万円(同16.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が5,646百万円(同87.2%増)となった。売上高は、すべてのセグメントで増収となった。セグメント利益は、機械工具販売が販管費の増加により減益となったが、それ以外のセグメントはすべて増益となった。前期の反動もあるが、特にパーキングと合成樹脂の回復が大きかった。親会社株主に帰属する当期純利益が大幅増益となったのは、前期に自動車リース関連事業における基幹システムの開発中止等に伴う固定資産除売却損2,483百万円を特別損失に計上したことによる。なお、営業利益は19期連続で増益を達成した。
2. 2023年3月期の業績見通し
2023年3月期の業績は、売上高が122,000百万円(前期比1.1%増)、営業利益が7,660百万円(同11.2%減)、経常利益が7,700百万円(同11.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益が4,880百万円(同13.6%減)の予想となっている。ケミカル、パーキング、機械工具は増益予想である。自動車リース関連は、中古車販売や燃料販売の販売単価が2022年3月期よりも落ち込む見込みで、減益予想となっている。また合成樹脂も、2022年3月期に遊技機の新基準機への移行に伴う入替の特需があった反動で、減益の見込みとなっている。しかし全体では、2023年3月期における各事業の前提をかなり保守的に見ている印象で、今後の状況によっては計画を上振れする可能性もありそうだ。
3. 中長期の成長戦略及び株主還元
新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)の影響により先行きは依然として不透明であるが、中長期的には今後も各事業分野を伸ばしていく方針で、M&Aも積極的に行う考えだ。社内に向けた長期経営数値目標として、売上高2,000億円超、営業利益200億円超を掲げている(時期は明示していない)。今後のコロナ禍の影響や原油価格の動向等によっては計画の見直しもあり得るが、現時点ではこの目標は変えていない。株主還元においては、2021年3月期は年間40円、2022年3月期も同46円の配当を行った。2023年3月期も年間46円の配当を予定している。加えて、過去には自己株式の取得・消却も行っており、株主還元にも前向きである。
■Key Points
・自動車リース関連事業が主力で、安定した収益力が特色
・2022年3月期は19期連続で営業増益を達成。2023年3月期は減益予想だが上振れの可能性も
・社内的な長期経営数値目標として、売上高2,000億円超、営業利益200億円超を掲げる
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<EY>
イチネンホールディングス<9619>は自動車リース関連事業(自動車リース、自動車メンテナンス受託、燃料販売等)、ケミカル事業、パーキング事業、機械工具販売事業、合成樹脂事業等の幅広い事業を手掛けている。自動車関連が中心だが、それ以外にも事業が分散されていることから業績は比較的安定しており、利益の急変動が少ない企業であると言える。
1. 2022年3月期の業績概要
2022年3月期の業績は、売上高が120,644百万円(前期比7.1%増)、営業利益が8,623百万円(同14.7%増)、経常利益が8,728百万円(同16.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が5,646百万円(同87.2%増)となった。売上高は、すべてのセグメントで増収となった。セグメント利益は、機械工具販売が販管費の増加により減益となったが、それ以外のセグメントはすべて増益となった。前期の反動もあるが、特にパーキングと合成樹脂の回復が大きかった。親会社株主に帰属する当期純利益が大幅増益となったのは、前期に自動車リース関連事業における基幹システムの開発中止等に伴う固定資産除売却損2,483百万円を特別損失に計上したことによる。なお、営業利益は19期連続で増益を達成した。
2. 2023年3月期の業績見通し
2023年3月期の業績は、売上高が122,000百万円(前期比1.1%増)、営業利益が7,660百万円(同11.2%減)、経常利益が7,700百万円(同11.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益が4,880百万円(同13.6%減)の予想となっている。ケミカル、パーキング、機械工具は増益予想である。自動車リース関連は、中古車販売や燃料販売の販売単価が2022年3月期よりも落ち込む見込みで、減益予想となっている。また合成樹脂も、2022年3月期に遊技機の新基準機への移行に伴う入替の特需があった反動で、減益の見込みとなっている。しかし全体では、2023年3月期における各事業の前提をかなり保守的に見ている印象で、今後の状況によっては計画を上振れする可能性もありそうだ。
3. 中長期の成長戦略及び株主還元
新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)の影響により先行きは依然として不透明であるが、中長期的には今後も各事業分野を伸ばしていく方針で、M&Aも積極的に行う考えだ。社内に向けた長期経営数値目標として、売上高2,000億円超、営業利益200億円超を掲げている(時期は明示していない)。今後のコロナ禍の影響や原油価格の動向等によっては計画の見直しもあり得るが、現時点ではこの目標は変えていない。株主還元においては、2021年3月期は年間40円、2022年3月期も同46円の配当を行った。2023年3月期も年間46円の配当を予定している。加えて、過去には自己株式の取得・消却も行っており、株主還元にも前向きである。
■Key Points
・自動車リース関連事業が主力で、安定した収益力が特色
・2022年3月期は19期連続で営業増益を達成。2023年3月期は減益予想だが上振れの可能性も
・社内的な長期経営数値目標として、売上高2,000億円超、営業利益200億円超を掲げる
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<EY>
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