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世界的な景気後退排除できず、見通し著しく悪化=IMF専務理事

配信日時:2022/07/07 05:03 配信元:REUTERS

[6日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)のゲオルギエワ専務理事は6日、世界経済の見通しは4月以降「著しく悪化した」とし、リスクが高まっていることを踏まえると、来年に世界経済が景気後退(リセッション)入りする可能性は排除できないと述べた。

IMFは4月に公表した世界経済見通しで、ロシアのウクライナ侵攻を背景に、2022年の世界経済の成長率予測を1月時点の予測から0.8%ポイント下方修正し、3.6%とした。21年の世界的な経済成長率は6.1%だった。IMFは7月終盤に新たな見通しを公表する予定。

ゲオルギエワ専務理事はロイターのインタビューに対し、インフレの広範な拡大、大幅な利上げ、中国の経済成長鈍化、ロシアによるウクライナ侵攻を受けた制裁措置の強化などを挙げ、「4月以降、見通しは大幅に悪化した」とし、22年の世界的な経済成長率見通しが再度下方修正されるとの見方を示した。

世界的な景気後退を排除できるかとの質問に対し「リスクが増大していることを踏まえると、排除はできない」と回答。最近の経済データで中国やロシアなどのいくつかの主要経済国の経済が第2・四半期に縮小したことが示されているとし、23年にはリスクがさらに高まると予想。「22年も厳しいが、23年は一段と厳しくなる。23年の景気後退リスクが高まっている」と述べた。

その上で、金融引き締めが長期化すれば、世界経済の見通しが複雑になるとしながらも、高騰する物価の抑制が極めて重要と指摘。世界経済の見通しは2年前よりも多様化しており、米国などのエネルギー輸出国が好調な一方、輸入国は苦境に立たされているとし、物価安定が急務になっていることを踏まえると、成長鈍化は「必要な代償」である可能性があると考えを示した。

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